『かんけり』 アリス館 1500円+税
月刊絵本『きのこのばけもの』 唯野元弘・文 鈴木出版
「かんけり」の時代背景は昭和中期でしょうか。場所は筑豊炭田があった地方のようです。画家石川えりこさんが子ども時代を過ごされたところです。だからといって自伝的絵本といってはいけないのでしょう。
わたし(ちえちゃん)はクラスでも手を上げられない子どもです。いつも授業中はうつむいています。そんなわたしを隣の席のりえちゃんは助けてくれます。下校しても遊びに誘ってくれます。そんなりえちゃんが、缶蹴りで鬼に捕まりました。他の男の子も捕まっています。ふたりで隠れていた場所から飛び出していったとき、りえちゃんはこういいました。「私がつかまったら、ちえちゃん たすけてね」……。
石川さんは子どもの心理を書かせたら、とてもうまいひとです。この作品もまた。子どもたちが遊ぶ小さな神社の、その周りの家々は私にも記憶のある懐かしい風景でした。この風景の描写をもっと見たかったといったら、よくばりでしょうか。
「きのこのばけもの」の後書きで、作家が絵について一言も触れていないことに、旧世代の絵本観を感じました。
絵本の仕事に一区切りついたので、詩誌『0』の作品を推敲したあと、少年詩を書いていました。
なんども
だから
少年は雲に乗ったのだろう
谷底に倒れていた少年を
ひとは身を投げたといったが
それを見ていたのは子猿だけだった
つぎの日
子猿は虹の橋を渡り少年に会った
そして友達になっていると
風がおしえてくれた
小猿もまたひとりぼっちだったのだろう
風は渡り鳥になりながらぼくにさけんだ
──生きてろよー。
──生きてろよー。
風はなんどもぼくをふり返ってくれた
今日の確言 薩摩芋と唐芋はどこか似ている。
本日、施設にいる母が、お昼寝の時間でした。「一緒に寝ろ、横に来んの?」と言います。母を思い、又、泣きそうになりました。
「横に来んの?」。いいですね。そして切ないですね。
でも、少年は風に出会ってうれしかったことでしょう。生きていく元気をもらったことでしょう。
三菱電機のUくんちは社宅でも凄いんです!テッコンキンクリート?の3階建てのアパートでした。やっぱり、ミツビシですね。Uくんちに遊びに行ったときに、ココアなる高級なあったかい飲み物をご馳走になり、世の中にこんな美味しいものがあるんだって、びっくりしたことを、今でも覚えています。お母さんも、とても美しい方でした。
風に乗って、Uくんに会いたいなあ!!生きていればいいけど???
風の中に潜んだ「生きてろよー」の声、どんな状況の中でも聞こえてきそうです。点滴の中にもあるといいですね。
わたしも金持ちの親戚の家で、紅茶とカステラが出たときに。今では紅茶なんかどこでも出ますけどね。
わたしには、亡くなった少年がいます。知っている男の子でした。お母さんがどんなに悲しまれているか。生きててほしかったです。
ひでちゃんさま
ほんとだよね。その風の声を、風の心を、聴いてほしいよね。