デイサービス羊ヶ丘の郷 運営日記

札幌市で民家を使ったデイサービス・宅老所を運営しています。
日々の出来事などをご紹介していきます。

高齢者下宿 経過です

2008-03-29 15:23:05 | 一応シャチョウ
以前、ブログに書いた高齢者下宿構想の経過報告です。

現在は、新築で建てる方向でプランを作り、銀行に融資の打診をしている段階です。

年度末ということもあり、銀行からの返事はまだきていません。

決算書の数字がお世辞にも良いとは言えないので、あまり期待はしていないんですが、

うまく話が進むと嬉しいなぁ、と淡い期待を抱いております。



この新築の下宿とは別に、古い民家を使った下宿もできないものか、と考えています。

新築のほうは、有料老人ホームの廉価版のようなイメージになるんですが、

古い民家のほうは、個室で一人の生活は難しいけど、誰かと一緒なら生活できる。

そういう人の生活の場にしたいと考えています。

介護をするわけではなく、見守る人と一緒に共同生活を送る。

在宅と施設の間のような場所って、なかなかないですよね。



始めたい!、といったところで経営に余裕もなく、簡単には始めることはできませんが、

早い段階で実現したいと思っています。




え~まったくの余談ですが、今日はわたくしの30回目の誕生日です。

三十路を機に気持ち新たに頑張ります!

セミナーに参加して考えたこと (長文です。ご注意を…)

2008-03-24 23:53:33 | 一応シャチョウ
3月20日のセミナーは無事に終了いたしました。

一応、パネルディスカッションに参加はしたのですが、

大した発言もせずに終了…(笑)

まぁ、事前の準備もあまりできなかったんですけど…(はい、言い訳です)

他の方が、ビジョンや想いをわかりやすく語っていただけに、

私の未熟さが際立ってしまい、ちょっと場違いな感じが…

「お前は何でそこにいるの?」

という、会場の方からの視線を感じました。

勉強不足ですな…出直します(笑)


さてこのセミナー、特に面白かったのは、釧路谷藤病院の院長先生のお話。

嫌いだった在宅医療や認知症の方への関わりに、どのようにして取り組むようになっていったか。

看取りについての取り組みや、今後の医療と介護の関係性についても語られていて、大変興味深かったです。



その翌々日の22日は、江別の「笑や」さんのセミナーに行ってきました。

講師は、あの「よりあい」の下村恵美子さんと村瀬孝生さんです!

「よりあい」は宅老所やグループホームの始まりの場所。

私も一応、宅老所開設者の端くれ。一度でいいからお二人のお話しは聞いてみたかった。


感想は「良かった」の一言。

今回は、お二人が掛け合いながらの進行で、初めての試みだったそうですが、これがまた良かった。


よりあいを始めるきっかけや、じいちゃんばあちゃんの色々なエピソード。

そして、よりあいにおける看取りへの取り組み。

昨年の「よりあい見学ツアー」には参加できなかったんですが、

今度のツアーにはぜひ参加して、自分の目で見てみたいですね。



さて谷藤先生や、下村さん村瀬さんのお話に出てきた共通のテーマは「看取り」。

いま、介護の世界でも盛んに語られています。

谷藤先生は、大家族で無ければ、自宅での看取りは困難であると仰っていました。

家族だけで看取るには、一人ひとりの負担を減らすために、たくさんの人が交代で看ることが必要だと。

しかしいまのご時勢、大家族なんてそうそうありません。そうなると、自宅で最期を迎えるのは難しい。

じゃあ病院で最期を迎えるしかないのか?最期までその人らしい生活を送ることは出来ないのか?

そういったときに、介護の現場での看取りの必要性が出てくるのでしょう。


実際によりあいの例では、自宅からよりあいに生活拠点を移し、

よりあいで安らかに最期を迎えるため、様々な取り組みを行っています。


よりあいで、なぜ看取りを行うのか。

目の前のじいちゃんばあちゃんを支えて生活の場を提供すると、必ず最期のときに向かっていく。

その時に、家族の意向と協力があれば、そのまま最期まで支えきる。

それは必然的な流れだと。


言うのは簡単で、実際にやるのはものすごく大変です。

自分たちのスキルはもちろん、家族との信頼関係がないととても無理です。

そして何より、自分たちに覚悟がないと絶対に出来ないでしょう。


いまの私にその覚悟はあるだろうか?

いやその前に、家族からそこまでの信頼を受けているだろうか?


