エロゲはやっぱり中古が一番

開けてビックリ! ユキイロサイン感想

ユキイロサイン、良かった。

アオナツラインの冬バージョンという感想が多かったんですが、シナリオライターも原画も同じですからね。違いといえばライターの冬野どんぷくさんがアオナツではサブでしたが、今回はすべて一人で、という位なもの。
原画のU35さんはアオナツですっかりファンになってしまいましたし、企画・シナリオのどんぷくさんだってそう。もともと空のつくりかた雲上のフェアリーテイルがとても面白くて、今回この作品が発表されたときに新作で買うかどうかを真剣に悩んだくらいです。ちなみにこの二作、以前はともかく今ではすっかり安くなっているので未プレイならおすすめの一品です。会話はもちろんのこと、キャラは多彩で魅力にあふれ、メリハリのある展開はスピーディーでボリュームもタップリ、気の利いたオチまでちゃんと用意されています。特に雲上の方は空のスピンオフですが、とある有名なエロゲと同じテーマを扱いながら、最後は思わずニッコリ、爽快な気分でエンディングを迎えられるかもしれません。
それにもかかわらず直ぐに買わなかったのは、もちろんフトコロ具合もあるんですが、なによりも今回のメーカーがWonder Foolというところが一番の理由でした。別にこのメーカーが嫌いというのではありません。むしろ好きです。
嫌味のない非日常の世界感と心がポカポカしてくるようなシナリオは大好物なんですが、如何せん尺が短い。フリークスにしろまおかつにしろ内容はもちろんビジュアルはサイコーなんですが、ボリュームだけはロープライス並。これではさすがに二の足を踏んでしまいます。お陰でブラックフライデーも加わり超特価で買えたのはラッキーでしたけどね(笑)。
アオナツといえばどこを切り取っても青春そのものでしたが、ユキイロは雪国で厳しい自然と接しているせいか、かなり抑え気味になっています。それに加えて舞台が札幌や仙台ならまだしも福島の一地方都市となれば、およそ華やかさとは程遠い過疎地帯なんですが、これが逆にユキイロの魅力です。時折混じる方言がなんともいえません。粘り強くて決してへこたれない風土だからこそ、その時になれば一気に燃え上がる激しい炎のような爆発力が潜んでおり、静と動のコントラストが実に鮮やかに描かれています。

さて、まずはいつも通りあらすじからです。

日本有数の豪雪地域にして日本有数の低い人口密度を誇る南逢瀬町。
数十年ぶりの早い降雪に、何かが変わる予感がした。
だけど、本当に変わって欲しいのかは、本人にも分からない。

今年もあと2か月程度に迫った冬。
羽染宗冬の日常は、友人たちと共にあった。

ぶっきらぼうで、物静かで、わりとおっかないけど、根は優しい幼馴染み、勿来美玖。
ロシアからやって来た臆病なお調子者留学生、スヴェトラーナ・グルチェンコ(愛称:スヴェ)。
都会から転校してきた、完璧に忘れ去られていた元幼馴染み高萩香子。
最もよき理解者で、最も近しい幼馴染み、薄広中。

これは日常という名の奇跡に彩られた、
決して長くはない時間の、
決して軽くはない時間の物語。

これからとこれまでのためのひと冬。
ただ1つの季節を巡る日々の物語 

世界の片隅で紡がれるありふれたストーリー
魔法も、超能力も、チートもない、
背伸びをしても雪の降る空には届かない。

寒い冬の暖かな結末に向かう物語。
それがユキイロサインです。(メーカーHPより)


全編共通していますが、公式HPにもある通り、他人にとってはただの平穏でも、本人たちには賑やかな空騒ぎに彩られた僅かな時間が奇跡なのです。これこそ多感期にある若人たちの特権です。大事な人と出会い、絆、反目、和解およそ全ての感情がそれぞれのヒロインごとにギッシリと詰まった色とりどりの玉手箱。
ヒロイン3人と主人公の宗冬、幼馴染で親友の薄広中が活躍するのはいうまでもありませんが、それだけではありません。登場人物全てがとても重要なピースとしてなくてはならない物語になっています。もちろんうー婆や犬のにゅーも玉手箱のひとつです。とあるルートでは開けるやいなや、まさしく物語を取り仕切るとても大きな存在となって現れるんですが、この辺りは本編で是非ともお確かめください。

システムは従来通りとても使いやすいですね。ただサウンドはいいんですが、勝手に会話中は自動的に下がります。私の場合、イヤホンで聞くので、相当音量を絞っていますが、それでもBGMがかなり大きくて絞りすぎると会話中はほとんど聞けなくなるので、BGMの音量を下げないように設定したにもかかわらずです。いつもはそんなことのないメーカーなんですけどね。この辺りはご愛敬。


