博士とそこに家政婦としてやってきた杏子はお互いを慈しみ会える・・・まさに、神のはからいによって友愛数を持つもの同士だった。 原作 は、「 博士の愛した数式 」 小川 洋子箸 新潮社文庫 芥川賞作家・小川洋子のベストセラー小説で、本屋が選ぶ第1回本屋大賞、第55回読売文学賞を受賞した作品です。
そして、苦手だった人も数学というものに少なからず興味が芽生えてきそうな・・・ 人間の生き方というものは時間の長さではなく、今現在を受け入れて自分らしく生きる事なのだと教えてくれる・・・そんな映画かもしれません。 小泉 堯史監督と寺尾聰は、あの黒澤明脚本の「 雨あがる 」でもおなじみのコンビですね。 生まれながらして障害を持っていたり、不幸な事故などによって障害が残ってしまい記憶障害になってしまう・・・そんな映画は2005年にも随分と世に発表されてきましたから、お正月早々、もうおせちには飽きた?ような心境ではいたのですが、この映画は今までのそういう映画とはちょっと異質な今まで創られなかった、どこにもない静かな感動と温もりを与えてくれました。 寺尾さんは育ちの良さがにじみ出ている、いつも穏やかな余裕のあるナチュラルな演技が大変良かったです。
*以下は 多少ネタばれになるかもしれませんので、ネタバレがお好みでない方は、映画をご覧になってから確認する意味で読んでみ観てくださいね。 冒頭から、博士から数学や数字の美しさや楽しさについての話を聞かされ続け、いつの間にか博士と一緒の夢を追い続けるようになった吉岡秀隆が演じる ルート先生 の初授業の中で語られる博士(寺尾聰)とルート先生の母杏子(深津絵里)の出会う事になったエピソードを追いながら、数学の楽しさを生徒に語るシーンで綴られている映画です。 原作では、母杏子の目線と言葉でエピソードから綴られています。ほとんど原作には忠実ですが、博士がカルチャーショックで熱を出してしまう過程等はルートの草野球チームとプロ野球の観戦というような多少の設定が変えられている部分はありましたが、大筋の原作の根底に流れるテーマはきちんと伝えられているように思いました。 数学が得意な方には常識なのでしょうか、私は初めて知ったのですが、「220と284などの友愛数」や「6などの完全数」というような専門用語がいくつか出てきます。それについては劇中で博士が詳しく解説してくれますので、例え私のように知らなかった人でも楽しく観ることが出来ます。 お正月早々5日の試写会で観た映画でしたが、毎日のように結構忙しくてなかなかレビューが書けませんでした。この映画は私にとって結構お気に入りの域ですので、なるべく大事に書きたいと思って、時間が取れるときにゆっくり書こうと、慌てて書かないで取って置いたのです。 博士が話して聞かせてくれる数字の話は、私も童心に帰って小学校の新しい分野を初めて習うときのようにわくわくドキドキみたいな新鮮な気持ちを味あわせてくれました。間違いなくこんな授業を受けていたら、私も凝り性なので博士のように数学の道を歩んでいただろうなと思います。いや歩んだだろうと言うよりは、目指した・・のほうが適当でしょうか。 杏子が博士の家の家政婦を首になったのに息子ルートが博士に会いに行ってしまい、呼び出されて雇い主の兄嫁から責められているときに、博士が兄嫁に対してメモに書いて見せた数式 「 eiπ + 1 = 0 」 「 π 」は円周率、 「 i 」 は-1の平方根で虚数、「 e 」はe ≒ 2.71828 18284 59045 23536 02874 71352…と循環する無理数でネイピア数と呼ばれていす。πとi を掛け合わせた数でeを累乗し、1を足すと0になる。これは普遍の真実なのです。 きっと博士が一番美しいと感じ特別な意味を持つ数式だったのですね。無関係なものが結びついて予想外の調和と連関で0に抱き留められる・・・・ まさに博士が愛した・・・美しい数式。それは兄嫁にとっても同じ意味を持つ・・・のですね。 そして、家政婦の杏子と息子ルートにとっても・・・・ HPランキングに参加しています ロ_ρ゛(・・ ) プチンッしてくださると大変喜びまっす☆ そしてblogランキングにも参加しちゃいました。ロ_ρ゛(・・ ) プチンッしてくださいね☆ |
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