何組かの家族からは、施設やグループホームではなく、

羊ヶ丘の郷で生活することはできないだろうか、と相談されています。

実際、週の半分は羊ヶ丘の郷に泊まっているばあちゃんもいます。

でも、もし最期のときが迫ったとき、家族はここを選ぶだろうか?

もし選ばれたとき、その思いに応えることができるだろうか?


いまの私にそこまでの覚悟は正直ないです。目の前に差し迫ったものがないせいかもしれない。

仮に私に覚悟が出来ても、スタッフ全員が共通認識を持たなければ実践は出来ないでしょう。

だからといって、そのことから逃げてはいけないと思う。


だって、生活の場を提供すれば、必ず最期のときは来るのだから。

生活の場を提供する以上は、家族にとことん信頼される場所でありたいから。

そのためにも、いまから準備をしておかなければいけないと思う。


セミナーに参加するまでは、看取りはうちにはまだまだ関係ない。そう思ってました。

まったくもって勉強不足ですな…出直します。

悲しいニュース

2008-03-17 22:44:16 | 一応シャチョウ
昨日、札幌の清田区で悲しい事件がありました。

50代の娘さんが、80代の母親と自宅で無理心中を図り、お二人とも亡くなっていた…

娘さんのご主人が、お二人を発見したようで、

居間に「介護に疲れました」などと書かれたメモがあったそうです。

デイサービスの送迎が来たりしていたようなので、介護サービスは利用していたようです。



私たちの仕事は、利用者さんのケアだけではありません。

こういった、介護に悩む家族もケアしなければいけないのです。

介護に追い詰められた家族の変化に、いかに気付けるか。

何でも相談できるような人間関係を、普段からいかに築けるか。

介護事業者の力量や対応一つで、ひとの人生を大きく変えるということを改めて自覚しました。

このような事件が二度と起こらぬよう、私たちも日々研鑽を積んでいきたいと思います。

2周年記念セミナー

2008-03-10 23:35:28 | 一応シャチョウ
6月8日(日)に開催する『2周年記念セミナー』の詳細が決まりました。

日 時:6月8日(日)12:50~16:40(12:00~開場)
会 場:共済ホール(定員650名)
参加費:1000円
内 容:基調講演① 「宅老所での地域ケア」
             井戸端げんき      代表 伊藤 英樹氏
     基調講演② 「認知症の新しいケア」
             生活とリハビリ研究所 代表 三好 春樹氏
     対談 「介護ほど面白い仕事はない~なぜこの仕事続けるのか」
             伊藤 英樹氏×三好 春樹氏


ちなみに先日、NHKのドキュメンタリー番組で、井戸端げんきの放送がありました。

「居場所のない人たちが集まる場所ですよ」

さらっとそう言えてしまう伊藤さんは、やっぱりすごいなと改めて実感。

すごい事をやっているのに、伊藤さんをはじめ皆さん自然体なんです。


最近は現実に追われていっぱいいっぱいでしたが、

何をしたいか、何をするべきか、理想や目的を再認識しないといけない。そう考えさせられました。

「福祉を必要としているのに、その福祉にすら来る事を断られてしまう。

そんな人たちが行ける場所を作ったんです」

私もいつか、同じ言葉を胸を張って言えるように、頑張りたいと思います。


舛添さんの本を読みました

2008-03-08 10:39:00 | 一応シャチョウ
先日、ふらっと立ち寄った本屋さんで、舛添厚労相の著書を発見。

帯に、まえがきからの抜粋で、


  母が私に最後に学ばせたこと、それは、自ら認知症になることで私に見せた「日本の現実」でした。
  そして、私が見たその日本の現実とは、なんとお粗末なものであったことか。
  だから、私にとって「介護」をはじめとする社会保障制度を整えるという今の仕事は、どうしても成就しなければならないものなのです。


とあったので購入。早速読んでみました。



最初に入った老健では、まともなケアを受けられず、車いす生活に転じ、おむつまであてられた…

駄目な施設からは一日も早く対処させるのが鉄則。でも、次に行くところがないのも現実。

といったような、実体験が書かれていました。



正直、誰が厚労相になっても、劇的に制度が改善されることは無いんでしょうが、

何も知らない人よりは期待できるのかなぁ、と思います。

でも、きっと年金問題で忙しくて、介護保険どころじゃないんだろうな…

今のような非常時ではなく、平常時に大臣になっていれば、もっと期待できるのかも知れません。