↑「天は我々を見放したか・・・」
という言葉を吐いた後の神田大尉(北大路欣也さん)。
この言葉のせいで、兵士何人もが生きる気力を失い、倒れてしまう。。。
この事件はあまりにも有名ですし、映画に関しても素晴らしい!考察サイトさんがたくさんありますので、わたしなどがあらためてしゃべるまでもないんですが、感動したので、ちょこっとだけ失礼します。
☆事件を詳しくお知りになりたい方はどうぞ。
雪中行軍遭難事件
資料館
↓ネタばれありです。
これだけの大物俳優が集まった邦画って本当に他にあまりないような気がします。
それに、これもこの映画のすごいところですが、現在では当たり前である「CGで海や吹雪を作る」ということをしていないんですよね~。
CG映画にはもうヘキエキしているわたしにはそれだけでもまず感動もの。。。
撮影は完全ロケで あまりの寒さに棄権した 役者さんも何人かいたそうです。
でも最後の帰還シーンだけはスタジオなのかしら?(吐いた息が白くなかったので。)
以下、私のツボを↓
・森谷監督の師匠である黒澤監督が撮影前に、「こんな映画は白ばかりで絵にならん」と弟子に苦言を呈したとか・・・。真偽のほどは不明ですが。
(絵になるならないは海や砂漠の映画なんぞも同じかと思いますが、この映画はずっと雪だし、皆さんが同じ服なので、名前を呼んでくれないことには誰だか判りにくいという難点はあると思います。
・大雪崩はなんと人為的に(ダイナマイトで?)起こしたらしいです。
・徳島大尉(高倉健)が生還者に言った、
「八甲田で見た事(青森5連隊の遭難事件)は他言するな」
という忠告は昔の公開ではカットされていた らしいです。(なんででしょ?)
・道案内人として登場する、少女の頃の秋吉久美子さんが光っています!
戦争映画やこの手の深刻な映画は、わずかなカットしか出ない女優さんが重要な花になるのだと思いますが、この映画の和みは久美子さんですわ~。可憐で、ひとり表情が明るくて、
雪の妖精 といっても言いすぎではないような。。。
いえ、神田大尉の妻役の栗原さんもいいんですけどね。。。
・極寒の地では自分の汗や尿のせいでも凍死するの?と驚きました。かなり怖いです。
・健さんは俳優の中で、一番カツゼツが悪いのですが(失礼・・・)
素朴なぬくもりを感じさせる存在感はやはりすごいです。健さんはどんな役をしていても、健さんな気がします。不思議ですわ。
・徳島大尉が「もし我が隊が、○○で困難な状況に陥っていたら、武士の情けで、助けていただきたい」
というような手紙を神田大尉に送るのがいい。あえて「あんた、雪の怖さを知らないんだから気をつけろ」と、いわないところがステキ。
・「妄想など見ずしっかりしろ」と部下に叱咤しつつ、徳島大尉もまた雪の中で友の幻と語りあってしまうところが泣けます。
神田大尉もまた、約束どおりに徳島大尉と八甲田ですれ違うことを幻で何度も見ていました。
奥さんのことは思いだしすらしないのに 軍人同士の絆ってすごいのですね。。。
・案内人と別れる際、軍に、
小娘に対して敬礼をさせる というのもよかったです!役者が健さんだから、ありえることのように思えるんでしょうか。
見てみようかな~と、興味をもたれた方へ
徳島、神田大尉が映画の初めのほうで、行路を説明する場面があるので、地名を紙に書いておくことをお勧めします。。。こんな小さなエリアであれだけ苦労をしたのか、と、うなること請け合いです。
(関係ないですが、わたしは人がたくさん出る推理物映画や戦争映画は、登場人物の名前とか関係も書きながら見るんです。そうしないと、だんだんお話がわからなくなるんですよ~。おバカ。。)
今の時期に見ると、また格別に感動できると思いますので、よろしければDVDでどうぞ。
わたしはすごく青森に行きたくなったのです。なので、
いずれ必ず八甲田連峰へゆきます!登ります!
(もちろん、冬は避けますよ)
最後に本当の余談ですが。
ソフトバンクCMの「犬のお父さん」の声は、北大路欣也さんなんだそうですよ
それだけでもびっくりなのに、ギャラ3000万円と聞いて、またまたびっくりしました。。。
神田大尉(欣也さん)。。。。ぬくぬくじゃあないですか。。。。。。。。。。。。。