

早池峰山(岩手県、1917m)の山頂に避難小屋の新設に合わせてトイレ(地下浸透式)が設置されたのは1988年。それ以前に見られた「岩陰に咲く白いテイッシュの花」は、トイレ設置で見られなくなりました。
しかし百名山ブームで登山者が急増。便槽周辺の土壌で冨栄養化が起こり、生態系に深刻な影響が現れ始めました。
その状況に対し、1993年に地元のボランティアが屎尿の担ぎ下ろしを開始し、現在に至っています。なおトイレは2001年に汲み取り式に改装されています。

(ボランティアによる屎尿の汲み取り、出典:岩手県)

① 出発前に登山口で用を足し、山頂トイレはなるべく使わない。
② 携帯トイレを持参し、緊急の場合は携帯トイレを使用して持ち帰る。
*その効果が現れ、担ぎ降ろす屎尿量は最大時の1/10以下になったそうです。

岩手県は今年「携帯トイレの山」を目指すことを決定しました。小屋トイレを閉鎖する日を設け、次第にその日を増やして3年後に完全移行します。
なおトイレにある3つのブースのうち2つが携帯トイレ専用。携帯トイレは登山口と山頂で1個350円で販売されます。

(冒頭の写真は、私が持参している携帯トイレです。)