■ セカンドキャリアは高校野球指導者に関心…現役若手にアンケート(報知・2010年1月18日)
■ 75%の選手が引退後に不安…セカンドキャリア調査(報知・2010年1月19日)
NPBは若手選手を主な対象として、セカンドキャリア(第二の人生)についてのアンケートを行っています。
このほど第3回調査の結果がまとまり、報道されました。報知は2つの記事に分けていますが、このうち上でご紹介したものがセカンドキャリアの理想、下が現実というところでしょうか。
ここで断っておくと(どんな調査の結果もそうですが)、この調査の結果を見る上では若干の注意が必要です。
まず、回答者が二軍中心の若手に偏っている点。一軍で活躍している選手よりも、プロとしてのキャリアが少ない選手が多いことから、今後への自信が比較的低い選手が多い可能性が考えられます。
となると、セカンドキャリアについてもネガティブな回答が多くなり、プロ野球選手全体の意識よりもネガティブに偏った結果が出てくる可能性があります。
報道では「75%の選手が引退後に不安」という結果が示されています。しかし、今述べたような条件を考えれば、このデータは割り引いて考えるべきでしょう。
とはいえ、そのような点に注意しさえすれば、調査結果はプロ野球選手のセカンドキャリアについて、多くのことを語ってくれるはずです。
……なんですが、肝心の結果自体がNPBから発信されてないのが残念。
生データを出せとまでは言いませんが、集計結果ぐらいはウェブで載せた方がいいと思うんですけどね。調査結果を100%自分たちだけで活かせるという自信があるのなら別ですが。
で、肝心のセカンドキャリア構築に対する支援はどうなっているのか?
先ほどの報知の記事によれば、プロ野球選手に対する求人自体は少なくないとのことです。
しかし、NPBの手塚康二キャリアサポート担当は、
「セカンドキャリアサポートは、あくまで滑り止めと考えている相談者も多い。選手が欲しいという企業が多くても、供給できないこともある」
と述べています。キャリアサポートという供給と選手側の需要とがマッチしていないようです。
ではどうすればいいのか? 情報の乏しい外部の人間に考えられることは少ないのですが、一般論で言えば、需要(選手)側に応じた求人の確保と、求人の質の向上、ということにはなりそうです。
もっとも、需要側は野球ばかりやってきた選手たちです。彼らの希望と現実とでは往々にしてギャップがあるでしょうし、そもそも野球以外でのキャリアに関する意識が希薄な例も少なくないでしょう。
となれば、彼らに現実の社会や仕事についてレクチャーし、具体的なキャリアを描けるようにするのも、サポートの側の大事な任務です。
その上で、彼らが描くキャリアに合い、かつ十分な質のある求人を確保することが、キャリアサポート成功のカギを握ると言えるでしょう。
特に、後で述べるように、プロ野球選手が引退後のキャリアにおいて、トラブルに巻き込まれる例は少なくありません。
そのようなことを未然に防ぐためにも、キャリアサポートの側で質の高い求人を確保し提供することで、怪しい誘惑から選手を守る必要があるのです。
こう書くと、「NPBがそこまでしないといけないのか?」とお思いの方もいらっしゃるかも知れません。
プロ野球選手は個人事業主、その彼らの引退後のキャリアまでNPBが面倒を見る必要があるのか、という疑問を感じるのは、間違ってはいません。
その上で、私はキャリアサポートは必要であると考えます。それは選手たち自身のためではなく、(プロ)野球のために必要なのです。
プロ野球選手として成功を収めるのは難しいことですが、引退後に成功や安定を得ることには、それとは別の、あるいはそれ以上の難しさがあります。
実際、引退後に事業で失敗するなど、トラブルに巻き込まれる例は後を絶ちません。そのような例は、もちろん本人たちにとって(責任の所在がどこにあるにせよ)不幸なことです。
同時に、プロ野球や野球のイメージを高め、次代の関心を集める上でも、そのような不祥事は少なからずマイナスに働きます。
それだけに、そのようなマイナスの要素が発生することを未然に防ぐのは、球界関係者にとっては自らの利益を守ることでもあるのです。
セカンドキャリアというのは、選手にとっては考えたくないことではあるでしょう。しかし、いつかは避けられなくなるものです。
そして、それを否応なしに避けられなくなった時に、球界がどのような手を差し伸べられるか。球界自らの問題として考えてほしいものです。
■ 75%の選手が引退後に不安…セカンドキャリア調査(報知・2010年1月19日)
NPBは若手選手を主な対象として、セカンドキャリア(第二の人生)についてのアンケートを行っています。
このほど第3回調査の結果がまとまり、報道されました。報知は2つの記事に分けていますが、このうち上でご紹介したものがセカンドキャリアの理想、下が現実というところでしょうか。
ここで断っておくと(どんな調査の結果もそうですが)、この調査の結果を見る上では若干の注意が必要です。
まず、回答者が二軍中心の若手に偏っている点。一軍で活躍している選手よりも、プロとしてのキャリアが少ない選手が多いことから、今後への自信が比較的低い選手が多い可能性が考えられます。
となると、セカンドキャリアについてもネガティブな回答が多くなり、プロ野球選手全体の意識よりもネガティブに偏った結果が出てくる可能性があります。
報道では「75%の選手が引退後に不安」という結果が示されています。しかし、今述べたような条件を考えれば、このデータは割り引いて考えるべきでしょう。
とはいえ、そのような点に注意しさえすれば、調査結果はプロ野球選手のセカンドキャリアについて、多くのことを語ってくれるはずです。
……なんですが、肝心の結果自体がNPBから発信されてないのが残念。
生データを出せとまでは言いませんが、集計結果ぐらいはウェブで載せた方がいいと思うんですけどね。調査結果を100%自分たちだけで活かせるという自信があるのなら別ですが。
で、肝心のセカンドキャリア構築に対する支援はどうなっているのか?
