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「肥満」を防ぐ食生活が心臓を守り健康寿命を延ばす理由

2021-12-03 08:30:00 | 日記

下記の記事を日刊ゲンダイヘルスケアデジタル様のホームページからお借りして紹介します。(コピー)です。

肥満」を防ぐ食生活が心臓を守り健康寿命を延ばす理由

 前回、われわれが普段から摂取している「脂質=油」が心臓に問題を引き起こす大きな要因になっていることについてお話ししました。心臓疾患の予防も含めた健康維持のためには、肉や乳製品に偏った食事を魚や野菜類に置き換えたり、サラダ用のオイルには植物油を使うように心がけ、コレステロールを管理することが第一歩になるのです。

 また、高血圧や糖尿病を予防することも、心臓を守り、健康寿命を延ばすためには重要になります。これらの生活習慣病のすべてに大きく関わっているのが「肥満」です。

 肥満の人は過食であることが多く、普段から中性脂肪やコレステロール、塩分、糖質を多く含む食品を過剰に摂取しているといえます。そうしたベースに加え、肥満になると血糖値を下げるインスリンの効きが悪くなって抵抗性を示します。すると、筋肉や脂肪細胞でブドウ糖が吸収されにくくなり、血糖値が上がりやすくなるのです。

また、インスリン抵抗性があるとインスリンが過剰に分泌されるようになります。そうなった場合、肝臓が中性脂肪の合成を促進し、中性脂肪を多く含んだVLDL(超低比重リポタンパク質)が血中に過剰に放出されて高脂血症=脂質異常症を招きます。

 インスリンの過剰分泌は、高血圧にもつながることがわかってきました。インスリンは腎臓でのナトリウムの再吸収を高進して血液中のナトリウム濃度を高めるので、それを薄めるために水分が血管に流れ込みます。その結果、血液量が増加することになり血圧が上昇するのです。インスリンの過剰分泌は交感神経系も刺激し、末梢血管を収縮させる働きがあるホルモンが放出されます。これも血圧を上げる要因になります。

 さらに、肥大した脂肪細胞からはアンギオテンシノーゲンという生理活性物質が分泌されます。この物質には血管を収縮する働きがあるため、これも血圧を上昇させます。

つまり肥満は、脂質異常症、高血圧、糖尿病のリスクを高めます。これらは重なれば重なるほど動脈硬化が進行し、心臓疾患が発症しやすくなってしまうのです。

 肥満を予防するためにもっとも注意すべきなのが食生活です。冒頭でも触れましたが、偏った食事を改めて、ゴハンなどの主食を食べ過ぎないようにしつつ、肉、魚、大豆製品、野菜、キノコ類といったおかずをバランスよく摂取するように心がける。脂肪分が多い油物や塩分の多い食事を控えるなど、日頃から気を付けることが大切です。

■犬の寿命も食と関係

 ただ、それはわかっていてもなかなか実践できない人がほとんどでしょう。「好きなものを食べる」という欲求はそれくらい大きいものなので、まずは、「食生活の改善が肥満を予防して健康寿命を延ばす」と強く意識することを心がけてみてください。もちろん、摂取したカロリーを適正に消費する運動が重要なのは言うまでもありません。

近年、ペットとして飼われている犬の寿命が大幅に延びています。かつては10年前後でしたが、2012年から2020年の8年間で5年ほど長くなりました。これは、効果的な薬を使った感染症対策、獣医療の進歩、飼い主との適切なコミュニケーション、適度な運動の増加など、いくつか要因がありますが、中でも「食事の管理」が大きいと考えられます。

 最近は、毎日与えるドッグフードの質が大きく改善されていて、年齢や全身状態に応じてビタミンなどのさまざまな栄養素が配合されています。犬の生活習慣病を予防するための食事管理が進み、寿命が延びたのです。われわれ人間も同じです。日々の食事によって栄養状態が改善し、医療が大きく進歩し、生活習慣病をコントロールするために効果的な薬がたくさん開発されました。日本では、保険制度によって誰でも手厚く高水準の医療が受けられます。

日本人の平均寿命が、男性81.4歳、女性87.4歳まで延びたのも、そうした環境が整ってきたおかげといえます。ただし、それらの平均寿命と、寝たきりや要介護状態ではない健康寿命には大きな差があります。健康寿命は男性72.7歳、女性75.4歳ですから、健康上の問題で日常生活に制限のある期間が9~12年もあるのです。

 その差に大きく関わっている一因が食事だと考えられます。体に良いものをバランスよく食べる、逆に健康に悪い油や塩分を控えるといった日々の心がけが、高齢になったときに差になって表れるのです。

 高齢になっても生活の質を高く維持するために、今から改めて食生活を見直すことをおすすめします。

天野篤
順天堂大学医学部心臓血管外科教授
1955年、埼玉県蓮田市生まれ。日本大学医学部卒業後、亀田総合病院(千葉県鴨川市)や新東京病院(千葉県松戸市)などで数多くの手術症例を重ね、02年に現職に就任。これまでに執刀した手術は6500例を超え、98%以上の成功率を収めている。



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