ある程度回復してきて、外に出たいと言い続けていた認知症のおばあさんは本当に脱走騒動を起こしたけど、まぁまぁと宥めたのか?大人しくなった代わりに突然ボケが治って若かりし頃のことを話してそれを60代かな?のおっさんが聞いて盛り上がるのをBGMにしながらの日中を過ごしていく。そんな人たちも夕方には退院していく。自分もコロナ用の仮設病棟を出て一般病棟に移ろうかという話も出てきた所で夜に。そして夜になってサプライズな話が。
最初は親から電話が来たけど、何と明日にはホームグラウンドといっても過言ではない腎臓移植をして今も定期的に通っている病院に転院になるということ。まだ知らされてなかっただけにこれにはビックリ。ここなら全ての記録が残っているし先生たちも腎臓移植前後からの全てを知っていることに加えて、ものすごい設備もある。ここならもう安心。親からの電話があった後に病院の人から明日の朝には転院と知らされたけど正直安心した。もうここなら1ヶ月以上入院しているから勝手知ったる場所だし設備も充実しているからこれなら本当に安心できる。もう美味しくないご飯とも人手不足で満足な対応をしてもらえないこの現状ともお別れすることができる。もう安心できる場所にいける、明日は本当に楽しみだな。
一応、最悪の状況は脱してきた感じが出てきたかな?というような状態になってきたけど会社は容赦なさ過ぎ。確かにいきなり休みはじめたから文句は言えないけど苦しくて酸素吸入しながらの状態なのにあれこれやり方がわからないからLINEに問答無用に質問は来るしそれに対して答える自分もいる。
まぁ多少は良くなってきて色々と不満も出てくる。周りは回復した人が楽しそうにおしゃべりしているのをただROMっているのも歯がゆいし、この人たちは大体その日か翌日に退院していく。自分もそろそろ外に出たいという願望もあるしずっとこの状態で看護師不足もあって何もしてもらえないから臭うから頭も洗ってほしいし食事も微妙だしとまぁボヤキたくなる条件は揃っている。でもここは我慢。1週間すれば大部屋に移動だし自由が増えるはず。そてにしても長い道のりになりそうだな今回は。
昨日の爆音騒動から一晩が明けた日曜日。今日も寝ている時間が長いけどテレビを見たりタブレットで遊んだりしながらちょっとだけ日常の延長線にいたり。そして夜からはコロナの治療薬の点滴が追加、つまり反転攻勢が始まった。もう負けてはいられないと思う反面、入院から日数が経ってきて先生や親からのメッセージからも相当深刻な容態なのは変わらない。酸素吸入こそ口と鼻を覆うのではなくて鼻から吸うのに変更になったくらいで変わらない。さすがに夜になって心細くというか最悪の事が脳裏をよぎってきた。
もし、ここで終わりになってしまったらどうなってしまうのだろう。色々な事が頭をよぎってくるけど、強く思ったのはこの3つ。
まずは日本の鉄道完乗の夢が残り3割前後で終わってしまう。さすがに自分の年齢的に中央リニアの名古屋~新大阪・北陸新幹線の敦賀~新大阪とかはともかくとしてここで終わらせたくない、Nゲージも自分が持っているアイテムがどうなるかもあるけど自分が求めているというか目指している模型道を極めていないし見えてもいない。
最後に脳裏をよぎったのは全てを見届けると心に誓った、旭川のいじめ事件の結末を見届けることができないということ。旭川のいじめ事件は言い方は悪いけどそのおかげで出会った人もいる、自分の過去に向き合い今まで以上に力にすることもできている。そんなこともあって亡くなられた被害者には感謝してもしきれないだけに、細々とだけど彼女のために動いてくださっている方々への募金もしているし、自分も旭川には2回足を運んだことやまた迷いがあれば行きたいし、自分の過去と未来をつなぐと思えたことだけにこんな所で終わって最後まで見届けられないなんて絶対にしたくない。終わってたまるか、その気持ちは確実に届くことに。とにかく今は生き抜きたい。
入院3日目。相変わらず容態は厳しくて更にコロナに効く薬も腎機能が低下していて使えない。脱水も相当だったようでお腹の具合は良くなってきて水分補給もできるようになったけどそれ以外に点滴も併用。今日は、午後にまた家族が来て病気平癒のお守りを買ってきてくれてこれは看護師さん経由で渡してくれることに。本当に今回は心配ばかりかけているな。
ただ、昨日とは違って周りの様子が見えてきてみんな個室だけど回復してきた人は違う個室に言ったりしておしゃべりをしている。中には認知症?なのか子どもの世話をしないと行けないから帰りたいというおばあさんの声が時々聞こえたりまぁ色々とここはある所みたい。そして夕方には自分以上に容態が悪い人が搬送されてきて看護師さんや先生たちは騒然。さらに夕方に今まで空いていた隣のベッドのに人が入ったのはいいけど、まぁ色々と訳アリという感じもしつつ消灯時間後にさらにすごいことに・・・。いびきが半端ねぇ。もうこいつ体にウーファーでも埋め込んでいるだろうというくらいの低い爆音が聞こえてくる。もうあまりのうるささに眠れるわけもなく、ブチギレ状態。さすがにこれは無理。看護師さんがあまりの凄さに見かねてお部屋移動。これで完全な個室に入れることに。これでやっと眠ることが出来た。