ヒロイン攻略
さてヒロインですが、これもいつも通りの攻略順からです。攻略は簡単で正月にそろって初詣に行きます。
ここで親友の広中が、宗冬にたずねます。
誰が一番振袖が似合っているのか、と。
選択肢はそれだけで、どの玉手箱を開けるかはプレイヤー次第です。
そこから個別へとはいるのですが・・・



高萩 香子(たかはぎ かこ)
大人しい性格の転校生&下級生で、小さなころには南逢瀬町に住んでおり、宗冬、広中、美玖とは仲が良かったはずだったんですが、完全に忘れられていた不幸な少女といった立場からのスタートになります。
体験版にもあった通り、スキーの才能に目を見張るものがあるのですが、それに関しては自信が全くなく、怪我を理由にスキーから逃げようとしてる節も見え隠れする自称陰キャです。
このルートでは香子の幼馴染みにしてスキーにおけるライバルの弓田 結という玉手箱がついています。

ただこの玉手箱は慣れるまでは大変かもしれません。なにしろ香子に対してことあるごとに攻撃な態度や物言いをしてきます。さすがに香子はもてあまし気味で、つい避けてしまうほどのツンデレです。精神年齢が幼く子供のまま大きくなったカマってちゃんなんですが、出会う度に香子にとどまらず、周りにも高飛車で当たり散らすので、ついに香子がキレてしまいます。慰めるのはもちろん宗冬なんですが、実は結以上に気難しいのが香子だったのです。でその結果・・・
山あり谷あり、絶望までびっしり詰まった玉手箱でした。扱い方によっては舌切り雀のお婆さんの方にもなりかねないほどの。
さてさてどうなることやら。







次いでロシアからやって来た臆病なお調子者留学生スヴェトラーナ・グルチェンコ、通称スヴェです。
こちらの玉手箱はもちろん美玖ですが、それ以上になくてはならない存在が芳賀沼 皐(はがぬま さつき)という玉手箱です。
南逢瀬町役場に勤めるできる女性で、スヴェの保護者その2という立ち位置です。その1はいうまでもなく美玖ですが、その3もありました。



愛犬のにゅーがここでは欠かせません。ワン、クウ~ンとしかいいませんが、メチャクチャいい仕事をします。それは次の美玖の時も同じなんですが。

スヴェが公募したフェス案が採用され、一大イベント開催に向けて陰になり日向になり援助してくれる良きお姉さんの皐が、上手くスヴェをリードする辺りまでが体験版でしたが、そこで出された宿題が一大イベントを飾る強烈な催し物でした。
散々悩んだ末にスヴェの中から取り出した玉手箱。
入っていたのは・・・



花火でした。これで見事に南逢瀬フェスティバルは大成功を収めます。
一見して華やかなルートに見えますが、中々どうしてここでも爆弾が仕掛けられていました。
竜宮城のお土産といえばもちろん・・・

もちろん製品版でどうぞ、になりますよね。




そしてもちろんラストは勿来 美玖(なこそ みく)。
羽染宗冬、薄(うすき)広中の幼馴染み兼親戚です。冷たい印象を抱かれることが多いが、去る者追わず来るもの拒まずで、実際には面倒見が非常に良い優しい少女なのです。
香子やスヴェルートでも存分に発揮するのですが、ここにもう一人の身内である姉の柊佳(しゅうか)が絡んできます。

現在はアメリカに留学中ですが、それさえ書置き一つで済ませたくらいの行動力の塊で豪放磊落な性格なのですが、開けてビックリ玉手箱。
主人公との関係がいろいろ出てきます。アイスホッケーに宗冬を誘ったのは実はこの柊佳。伝説のゴールキーパーといわれるほどなんですが、どうやら深い理由があったようです。そしてそれは宗冬だけでなく、親友の広中が絡んでいました。

アイスホッケーに関しては全国レベルの実力者で、宗冬にとっては最も身近で最も気を許せる相手です。度量は大きく大抵のことは笑って済ませるタイプなんですが、ここでもやはり開けてビックリ玉手箱がありました。
多分このルートが一番玉手箱の数が多いでしょうね。
好みにもよるでしょうが、このルートを最初にやってしまうとそれ以外の仕掛けられた玉手箱がまるわかりになってしまう・・・かもしれませんよ。
まさかそんなことはないと思いたいが、好きなものを一番最初に食べられるならこのルート、最後まで楽しみを取っておきたいなら私のとった順番が一番スッキリするでしょう。

ここでチョッピリいたずらを。
ネタバレはしたくないですが、この程度ならいいかなくらいのノリで、まさしくアオハルの一ページをアップして終わります。
もし純粋にゲームを楽しみたいのなら片目だけ開けて、もしくは両手で隠しながら指の間からどうぞ。



美玖、実はスケートは全く滑ることができませんでした。スキーは雪国だから小学校の体育でも習うので全く問題はないのですが、

宗冬と初めてのデートがこのスケートの手ほどきでした。
手を絶対離さないでよ、なんていいながら。





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