
今回取り上げたのは北森鴻の「カナリヤシリーズ」というビアバー香菜里屋のマスターがお客さんの持ち込んだ謎を解明する短編小説の一つ。
表題の『桜宵』は、ある中年刑事が数年前詐欺事件の犯人が接触する可能性の高い女性を張り込んでいた。ところがかの女性は犯人と接触はおろか若いのに付き合ってる男性も友達もいないような地味な印象。仕事帰りにレンタルショップに寄ったり一人で外食をする程度で職場とアパートを往復するばかり。来ているものもとても地味。
しかし、ある日鮮やかな薄緑のワンピースを来て東京から電車を乗り継いで埼玉にあるK公園まで出向く。そして薄緑色の桜の木の下で誰かを待っているのか、ひたすらその場所に座っている。そして翌日も翌々日も同じ服装で同じ公園の同じベンチに座って動かない。
その後に彼女の哀しい過去がわかり、また死んだ刑事の妻の深い愛情が感じられるエピソードが綴られた、心に沁みるいい話でした。是非ご一読ください。
さて、桜といえば薄紅が定番ですが、白いものやら八重桜のように濃い桃色のものもあります。ここに出て来た御衣黄という桜は薄緑色。平安時代、貴族の着ていた御衣の色に似ていることからそんな名前がついたようです。香りは特にありませんでした。花びらの色があまりにも違うので、一見すると桜の仲間とは思えませんが、幹は確かに桜のようでした。
緑の桜は他にも数種類あるようですが、御衣黄は全国でも百一箇所、埼玉では二箇所しかないという珍しい品種のようです。

御衣黄

隣に咲いていたやはり薄緑の花。おそらく鬱金桜と思われます。
表題の『桜宵』は、ある中年刑事が数年前詐欺事件の犯人が接触する可能性の高い女性を張り込んでいた。ところがかの女性は犯人と接触はおろか若いのに付き合ってる男性も友達もいないような地味な印象。仕事帰りにレンタルショップに寄ったり一人で外食をする程度で職場とアパートを往復するばかり。来ているものもとても地味。
しかし、ある日鮮やかな薄緑のワンピースを来て東京から電車を乗り継いで埼玉にあるK公園まで出向く。そして薄緑色の桜の木の下で誰かを待っているのか、ひたすらその場所に座っている。そして翌日も翌々日も同じ服装で同じ公園の同じベンチに座って動かない。
その後に彼女の哀しい過去がわかり、また死んだ刑事の妻の深い愛情が感じられるエピソードが綴られた、心に沁みるいい話でした。是非ご一読ください。
さて、桜といえば薄紅が定番ですが、白いものやら八重桜のように濃い桃色のものもあります。ここに出て来た御衣黄という桜は薄緑色。平安時代、貴族の着ていた御衣の色に似ていることからそんな名前がついたようです。香りは特にありませんでした。花びらの色があまりにも違うので、一見すると桜の仲間とは思えませんが、幹は確かに桜のようでした。
緑の桜は他にも数種類あるようですが、御衣黄は全国でも百一箇所、埼玉では二箇所しかないという珍しい品種のようです。

御衣黄

隣に咲いていたやはり薄緑の花。おそらく鬱金桜と思われます。
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