気になるエロゲ 向日葵の教会と長い夏休み 感想

今更ですが、アチコチに移植されている人気ソフト向日葵の教会と長い夏休みをプレイしました。
ノスタルジックな海辺の教会を舞台に、現世と冥界が入り混じったちょっと変わった不思議な世界を醸し出す大人のおとぎ話とでもいうのでしょうか。不思議の国のウサギならぬ猫バージョンで、プレイ中はとても楽しい時間がゆっくりと過ぎていく、そんな感じの雰囲気のいいゲームでした。

システム
Win10でも問題なく起動しますが、かなり古く7年以上前の発売のため、ジャンプ機能などはついていません。大きな選択肢は3つ、ひたすらスキップのみですが、ボリュームがかなりあるので、次のルートにはいるまで結構時間がかかります。

でも画面はとても綺麗です。キャラやCGがブラッシュアップでより透明感や空気感が表現されて爽やかに仕上がっています。今のヌリと遜色ない程です。

またサウンドは軽快で、BGMで流れるピアノの旋律がとても素敵なんですが、残念ながらオリジナルサウンドトラックがついていませんでした。ちょっとガッカリ。

あらすじ
明日葉陽介（あしたば ようすけ）は、8年ぶりに帰ってきた。
彼の人生で恐らく最も重要な日々を過ごしたであろうその場所に。
地に咲く太陽をほこらしげに立つ小さな建物・朧白（おぼしろ）教会、あるいは向日葵の教会に。
「よーーくんっっ!!!!」　
「ほんとに、本当によーくん!?」
「ああ、ただいま」
8年前と変わらずに彼を迎えてくれる少女・詠（よみ）
会いに来る少女・金剛石（だいや）
待っていた少女・ルカ
そして、新しく出会う少女・ヒナ。

取り壊されてしまう教会を前に、ボロボロになっていた思い出の場所を再生していく、
ノスタルジックな海辺の教会を舞台にした、
明るく爽やかで、しかし切ない、ひと夏の物語──。

主人公の明日葉陽介
破天荒で包容力があるばかりか、素手でクマを倒したと噂される神父に育てられたせいか、文武両道。意志が強くて、一度決めたことは貫き通すタイプで、驚くほど造詣が深く、冷静沈着に物事をとらえることができる思いやりのある好青年です。

東京の親戚に引き取られて、朧白を去ります。

その後自力で志望する国立大学に入学し、学費を稼ぎながら学業に励んでいます。

父と慕う神父から手紙をもらい、8年ぶりに朧白に帰ってきたのですが、そこには陽介を慕うヒロインたちが待ち受けていました。

ヒロイン

朧白 金剛石（おぼしろだいや）　

村長の孫で村一番のお嬢様。

直情径行・猪突猛進・一瞬のひらめきで並外れた行動力を示す。
パワーと周りを引き込む勢いは一級品のムードメーカー。

他と被ることはないので最初に攻略して正解でした。

この場面、主人公とヒロインが日頃から呼び合っている名前から名字呼びに変えるのですがとても新鮮でした。またこのシーンに至るまでに色々あるのですが、冷徹でクールな朧白家のメイド長・二階堂 麗奈 （にかいどう れいな）が、とてもやさしく可愛らしい乙女だと感じるかもしれません。

最後にもお茶目なドキッとするようなシーンがあったりなかったり・・・

鷺月 ルカ （さぎつき るか）

陽介のお姉さんになりたい年下の少女。

しっかり者で常識的なふるまいを心掛けるが、陽介がらみになると、彼に甘えてほしくて変な行動に出てしまうような時もある。

一番エロゲの王道パターンに見えるかもしれませんが、意外にも練ったシナリオが用意されていました。終わった時にほのぼのとした気分に浸られるような、とても素敵な物語。

夏咲 詠 （なつさき よみ）

メインヒロインで、教会近くのペットセメタリーで墓守をしている。

陽介とは少女たちの中で一番長い付き合いで、お姉さんとしてみんなをまとめようとするが、逆にイジられがち。

少年・少女時代の陽介と詠とヨミ。そして・・・

ここで初めて大きな謎が明かされるのですが、それで全体を通じての違和感の正体がハッキリとわかり、腑に落ちた気分になるはずです。

不吉な黒猫？？？

とんでもない、「辛」に横棒を一本加えれば「幸」の字にかわります。

「ナナ」ではなくヒナが名付けた「ヨミ」は、まさに幸せを運ぶ黒い猫でした。

野々原 雛桜 （ののはら ひなざくら）

教会に預けられた少女。

ネコを通して陽介たちと打ち解けていく。

持ち前の行動力でいろんなことに挑戦していく。

そして成長すると・・・

 

このルートだけは二部構成で、詠ルート攻略後、スタート画面から長い夏休みを選ぶことで始まります。

攻略順通りにヒロインを紹介しましたが、物語を進める上では一番良かったと思います。徐々に明らかになっていく様々な謎、重厚な人間ドラマに現世と冥府の境目にある朧白という風土がもたらす怪奇現象が絡み、ついにはアブノーマルな愛にまで発展します。

その要因はペットセメタリーに住んでるナナと呼ばれる黒猫でした。

ナナと呼ばれた黒猫がいつの間にかヨミという黒猫に代替わりすることになり、

そのヨミと月子がアレコレ画策して、

たまに出てくるお茶目で破天荒な神父がそれに乗っかり、

ついでにルカと金剛石が参加して、

さらには共通の母親まで加わわって

ついに正式に養子縁組をして

父と娘の親子になるのです。

めでたしめでたし・・・

それだけ？？？

まさか・・・

本当に？？？

お楽しみは？

アブノーマルなHは？？？

ここから先はネタバレがありますので、クリアしていない方にとってゲームの面白さを損なう可能性があります。進まれる場合は、すべて自己責任でお願いします。

なんて、ね。

ホンの冗談です。

その結果・・・

父と娘が

結婚 !!!

黒猫ヨミの長い長い物語はようやく終焉を迎えます。

ご苦労様でした。