胎蔵界を歩く

2007-10-12 00:30:25 | 日々思うこと

ひょんなご縁で(空海さんのお導きか)同じ年の女性と
丸々一日を一緒に歩くことになった

お寺に訪れるごとに 参道からお参りしないと
そのお寺の良さがわからない気がして
空海さんが最初に作ったという参道を歩いてみることにしたのだった
21キロの山道(だいぶ整備されていてハイキングロードのようになっている)を
朝九時から夕方の六時まで よく歩いたものだと思う

初めて会ったのにやけに気があって
道中 いろいろな話をしながら歩いた

彼女から この参道は真言密教の形作る宇宙 つまり両界曼荼羅の胎蔵界で
根本大塔から奥の院までが金剛界だと聞いた
参道を歩き続けているうちに 今までの身の穢れを落とすことができるという
山登りを無我夢中でしていると 確かに心のわだかまりが解けたりする
今までの少ない山登りの経験でも デトックス効果があるように感じていた
その感覚が 密教世界では身の穢れを落とすということなのだろう

二人でお互いの来し道を 涙や笑いを交えながら話して歩いた
汗と一緒に いろいろな心の煩いが流れていく気がした
気がつけばだんだん暗くなってきて ちょっと心細くなった頃
高野山霊域の入り口 大門の少し下の山道で
線香花火みたいに消え入っていく夕日を 二人でいつまでもながめた

カメラには収めなかったけれど いまでもあの夕日の色が心に残っている

二人で根本大塔(ここが胎蔵界と金剛界の境界線)まで歩いて
私は宿坊に 彼女は橋本の自宅へと帰って行った

(写真は胎蔵界に咲いていた名もしらぬ花 ・・小さなけなげな花だった)



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