ブナの中庭で

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持続可能な養殖

2009年10月15日 | 食・農業
日本人はエビだ~い好き。
そのエビを養殖するため東南アジアでマングローブ林が大量伐採されという、環境破壊が明るみになったのは1990年代でした‥。

そこで生態系への負荷が少ない持続可能な養殖水産物に対して与えられるのが「ASCラベル」。
ASCとは水産養殖管理協議会(Aquaculture Stewardship Council)のことです。

対象となる魚介類はサケ、エビ、マス、ブリなど11種類で、そのうち最も基準作りが進んでいるのがエビ養殖なのだそう。

現在「粗放養殖」に注目が集まっています。

従来の「集約養殖」では
 狭い養殖池(0.5ha程度)に数万匹の稚エビを放し餌を与え、病気が発生しやすいため抗生物質を投与。
 食べ残しの汚泥が池の底にたまる為、4~5年で養殖池は使えなくなります。
 つまり「持続困難な養殖」

これに対して「粗放養殖」とは
 広い養殖池(10ha以上)に数万匹以下の稚エビを放し餌は与えず、自生の水草や底生生物を食べて成長。
 健康に育つので抗生物質は必要なく、養殖池は長年に渡って使用可能。
 すなわち「持続可能な養殖」

エビの価格は2割程度高くなりますが、マングローブの森を破壊せずにすみます。
こんなエビ、ぜひ買いたいな。

現在、MSCラベル(海洋管理協議会選定)は「海のエコマーク」として知られるようになってきました。
持続可能であり生態系への影響が少ないとされる水産物に与えられるものです。


このMSCラベルと並んで今後有名になりそうな「ASCラベル」、注目していきたいですね。

6 コメント

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持続可能な。。 (やっちん)
2009-10-14 23:35:16
Repuさん、こんばんは。
これは全く農業にも当てはまりますね。
農業の場合、農薬な訳ですがその他除草剤の恐怖があります。あの生命力豊かな雑草を根こそぎ枯らしてしまう枯葉剤。
これを撒いた土地は死んでます。そして地下に染み込んで行きます。やがて地下水や川に合流し海に流れていくのでしょう。。
自分の土地だから何をしても良いのでしょうか?陸地は繋がっているのです。海だってそうでしょう。本来地球は誰のものでもありませんよね。根本的な議論が必要な時期に来ているのではないでしょうか。
温暖化その他の環境問題もしかりです。
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「持続可能」と「循環」 (Repu)
2009-10-15 05:48:02
6000年以上もヒトは農業を続けてきていて、それは持続可能な農業でした。しかし農薬や化学肥料など石油由来のものを使用するようになったのが、ここ数十年。こんな農業をいつまでも続けられるとは思えません。
やっちんさんのおっしゃるとおり、水は繋がっています。
畜産業が盛んなデンマークで、家畜の糞尿が地下水を汚染し、飲み水を地下水に頼っていたため大問題になったのが30年ほど前。
そこで、糞尿を発酵させメタンガスでバイオマス発電をし、発酵後の残渣は堆肥として畑にいれる。このシステムで地下水汚染が解決され電気も得られるようになりました。
このように、「一方通行」ではなく「循環」がキーワードと思います。水は循環してるものね。


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循環型社会 (やっちん)
2009-10-15 16:15:57
こんにちは。
江戸時代は完璧な循環型社会だったと言われてますよね。日本は山紫水明の国と言われるほど美しい風景が広がっていたのでしょう。
一度で良いから江戸の時代に戻って、美しい日本の風景を見てみたいものです(笑)。
電柱や電線のない空間は広々していて、さぞ気持ちが良いことでしょうね。
今ならまだ間に合うのでしょうか。
環境先進国を目指し本気で取り組むことが必要ですよね。一人ひとりの意識を高めることが最も重要だと思います。
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エコ時代の江戸時代 (Repu)
2009-10-15 20:41:17
去年、北陸大学の長谷川先生から江戸時代のリサイクル事情についてお話を伺いました。
詳細は下記へどうぞ。
http://blog.goo.ne.jp/repu/e/a283e6a0d98fe7c28ff6e1a47644c839
私もやっちんさん同様、江戸時代に飛んで山紫水明の日本を見てみたいです。
川にダム無し、海岸にテトラポット無し。
日本はどうしてこうもコンクリート漬けの国になってしまったんだろう‥‥。
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コンクリート漬けの片棒として (Nekton)
2009-10-15 23:08:05
耳が痛い話です。
公共事業に加担している立場で一言。
今の社会は、持続的に見守るということができない仕組みになっています。一度の整備で目的が達成される前提が基本で、同じ場所に同じ予算は投資できません。
本当ならば、海岸の砂がなくなれば毎年必要な量を供給すればよかったのですが、ブロックを入れて完了という事業になってました。
シビルエンジニアとしての大きな反省材料です。
新しい政権がどのような方針を出すのかも含めて、不安と期待の中、今後の自然環境の守り方を考えています。
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コンクリートから人へ (Repu)
2009-10-16 21:04:22
どうして「持続的に見守ることができない仕組み」になっているのでしょうねぇ‥‥。自然相手ならば何年も経過を見るべきなのに。予算システムが単年度執行だから?
民主党から予算発表がありましたが、スローガンは「コンクリートから人へ」だそうですよ。
ぜひ実際にやり遂げてほしいな。コンクリートはもうたくさん!
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