プロジェクト・マネジメントの要諦The Key to Project Management

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ゼロから新たに生みだす。既にあるものを作り替える。
楽しみながら考えていきましょう

プロジェクトのスコープを調整するのは当たり前

2019-09-26 | 考え方

伝統的なプロジェクト管理をしている人たちに、スコープで調整をかけるというと違和感を覚えるようだ。スコープは決まっている。何一つ欠けてはいけない、と言われる。

まず、つくるものが決まっているというのは非常に怪しい。どこの誰が絶対に必要といっているのか?全量揃わないと、誰が困るのか?

  • プロジェクトチーム内のビジネスアナリスト?
  • クライアント企業?
  • 契約?
  • 社長や担当役員?
彼らは、最終的な顧客ではない。だから、要求を100%の正確さで定義できない。だから、要求全量(スコープ)が固定というのはおかしな話しだ。勝手にそう思っているだけである。
 
プロジェクトマネジメントには「鉄の三角形」という話しがある。3角形の3角は「スコープ」、「時間」、「コスト」を意味している。「コスト」を「リソース」としているケースもある。
 
この3つの中で、時間もコストも有限だ。この2つの資源には限りがある。だから、スコープで調整するしかない。
 
特に時間は万人にとって平等だ。人生80年。もちろんあなたがそれだけ生きられる保証はないし、もしかしたらもっと長く生きられるかもしれない。いずれにせよ平均寿命は80才だから、これを踏まえて人生設計することになる。100歳の目標とか、200歳のお誕生日の計画を立てている幸せな人はいないだろう。
1年365日、1日24時間も皆同じである。今年は忙しいので13ヶ月で、今日は忙しいので40時間にします、という話しも聞いた事がない。どんなに忙しくても(どんなに暇でも)、あなたがこの惑星の一員なら1日24時間だ。
 
限られた時間と資源の中で、私たちはすることと活動量を最適化する。
だから、スコープで調整するのである。
 
長期のプロジェクトになった途端、スコープ調整に難を示すのは意味不明だ。
私たちには使える時間・資源・エネルギーに制約がある中で生きている。スコープで調整をかけることが、人間にとって最も自然なことなのである。

 



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