紅楼夢

紅楼夢（こうろうむ）。シナ清代に書かれた大長編小説。心理描写に特に優れる。

この小説は、都の大貴族賈家（かけ）の貴公子賈宝玉（かほうぎょく）が主人公です。賈家敷地内の大庭園「大観園」のなかで、宝玉とその姉妹達が楽しく遊び暮らすさまを精緻に書き綴っています。詩会あり、酒宴あり、観劇ありで、読者はその豪華絢爛さに圧倒されることでしょう。その上で秀逸な心理描写がありますので、読者は一読直ちに、作品世界に引きずり込まれることと思います。
この小説は、さらに侍女同士のいじめ、正妻による妾へのいじめ、主人公の弟の妬み、過ぎた奢侈による経済的窮迫など、ダークサイドの記述もぬかりありません。まさにシナ文学史の最高峰です。なお紅楼夢はシナの観光資源にもなっています。北京大観園と上海大観園の、ふたつのテーマパークがシナ内外の人気を博しています。
岩波文庫で買えます。