日本のファンには、グレート・ムタがWCW遠征時に絡んだことで知られているかもしれません。
『WWEの独裁者―ビンス・マクマホンとアメリカン・プロレスの真実』ショーン・アセール、マイク・ムーニハム 著 菱山繁 訳 によるとザ・デーモンはデビューさせるのに60万ドルかかったそうです。
現在のレートで計算しますと約5482万円ですね(グーグルエンジンでの計算)。
▽5482万円也
参考 WCW The KISS Demon Tribute
上の動画をみるに開発、衣装、演出、権利などにかかったお金でしょうか。
KISSのナイトロ(プロレス番組名)出演は、夜11時過ぎに1曲歌って100万ドルだったそうです。
この時間帯はショーにとって何のメリットもないそうで。
これらは「赤字の垂れ流し」と題された欄に出ています。
ザ・デーモンの中身はデール・トーボーグというレスラー。
ブライアン・アダムスも一度だけ演じています。アダムスはビッグバン・ベイダーの中身候補の1人でもあったレスラー。タッグチームのクロニックとしても活躍しました。
大金をかけた企画のわりに、体格だけは立派でキャリアが浅くしょっぱいトーボーグに演じさせたのは、どう見ても失策でした。
トーボーグの親父さんはジェフ・トーボーグというMLBの元監督で、1990年にシカゴ・ホワイトソックスで最優秀監督賞を受賞したほどの人物なのです。
デールはプロレスラーになる以前、ドラフト外入団でメッツ→ヤンキース傘下のマイナーに2年間在籍、2Aに上がることさえなく引退しています。(一塁手 キャリア通算 59試合 打率.221 本塁打2)
参考 TNA: World Championship Belt for World Series Champions
上の動画でインタビューを受ける左端がデール。隣りは問題児で有名なA.J.ピアジンスキー(ホワイトソックス キャッチャー)。デールは身長が2メートル1センチもあり、打者としては大きすぎました。
2003年にはフロリダ・マーリンズでコンディショニング・コーチとして、2005年にはホワイトソックスでトレーナー(井口資仁選手と同僚)としてワールドチャンピオンのメンバーにもなっています。
当然、彼のベースボール・キャリアは父親の強力なコネで形成されたものでしょう。