深夜の小学校の視聴覚室ニャ
あかりも要らないからネコたちの会議はエコニャ
「今夜の課題は?」と、ミケにゃんがソワソワしながら尋ねた。
「どうかしたのかね?」
「観たいテレビがあって・・・」
「そうか、おかえり。集中できないものは参加しないほうが良いにゃ。」
ミケにゃんはそそくさと帰って行った。
「今夜は重大な会議ニャ。」
アビニャンが言った。
「この頃、僕らの生活を脅かしている電磁波について対策するニャン。
家の中にWi-Fiを置かれているネコ諸君はどれくらいいるかね?」
99匹の猫の半分近くが手をあげた。
「ひゃ~思った以上だ。文明の発達かあ~。」
「最近、頭痛がしたり、イライラしたりするんです。」
「困ったね。何か粗相もしたりした?」
「ちょっとだけ・・・トイレ以外のところでやっちゃって叱られました」
クロネコはトイレポーズをして言った。
「あたしは、よくもどすようになったわ」
「あたしは不眠症。眠れないの」
『オイラはがんって言われて飼い主が1週間に一回病院につれていってる」
「ボクは白血病でお薬飲んでる」
それぞれの猫たちが自分の症状を言い合った。
「そうか・・・いろんな影響が出てるってことだね。人間たちは気づかないのかな?」
「対策を考えてみよう。」
アビニャンは窓の外に美しく輝くまんまるお月さまを見ていた。
「お月さま、知恵を貸していただけないでしょうか?」
すると、空から優しい声が聴こえてきた。
「猫たち、心配しなくても良いんだよ。君たちの健康が害されていることはよく知っているよ。
よくわたしにきづいてくれたね。よくわたしに尋ねてくれたね。」
アビニャンは嬉しくなって、しっぽをブンブン振りながらお月さまの声を聴いた。
他の猫たちもいっしょになって集中して夜空を見上げた。
「人間たちに言ってはいけないことだから、君たちの秘密。」
お月さまはそう言って優しい光をネコたちに注ぎ始めた。
キラキラ
キラキラ
「あ!身体が軽い!」
「にゃ~、なんだか塊が出ていったみたい」
「おこりっぽいのがきえたよ~」
ネコたちはそれぞれに、自分の身に起こったことを言い出した。
「この光は君たちに20年周期でいやしを与える光です。何があっても大丈夫だから、ここに来たことの意味をきっとわかるでしょう」
お月さまはそう言いました。そして、
「さっき帰っていったミケニャンにもいやしをそそいでるから」
と言った。
「ミケにゃんはテレビを観るって言って帰っていったのに?」
「ミケニャンも君たちの仲間であることには変わりないよ」
お月さまがそう言うと、ネコたちはみんな笑顔になってうなずいた。
それから20年間、
飼い主たちが感動するくらいに、ネコたちは病気をしないで過ごしています。
ミケニャンは25歳になります。
アビニャンは22歳になります。
人間たちは電磁波や化学物質の影響で様々な病気を抱えて苦しむようになりました。
朝の光も夜の光もいやしを注いでいることも知らずに何かのボタンを一生懸命おしています。
空を見上げると、いやしの光がそそがれることも知らずに薬漬け。
さて、
ネコたちの出番です。