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がんや認知症などの発症リスクを高める「糖尿病」。予防するには運動、ゆっくり食べる食事法が効果的

2021-12-21 15:30:00 | 日記

下記の記事は婦人公論.jp様のホームページからお借りして紹介します。(コピー)です。

 

ステイホームによる運動不足や食生活の乱れで、血糖値が高めの人が増えているといいます。一時的であれば大きな問題はありませんが、慢性化すると糖尿病のリスクを高めることに。日常生活で気をつけるポイントをご紹介します(イラスト/小林マキ 取材・文・構成/葛西由恵《インパクト》)

血液中に増えた糖が動脈硬化の原因に

血糖値とは、血液中に含まれるブドウ糖の濃度を示す値で、食事をすると誰でも上昇するものです。

「食後に上昇した血糖値を安定させるために働くのが、膵臓から分泌されるインスリンというホルモンですが、糖の摂取が多い生活を続けていると、やがては膵臓が疲弊してしまい、インスリンが分泌されなくなってしまいます」と説明するのは、玉谷クリニック院長の玉谷実智夫先生。

インスリンの分泌機能が低下し、血液中に慢性的にブドウ糖が増えてしまうのが、いわゆる糖尿病です。

 

「血液中のブドウ糖が過剰な状態が続くと、血管が硬くもろくなって動脈硬化が進みます。そうなると、毛細血管が詰まり必要な栄養素が全身に供給されづらくなるため、手足のしびれや筋萎縮などの神経障害が表れるのです。加えて、網膜にも栄養が行きわたらなくなった結果、目が見えにくくなることもあります」(玉谷先生。以下同)

こうした症状が出るまでに10~20年ほどかかりますが、糖尿病の怖いところは、症状が悪化するまでほとんど自覚症状がないこと。

「年に一度は必ず健康診断を受けて、自分の血糖値を把握しておきましょう。健康診断の結果を見るときには、『空腹時血糖値』ではなく、『HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)』の数値に着目すること。これは、過去1~2ヵ月間の平均的な血糖値を表しており、正常な数値は4.6~6.0の範囲内です。6.0以上になると糖尿病予備軍、6.5以上は糖尿病の可能性があります。あくまでも目安ですから、確実な診断には病院での血液検査が必要です」

なかには、HbA1cは正常なのに、食後に血糖値が異常に上がるという人もいるそう。発見しづらいことから「かくれ糖尿病」といわれています。

「体質的にインスリンの分泌量が少ない可能性が考えられます。家系的に糖尿病が多いという人は、病院で食後血糖値を調べておきましょう」

予防として、血糖値を急激に上げない生活を心がけることが大切です。

「まずは食生活の見直しが大事。血糖値を上げるのは、主に炭水化物に含まれる糖質ですから、今まで3食毎回ごはんを食べていた人は、1食分を抜くなど、無理のない範囲で糖質を減らすこと。運動も有効ですから、ぜひ習慣にしてください」

がんや認知症も進行させる

重症化すると全身の血管に障害をもたらす糖尿病ですが、がんや認知症などの発症リスクも高めるそう。

「過剰なインスリン分泌はがん細胞の増殖を促し、がんの発症率を高めることがわかっています。また、インスリンは役割を果たした後にインスリン分解酵素によって分解されるのですが、この分解酵素はアルツハイマー型認知症の原因となるアミロイドβを分解する役割も果たしているため、インスリンの分解に使われてしまうとアミロイドβが溜まりやすくなり、認知症が進行しやすくなります」

また、歯周病があると糖尿病が悪化しやすいという報告もあるため、口腔ケアにも気をつけたいところ。

 

以降、糖尿病にまつわるQ&Aを紹介します。

HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)とは?

ヘモグロビンは、血液中のブドウ糖と結合すると、グリコヘモグロビンという物質に変化します。一度ブドウ糖と結合すると、元にはもどりません。この性質を利用して、グリコヘモグロビンが血液中にどのくらいの割合で存在しているかを調べることで、検査前1~2ヵ月間の平均的な血糖値の状態を知ることができます。

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Q1)炭水化物を減らした分、何を食べるのがいい?