先ほどの報知の記事によれば、プロ野球選手に対する求人自体は少なくないとのことです。
しかし、NPBの手塚康二キャリアサポート担当は、
「セカンドキャリアサポートは、あくまで滑り止めと考えている相談者も多い。選手が欲しいという企業が多くても、供給できないこともある」
と述べています。キャリアサポートという供給と選手側の需要とがマッチしていないようです。
ではどうすればいいのか? 情報の乏しい外部の人間に考えられることは少ないのですが、一般論で言えば、需要(選手)側に応じた求人の確保と、求人の質の向上、ということにはなりそうです。
もっとも、需要側は野球ばかりやってきた選手たちです。彼らの希望と現実とでは往々にしてギャップがあるでしょうし、そもそも野球以外でのキャリアに関する意識が希薄な例も少なくないでしょう。
となれば、彼らに現実の社会や仕事についてレクチャーし、具体的なキャリアを描けるようにするのも、サポートの側の大事な任務です。
その上で、彼らが描くキャリアに合い、かつ十分な質のある求人を確保することが、キャリアサポート成功のカギを握ると言えるでしょう。
特に、後で述べるように、プロ野球選手が引退後のキャリアにおいて、トラブルに巻き込まれる例は少なくありません。
そのようなことを未然に防ぐためにも、キャリアサポートの側で質の高い求人を確保し提供することで、怪しい誘惑から選手を守る必要があるのです。
こう書くと、「NPBがそこまでしないといけないのか?」とお思いの方もいらっしゃるかも知れません。
プロ野球選手は個人事業主、その彼らの引退後のキャリアまでNPBが面倒を見る必要があるのか、という疑問を感じるのは、間違ってはいません。
その上で、私はキャリアサポートは必要であると考えます。それは選手たち自身のためではなく、(プロ)野球のために必要なのです。
プロ野球選手として成功を収めるのは難しいことですが、引退後に成功や安定を得ることには、それとは別の、あるいはそれ以上の難しさがあります。
実際、引退後に事業で失敗するなど、トラブルに巻き込まれる例は後を絶ちません。そのような例は、もちろん本人たちにとって(責任の所在がどこにあるにせよ)不幸なことです。
同時に、プロ野球や野球のイメージを高め、次代の関心を集める上でも、そのような不祥事は少なからずマイナスに働きます。
それだけに、そのようなマイナスの要素が発生することを未然に防ぐのは、球界関係者にとっては自らの利益を守ることでもあるのです。
セカンドキャリアというのは、選手にとっては考えたくないことではあるでしょう。しかし、いつかは避けられなくなるものです。
そして、それを否応なしに避けられなくなった時に、球界がどのような手を差し伸べられるか。球界自らの問題として考えてほしいものです。
しばしば、Jリーグと比較されるところですね。
セカンドキャリアに向けての準備は、Jリーグの方が遥かに充実していると聞きます。
それはさておき、どうしてもプロアマ協定の存在がネックになりそうですね。
高校野球の指導者になるにも、まだ細かい制限がある訳ですし。
それにいまだに振り回されてるのもなぁ、とは思いますね。
もっとも、現状が打破できたとして、その後の構図を描けてる人はいるのやら。
しかし、実際にプロ経験者で高校野球の監督を務めている人って、
はたしてどのぐらいいるんでしょうね。