さんぜ通信

合掌の郷・倫勝寺のブログです。行事の案内やお寺の折々の風光をつづっていきます。 

京洛の祖蹟巡拝の旅(中篇)

2010-11-25 17:22:03 | 倫勝寺の日々

 

光悦での昼食を終えて、2日目の午後は今回の旅の大きな目的のひとつである、道元禅師得度旧跡を訪ねました。
奥比叡は横川の般若谷、千光房跡と呼ばれる場所です。

京都市内から高速を使って雄琴まで行き、そこから比叡山に登っていくルートを採りました。

車中から眺めた琵琶湖や、途中の紅葉のトンネルの美しかったこと!
写真がないのが残念ですが、今回は本当に良い
時期にお参りさせていただきました。

さて、得度の旧跡には、横川の中堂を抜けて元三大師堂への道のりを進んでいきます。下は元三大師堂の黄葉。 

横川中堂の紅葉も溢れんばかりの秋色の盛りで、バスを降りてからも結構な道のりでしたが、
その長さを忘れさせてくれるほどの美しさでした。

下の写真は横川中堂付近の様子。9月のときはまだ青葉だったのですが、ほんとうにきれいに紅くなってます。

元三大師堂山門から見て左手の所に得度旧跡の案内表示があり、そこから谷底へとコンクリートの階段が続いています。
脚の具合が悪い人は大師堂の見学にまわり、残りの方々で得度旧跡に向かいました。

鬱蒼と茂った木々。薄暗い階段を足元に気をつけながらゆっくり降りていくと、下のほうに得度旧跡が見えてきます。

9月の下見のときには大雨に降られて難儀した場所でしたが、今回は降られることもなくほっと一安心です。
降られたら階段が川になって、もうお参りどころではない状況になりますので。

周囲は何もありません、黄落の音がかすかにするだけです。しかし、清々として力強さを感じる場所でもあります。

出家の志を固め、夜中にここまで走ってきた文殊丸(道元禅師の幼名)さまのことを思うと、よくぞここまで、と思わずにはいられません。

比叡山でもとくに奥深いこの場所まで、真っ暗な中を懸命に駆けてきたのでしょう・・・。
道元禅師のこの行動がなければ曹洞宗も僧侶をしている私も何もなかったのだと思うと、本当にありがたいことですね。

塔婆を供養させていただき、皆で般若心経を誦して道元禅師さまに報恩感謝の誠を捧げてきました。

バスに戻って、こんどは比叡山延暦寺の根本中堂をめざします。
日本仏教の総本山、大学ともいえる場所でしょう。各宗派の祖師方は、ほとんどの方が延暦寺で修行をされ、その後それぞれの道を歩んでいます。

下は鐘楼堂。

撮影禁止でしたので根本中堂の中は写せませんでしたが、回廊から眺める中庭の紅葉が、圧倒的な存在感を持って迫ってくるようでした。

午後遅い時間になっていましたので特にそう感じたのかもしれませんが、比叡の山全体が大きな生き物のような、そんな息づかいを感じました。

夜の山に入ると、その濃密な闇に押しつぶされそうになる感じがする時がありますが、それと似たような感じ・・・
比叡山では、降る紅葉のその一枚一枚が、命の重さを持って語りかけてくるようでした。

夕暮れ時になってようやく京都市内に帰りつき、希望者だけを募って道元禅師荼毘塔へお参りにいきました。
前篇に掲載した朝の雰囲気とは違った趣です。こちらでも般若心経をお唱えし、御供養させていただきました。

宿に着いたときはもう真っ暗。

で、夜は今回の旅の目玉のひとつ。祇園のお茶屋さんで京料理をいただきながら舞妓さんの踊りを見学。なんと豪華な・・・・。
歩き疲れも、吹っ飛びます。

ここは写真だけということで・・・・あまり触れないようにしましょう。

ただ、男性よりも女性の方々のほうが喜んでました。
こんなに近くで「本物」の舞妓さんや芸子さんに会えて話ができるなんて、と。
舞子さんを志した理由や、その修行の厳しさにみんな驚いたり感心したり、うなずくことしきりでありました。

祇園の楽しい夜は、果てしなく続いていく・・・・・・・・・のだったらまた一興なのですが、今回はみんなおとなしく宿に帰りました。

今日はここまで。

 



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