A1) 野菜やたんぱく質を摂りましょう

「食物繊維が豊富に含まれる炭水化物を減らすと、便秘気味になることも。食物繊維を摂るためにも、野菜を多く摂取しましょう。野菜に含まれるビタミンやミネラルは、糖を効率よくエネルギーに変換するのに役立ち、血流を改善する効果もあります。

加えて、肉や魚、卵などのたんぱく質は、臓器や骨、筋肉の材料になる重要な栄養素ですから、多めに摂ってもOKです。ただし、肉の脂身やバターなどの動物性脂肪は、コレステロールや中性脂肪を増やすので控えめに。

 

同じ脂質でも、魚介類やアマニ油、エゴマ油などの植物由来の油に含まれるオメガ3系と呼ばれるα-リノレン酸は、免疫機能を改善する作用がありますから、意識して摂るとよいでしょう」(玉谷先生。以下同)

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Q2)血糖値が上がりにくくなる食事法はありますか?

A2) おかずから先に、ゆっくり、よく噛んで食べて

「炭水化物の摂取量が多い人、大食い・早食いの人は食後血糖値が急上昇しやすい傾向があります。

朝はパンだけ、昼は素うどんだけなど、炭水化物のみの食事はもっとも悪い例。食後血糖値の上昇に気づかず、同じような食習慣を続けていると、徐々に膵臓の働きが低下するおそれがあります。

 

『ゆっくり、よく噛んで食べる』『炭水化物のみは避け、なるべく品数の多いメニューを選ぶ』『野菜や肉、魚などのおかずから先に食べる』のが、食後血糖値をゆるやかにするコツ。さらに、食事の30分後に運動するとより効果的です」

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Q3)血糖値を下げるには、どんな運動が有効?

A3) 有酸素運動+筋トレが効果的

「血液中の余分な糖を効率よく消費するには、ウォーキングや自転車、スイミングといった有酸素運動がおすすめ。週に3日以上、30分~1時間程度の運動を習慣にしましょう。

加えて、筋トレをして筋肉量を増やすことも大切です。筋肉が増えると糖が消費されやすくなり、血糖値も上がりづらくなります。

 

ウォーキングを少しスピードアップして行うことで、筋トレ効果も期待できる運動になります。道具も不要でどこでも気軽にできるので、実践してみてください」

Q4)歯周病の人は糖尿病が悪化するのは、なぜ?

A4) 歯周病菌が インスリンの働きを妨げる

「歯周病菌に含まれる毒素が歯肉から血管内に入り込み、血液中のインスリンの働きを妨げるため、糖尿病が進行しやすくなると考えられています。一方、糖尿病の人は、殺菌作用がある白血球の働きが悪くなるため、歯周病が進行しやすいのです。

歯周病が進行して歯を失ってしまうと、食べ物をしっかり噛めなくなって消化・吸収が悪くなり、血糖値がさらに上がりやすくなるという悪循環に陥るおそれが。

 

糖尿病を悪化させないためには、口腔ケアをしっかりしておきたいところです」

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Q5)糖尿病の人が新型コロナウイルス感染症にかかると重症化しやすいのは、どうして?

A5)血液の流れが滞り、白血球の働きが鈍くなるから

「糖尿病になると、血流が滞り、血液が末端の組織まで十分に到達しにくくなります。そのため、白血球の働きが弱まり、免疫力が低下して感染症にかかりやすくなるのです。血流が悪化すると、感染症の治療薬である抗生物質も行きわたりにくく、治療にも時間を要するため、その間に重症化してしまうケースがあります。新型コロナウイルスに限らず、インフルエンザや肺炎などの感染症にも十分注意しましょう」

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イラスト: 小林マキ

取材・文・構成:岩田正恵(インパクト)

 

出典=『婦人公論』2021年11月24日号

玉谷実智夫

玉谷クリニック院長

大阪大学医学部卒業。米国国立衛生研究所(NIH)に留学後、大阪大学医学部で循環器・糖尿病・脳梗塞の研究・臨床に従事。2008年、玉谷クリニックを開院。



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