そして艦はゆく

現用艦中心内容

改良型第3世代ミサイル護衛艦

2015年03月29日 | 架空艦

【昭和60年度計画艦隊防空型護衛艦:60DDG】


【DDG-173 かつらぎ:JMSDF DDG-173 KATSURAGI】



かつらぎは第三世代の艦隊防空用護衛艦はたかぜ型の改良型として建造された。

当初の中期業務見積もりに於いて、はたかぜ型は4隻が建造される予定だったが本型の誘導方式では搭載するイルミネーターの数によって対処できる目標数が制限されてしまい、対処能力に限界があったため後続としてイージスシステムを導入した第四世代艦隊防空用護衛艦(63DDG)への移行が決定し2隻の建造に留まっていたが、1985年度予算に於いて本型の3番艦とあさぎり型2隻を要求した大蔵省査定の結果、これらの建造が認められた。


60DDGはイージスシステムの搭載には至らなかったものの、次期63DDGにて採用予定のVLSとフェーズドアレイ・レーダー等を組み込み次世代護衛艦へ教導的役割を果たす事を目的ともしていた。

1986年12月8日に石川島播磨重工東京第1工場にて起工した

1988年4月22日に進水し命名式を行う。

艦名については当初、はたかぜ型の3番艦と予定していたためいそかぜゆきかぜなどが候補に挙げられていた。

しかし、兵装と電装が大きく変更さていることから船体を同一とする準同型艦として扱う事になった事に加え、艦名命名基準が改定され、これまでDDHにのみ割り当てられていた山岳名がDDGに於いても使用が可能 となった。

これを受け進水式に於いて大和葛城山に由来するかつらぎとの命名が成された。


この名を継ぐ艦は帝国海軍時代のスループ艦、雲竜型空母の3番艦と続いており海上自衛隊艦艇としては初の命名と成った。

1989年12月19日に竣工し護衛艦隊に編入された。

   


前型との差異は兵装と電装に大きく見て取れる。
73式5インチ速射砲は従来どおり2基装備しているが、ヘリ発着の際に砲身との接触を避けるため砲塔を真横に旋回させる必要があった2番砲は、前部甲板の今までアスロック発射機が置かれていた場所に配置された。
代わってVLSが後部甲板に設置されミサイルの即応性向上と装弾数増加に加え柔軟で安定したヘリコプターの運用が可能になった。

   
VLS はMk-41となっており、当初はスタンダード艦対空ミサイルとアスロック対潜ロケットを運用していたが、イージスシステムに依らないスタンダードの同時多目標対処には制限が有ったため、後に第3世代汎用護衛艦で採用予定の発展型シースパローが装填されスタンダードの運用は、はたかぜ型と同様に艦首のMk-13発射機にて行われている。
電装の主な改修点としては艦橋上部のECM及びOPS-24アクティブ・フェーズドアレイ・レーダー、艦体後部に設けた誘導用イルミネーターSPG-62を備える構造物などが挙げられる。

かつらぎの竣工後はイージス・システム搭載の次期護衛艦が採用されているため同型艦は無い。