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宮澤賢治全集「十字屋版 別卷」について

2008年11月18日 | 随想・日記

 

 

  宮澤賢治全集「十字屋版」の各版の発行日を「検討」するのに、「別卷」からはじめたい。

 「発行日の混迷ぶり」はなぜ生まれたのだろうか。そして如何様な意味を持つのだろうか。私は次のように考えている。

 受容史研究のみならず世の人々に「驚きと感動」を与えた宮澤賢治全集十字屋書店版は、ここで述べるまでもなく戦前戦後にかけて私どもにはかりしれない宝珠文を著わしてくれた。この刊行の意義は少なくない。

 財団法人宮沢賢治記念会から出た「修羅はよみがえった」のなかで杉浦さんは、「十字屋版」初版発行の期日を記している。そのなかで

  別卷   書簡    昭和十九年十二月    (前後略)

 としている。私の管見では「十字屋版 別卷」初版は何れも昭和十九年二月である。二版以後に記載されている初版期日も、同じく二月である。大山さんの「報告」の表にも、各版の「 / 第一版発行・昭和十九年二月二十八日」として二例記されている。(第三版・昭和二十七年七月三十日 / 第一版発行・昭和十八年二月二十八日になっている)「堀尾青史 宮沢賢治年譜」でも『宮沢賢治全集(全六巻別卷一)六月~十九年二月、十字屋書店刊』としている(文芸読本 宮沢賢治 河出書房新社)。問題は初版の奥付であるが、参考のため写真で示してたが、十二月の十を砂消しのようなもので消した跡が見られるのである。明らかに二月としたいための行為と見られる。

 ところで「記念会」から出版された「修羅はよみがえった」の歴史的な著書に、杉浦さんの記された「十二月」には何か意味が隠されているのかもしれない。知りたいところである。

 

        つづく

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6 コメント

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奥付の検印の上の出版界承認1500部について (石川朗)
2015-12-19 08:39:55
この「別巻」の奥付の検印の上にある「出版界承認1500部」はなにか調べてみた。盛岡市立図書館によると昭和18年に「出版統制令」がでてこの版古が必要になったという。「別巻」は1500部「第六巻」は3000部となっている。18~19年発行のこの2冊は入手が難しい。
奥付の検印の上にある「出版會承認1500部」とは (石川朗)
2015-12-19 10:33:23
この写真の「別巻」の奥付の検印の上にある「出版會承認1500部」とは昭和18年に「出版統制令」ができて「日本出版會」によるこの判子が必要になったという。「別巻」は1500部「第六巻」は3000部となっている。この昭和18~19年の2冊の入手は難しい。
『修羅はよみがえった』p.163の意味 (石川朗)
2015-12-24 11:12:54
ヤジェルさんは文中で『修羅はよみがえった』の有益性に触れておられましたが、p.163の杉田英生氏の「①印税、版権のいきさつの具体・・・。②従来の版権者を経済的に納得させたという静六の努力・・・」これらの事項の具体はいったい何なのでしょうか。③『昭和文学全集14宮澤賢治集』の政次朗の吃驚・・は何とか解読しましたが①、②が皆目わからない。どういう事なのでしょうか。ここを突破しないと藤原検印の謎が解読できません。
藤原検印は謎 (ヤジュル)
2015-12-27 20:34:22
石川様 おっしゃるとおり藤原検印は謎です。
①お礼としての宮沢家の行動は、わたくし個人の知っている範囲では「印税、版権」ではなく、「これはこれ」としてどなたにでも金銭でなされたと思っています。③宮沢家では、本を出版する事とは自主出版でお金が入用とされていたので驚いたのであろうと云う事と思う。それから
藤原嘉籐治は著作権・版権を無断で自分勝手になされる様な人では決して無いと思います。(法的自覚者です)
宮澤賢治全集別巻 杉浦氏の発行日について (石川朗)
2018-08-16 09:48:40
ヤジュル様 先日『宮澤賢治全集別巻』の初版を購入【しました。上記の別巻の発行日の貴殿のご検討の中の『修羅はよみがえった』の杉浦氏の発行日についての「12月」についてですが、杉浦氏の文の中に3カ所十字屋版別巻の発行日が出てきます。p.58は昭和19年2月、p.157は昭和19年2月、p.178だけが昭和19年12月です。ご確認を頂けたら幸甚です。
 また私が所蔵しているもう一冊の校訂版(第二版)の別巻は
 昭和十九年二月二十八日 第一版発行
 昭和二十七年 七月三十日第二版発行     となっています。
十字屋書店版全集別巻について (ヤジュル)
2018-08-16 16:19:27
石川様
当ブログ(2010年03月27日「謎の十字屋書店版」)以外は小生には解りません。
杉浦さんの「一部訂正コメント」にありますが「なぜ戦時中とはいへ料亭{浜作}での最後の編集委員会までの期間が開きすぎたのかは不明」です。
宮澤賢治の友 「かとうじ物語」もご参照ください。

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