退院して1年半、2~3ヶ月に一度通院をして時により違いますが採血・レントゲン・CT・内視鏡検査をしております。
院内にはさまざまなパンフレットが置かれています。待ち時間に目を通すこともあります。
通院前から検査、診察が終わるまでは大丈夫か?何か言われたらどうしよう?
気が気でありません。
病院の待合室では、「再発したんだって」と家族に連絡をしてる姿をみかけたことがあります。ここにいる人はみんな他人事ではありません。
緩和ケア病棟にお世話になるんだろうなと車椅子に乗って家族といる人もいますし、若い夫婦が小さな子供を連れて診察室に入り嫌がって声を出してるのが聞こえてくると心がしめつけられます。
この病院に来てる人は家族で病とたたかっています。いつまでたたかうのかは誰もわかりません。
夫が重い病気になる度、幾度となくくじけそうになりました。
「どうして私ばかり苦しまなきゃいけないの?」
私だけではなく夫も同じく感じてるんだと思いますが・・・・
その様なときは、私は松下幸之助さんの『道』を読みました。
何度も何度も読んで自分に言い聞かせ少しずつ気持ちを落ち着かせました。
自分には自分に与えられた道がある
天与の尊い道がある
どんな道かは知らないが
他の人には歩めない
自分だけしか歩めない
二度と歩めぬかけがえのないこの道
広いときもある
狭いときもある
のぼりもあれば、くだりもある
坦々としたときもあれば
かきわけかきわけ汗するときもある
この道が果たしてよいのか悪いのか
思案にあまるときもあろう
なぐさめを求めたくなるときもあろう
しかし、所詮はこの道しかないのでは
ないか
あきらめろと言うのではない
いま立っているこの道
いま歩んでいるこの道
とにかくこの道を休まず歩むことである
自分だけしか歩めない大事な道ではないか
自分だけに与えられている
かけがえのないこの道ではないか
他人の道に心を奪われ
思案にくれて立ちすくんでいても
道は少しもひらけない
道をひらくためには
まず歩まねばならぬ
心を定め、懸命に歩まねばならぬ
それがたとえ遠い道のように思えても
休まず歩む姿からは必ず
新たな道がひらけてくる
深い喜びも生まれてくる