1671．球が速ければいいってもんじゃないけどね

　プロ野球が好きでよく観ています。今年は残念なことにまだ「現場
感覚」を味わっていません。やはり「現場」でないとわからない感覚
ってけっこうありますよね。

　もう20年前のことでしょうか。東京での仕事が早く終わったので、
急遽「東京ドームで野球を観よう」てなことになったわけです。確か
カードは日本ハム対オリックスだったかなと記憶しています。オリッ
クスの投手は、時速90Ｋｍ台のカーブを駆使しながら打者を翻弄する
星野伸之投手でした。その日は三塁側の内野席の比較的グランド寄り
に陣取り観戦していました。

　イニングは忘れましたが、日本ハムの田中幸雄選手が打席に入った
ときに「事件」が起こりました。星野投手が「伝家の宝刀」のカーブ
を田中選手に投じました。田中選手は見送ると・・・、「パシッ」と
いう音が聞こえてきました。なんと捕手の中嶋聡選手が星野投手の球
を素手でキャッチしたのです。場内からは「笑い」が起こりました。
マウンド上の星野投手の顔もいくぶん紅潮しているように見えました。
しかし、中嶋選手は、何食わぬ顔で右手で捕球した球をそのまま星野
投手に返球しました。星野投手よりも速いスピードで。

　このような時の投手の心理状況ってどうなのでしょうか。星野投手
のプライドは・・・。場内の失笑とともに考えさせられる場面でした。
投手の中には 150Ｋｍを超える剛球で勝負するタイプもいます。速い
球は魅力です。しかし、星野投手のような「超遅球」を相手に見せ、
中速球を速く見せる技巧派タイプもいます。魅力的です。

　しかし。いくらなんでも素手で・・・ね。最近ではファイターズの
多田野投手の球が、素手でキャッチできる部類に入るかもしれません。
いくらなんでも、大野選手や鶴岡選手は素手で捕球しないでしょうが。
ちなみにそのチームで現在捕手兼任コーチを務めているのがあの中嶋
コーチというのも何かの因縁です。
　　


↑If this article is quite good, will you please click?