更衣室から戻ってくると、机の上にペットボトルが置いてあった。
こちらからはラベルを確認できないが、黄色い中身が見えている。頼んでおいたレモンティーなのは明らかだ。
あの甘さを思い出し、よだれが口の中に溢れてくる。ついつい、口元が緩んでしまっている。
ジャージを無理矢理ロッカーに押し込んで、自分の席まで足早に向かう。
椅子に身体が触れるより前に、目当てのペットボトルを手に取り――気付いた。
「俺が言ったのは紅茶花伝だ、田中あッ!」
◇ ◇ ◇
おかしい。こんな企画ではなかった気がする。
『寝る』って言っときながら、布団の中でこんなの考えててなかなか寝付けんかったー。