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好きなこといろいろ

忘却のクレイドル 第1巻 第2巻

2010年02月17日 | マンガ

本土から隔離された揺篭島にある施設で15歳以上に半年間の義務教育として課せられた訓練。
他国からは徴兵制の復活であると非難されるが、本人達にとっては戦争なんて遠い世界での話だった。
ぬるい訓練内容と毎日の健康診断、本土の物はお守りであろうと持ち込み禁止。
疑問に思う者もいるが主人公であるカヅキにはやはり現実感に乏しくて…。
しかし、ある朝目覚めると施設は一変していた。


1、2巻同時発売なので序盤の緩やかな展開にヤキモキすることなく読めます。
ただし2巻でも謎は謎のままなのですが。
藤野もやむさんのコミックスを読んだ事のある方なら分かっていただけると思うが、可愛らしい絵柄にも関わらず人間の暗い部分や常識を問うような話となっている。
「賢者の長き不在」「ナイトメア☆チルドレン」「はこぶね白書」のように必ずしもハッピーエンドではなく、どこか物悲しい終わり方をしている作風であるといえば少し想像出来るでしょうか。
今回の「忘却のクレイドル」も以下続巻となっているが、2巻からすでに悲しい展開となっていきます。
それでも読み続けるのは、どこか物悲しい終わり方をしている中にもほんの少し救いがあるからなのかもしれません。
何故みんなが幸せじゃないんだよ!?と言いたい時もあるのですが、現実はそんなに甘いものじゃないと作者が思っているからじゃないかなと勝手に思っています。
例えば恋愛物なら誰かが成就すれば誰かは失恋しているものだったり、ね。


さて今回は恋愛物ではないのですが、コミックスの帯を見るとこのように書かれています。

―凶暴な青春群像抒情詩

第1巻「最後の戦争は、その島で始まる。」
第2巻「その命…誰のもの?」


青春群像とある通り登場人物は15歳の少年少女。
応用力や判断力はないが記憶力は良いカヅキ。
何でもそつなくこなすも、どこか危ういサイ。
真面目で成績優秀、リーダー格のトウジ。
コンピューター関係が得意でサイに依存しているユウ。
気に入らない者には突っかかるマユム。
島にいるはずのない15歳に満たない少女ヒカリ。

物語の鍵はヒカリが握っているようだが、彼女は何も知らない。
何も分からない状況なのに降りかかる脅威。
トウジを狙い襲うキョーヤ。
彼も同じ訓練生のはずだが目的が分からない。
さらに島で起こっている事態を知っているようなエイトという存在。
恐らく全てを語れるのはこのエイトやサン、ツーと数字で呼ばれる彼等だと思うが、エイトは生存者の中に島のシステムに介入した犯人がいると言うも、未だにカヅキ達との接触はない。
状況を打破しようと島からの脱出を提案するトウジが見かけたサンは彼そっくりだったが…?


島で何が起こっているのか、ヒカリの戦争に負けたという言葉やカヅキ達の身体は傷付いてもすぐに治るという変化があり人体実験や30年の時が経っている可能性も示唆されている。
疑問が少しずつ提示されるが何一つ解決されないもどかしさはあるが、それらが一気に解決された時に残るものが何なのかが見所だと思う。

「自分で自分を守る力を持つことを、どうして躊躇わなきゃならないんだろう」
「無防備に他人の良心だけをただ信じるなんてバカだ」

サイの言葉にこの物語の行く末が見え隠れしているように思えてならない。
そしてこの物悲しい中の少しの救いがカヅキの「こういう時ほど普通の感覚忘れちゃダメだろ」という言葉から生まれるんじゃないかな。
カヅキは普通の感性の持ち主だけど、皆は大切な者が死んだから泣くのであって泣くのは辛い。
辛いのは嫌だから大切なものを作るのは怖い。
そういう理論の持ち主でもあるようで、大切なものは作らないと言っているようにも見えます。
そんな彼がこの島での生き残りを懸けた戦いの中で何を見出すのか。
それが少しの救いに繋がるのだと思います。


凄く謎だらけで真面目に語っちゃいましたけど、何一つ魅力が語れなかったと反省しています。
ネタバレになっちゃうし…と妙に気を使ってしまって感想にはならなかったな。
これだけでは何なんで、最後に私のお気に入りキャラでも語ろうかな。

一番好きなのはトウジ。
優等生だけど嫌味な所がなく自然と皆をまとめあげ頼りになります。
時折見せる優し気な目も良いよね。
真っ直ぐで人を認められる良い子です。
キョーヤに狙われてる所もポイントが高いというのは秘密。
ツリ目とツンツン頭が好き。


次に好きなのはサイ。
こちらも何でもそつなくこなす優等生。
だけど制裁を当たり前のように考えていたり(これはトウジに言わせると自分がされて嫌なことは他人にするなということらしい…)、迷いなく人を撃ったり、自分を守るための力を持つことに躊躇いがなかったり、何かを悟ったような目をしていたりと、どこか危険な匂い(笑)のする子であります。
トウジより語ってるな…。
少しのたれ目と癖っ毛が好き。


次はマユム。
最初はいじめっ子で嫌な子と思ってたのに、目覚めてからのトウジへの懐きようが可愛く見えてくる不思議。
助けてくれたからというだけじゃなく危機的状況でリーダーを嗅ぎ分けた結果なのかもしれない。
トウジ、リスペクトが可愛い子。
あと眉毛。


いやぁ本当に脇役スキーですね。
主人公がベスト3に入ってません。



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