いくたびの奈良 その二

礎石に感激する私と瓦に感激する友人
関東のおばちゃんと関西のおばちゃん
何回二人で奈良を歩いてきただろう
二人で思い出しながら数えたけど
わからなくなっちゃうくらい
色々なところを歩いてきた
そして今回の名コンビの散策もまだまだ続く

奈良で私が一番好きな場所を歩いて
二月堂を仰ぎ見て お水取りを想像する
何十年も前に見たことがある
大学に入る前の春休みで
二月堂までの道が寒くて暗くて
親友が足が痛くなって……
そんな不安を抱えつつ眺めた松明の火は
今でも心に残っている
色々な奈良の思い出が蘇る

三月堂を眺めながらおうどんをいただく
茶屋の額が莫山先生の筆とのことだった






四月堂のご本尊が変わってしまってびっくり
以前の仏さんはミュージアムにお出まし
収蔵庫にいらした十一面観音さんが
今は四月堂を守っておられた

二月堂の前の
奈良の三大椿のひとつちりすみの椿
多分これだろうと話しながら
カメラに納めた
二月堂前の塔頭の中庭には
お水取りの時に使われた大松明も
まだ生々しく焼け焦げを残しておかれていた





三月堂の不空絹索さまは
ずっと一緒におられた月光日光両菩薩が引っ越されて
なんだか寂しそうに見えました



本当は撮ってはいけないお堂の中
つい 拝見した思いを閉じ込めたくて
こっそり撮らせていただいてしまう
ごめんなさい