ブナの中庭で

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江戸のリサイクル事情

2008年11月29日 | 3R・ゴミ・廃棄物
長谷川先生のお話より抜粋して紹介します。

□ 17世紀後半、江戸は人口100万人、世界最大の都市。大量の食物が必要となり、生ゴミを地中に埋め発酵熱で温度を上げ、油紙で覆い野菜を促成栽培した。
(バイオマスエネルギーを利用した温室栽培だ!スゴ~イ

□ 江戸では最初、埃が立つことを嫌い、道を石灰で固めたり石畳に変えた(いわゆる舗装)。しかし、夏場には高温になることに気づく。結局舗装をめくって土に戻し、夏は水を撒いて気温を下げるようにした。
(おお、早くもヒートアイランド現象が起こっていたのね。そして散水でクーリング!

□ 東京湾をゴミで埋め立てて作られた「石川島人足寄場」。ここに軽犯罪人が収容され、①牡蠣殻から石灰を製造、②再生紙事業、③古くなった杭から炭団の製造、を行わせた。罪人の立ち直り教育施設でもあった。
(一大リサイクルプラントではないですか!


□ 加賀藩金沢で活躍した修理・再生業者たち
いずれも素晴らしい技をもっていた人たちである。

  ・甲冑師‥‥先祖代々受け継がれ、各人の身体サイズにあわせてリフォーム
  ・研磨師・鞘師‥‥刀を使う人の身長に合わせてサイズ合わせ
  ・蝋燭屋‥‥和蝋燭の燃えだれを回収して蝋燭に再生
  ・箒屋‥‥使い込んで先が曲がった箒は、先をカットしてまた箒に再生
  ・目立屋‥‥刃物ばかりではなく、使い込んだ石臼も再生


「このネクタイ、古い帯やネクタイをパッチワークにして仕立てたものなんです。江戸では衣類や布類は徹底的に再利用してましたから、僕も見習ってネ」

長谷川先生のお話はエピソード満載、笑いもいっぱい。90分があっという間でした。

☆~☆~まとめ~☆~☆
「江戸は、ゴミを減らすためのリサイクルではなく、モノを最後まで使い尽くす社会であった。使い捨て文化の現代人は大いに学ぶべきである」
ごもっとも~ 長谷川先生、いいお話をありがとうございました。

4 コメント

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ほんと、ほんと (Repu)
2008-12-01 22:31:19
長谷川先生のお話はよかったなぁ。
まちづくり関係のお話も聞いてみたいです。
こちらでも木質バイオマス、ちょっとだけ進展の気配が。また情報交換をよろしく!
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長谷川さん (きざきん)
2008-12-01 14:57:44
4月に那谷寺でもお話してくださいました。
歴史やまちづくり関係の話もすごくて、おもろい人や~~。
木質バイオマスの計画もちょっとずつ進んでいます。
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昭和30年代までは (Repu)
2008-11-29 21:29:42
昭和30年代までは、「暴力的な石油エネルギー」には毒されず、持続可能な生活だったのではないでしょうか。ほんの40~50年前なのに、この変わりようは凄まじすぎます‥‥。

江戸の心を取り戻して現代生活にぜひ生かしていきたいものです。
嶋多たつおさん、いつもご訪問とコメントをありがとうございます。
お言葉を頂くとホント嬉しいです!
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江戸の文明 (嶋多たつお)
2008-11-29 08:18:03
何となくホッとする記事でした。小さい頃田舎で育った(お祖父さんは百姓でした)私にとって江戸のお話はそんなに遠い話ではありません。自然エネルギーと人力エネルギーの範囲内で工夫に工夫を重ねて生活していたことを思い出します。現代の、石油エネルギーの暴力的な力で、先々のことも考えず自然を無視して突き進む文明には、そんな知的な知恵もセンスもないように思います。江戸時代の方がよほどしっかりとした文明観が確立していたように思いました。いつも素晴らし記事ありがとうございます。
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