GIRLS BAND「RAP」

女性4人からなるハードPUNKバンドです。
1984結成ー1988年解散。
現在最も再発の望まれるバンド。

DOLLより   1

2007-07-31 16:16:55 | RAPの思い出
RAPの公認サイトがオープンして、今か今かと再発を心待ちにしていたが
良いNEWSはなかなか入って来ない。
多くのシティロッカーのバンドがそうであるように
やはり一筋縄では行かないのだろう。

目新しいネタもないので、
「FRAPER~「RAP」という名のGIRLS PUNKバンド」では
取り上げていなかった号のDOLLのインタビューを掲載しようと思う。

これはEP3部作完成後、ミサ脱退直後の頃の
ROUGEのインタビューである。

2ページ見開きで細かい文字ビッシリの
かなり長いインタビュー記事なので
何回かに分けて掲載して行こうと思う。


~3部作について~

 三部作は2nd, 1st, 3rdという順番にすると
ひとつの物語になっていて、どういう物語かについては
聴いた人が、曲順を変えたりしてある程度プロットをつかんでくれればいい。
 1stに入っていた「飾り窓」が ひとつのキーワード。
自分の意思と裏腹に何かの為に働いたり
お金をもらう為に人を平気で裏切ったり、
私達が普段生活していて割りと良識あるように見えてても
結局娼婦とかと変わらないんじゃないか、
自分自身について考えたときに自分もそうなんじゃないかと。
もし、同じようなことを思っていた人に、
自分で認めるということは嫌な事だけど、
そういうことに気付いて欲しいな、みたいな感じ。
 音については・・・
1stは とにかくレコーディングが初めてという事で、
スタジオっていうよりもライブでの私達の雰囲気、
ノリが出せるようにと思った。
ピストルズとかNYドールズみたいな古い感じ。
ガレージっぽいっていうか。
2ndは気持ちが優先していて・・・気持ちが落ち込んでいるんですよ。
で、その気持ちを反映させたって感じで。
3rdは曲は明るめなんだけど、詩が重いんですよ。
でもその重さを いかにもって感じじゃなくて、
さりげなくやりたかった。


~RAPとPUNK~

 例えば今までツッパリやっていた人がパンクの格好したり
パンクの曲をコピーしたらパンクスだって言っちゃうのね。
じゃあパンクって誰でもなれちゃうのか。
そんなの別になれたらエライってものじゃないけど、
もともとパンクが起ったのって、そんな安易じゃないんじゃない。
パンクって、その人達の言ってるメッセージとか
考え方とか、そういう問題だと思う。
反戦・反核とか歌ったりしてもその人達にとって切実じゃなければ
その人はパンクじゃないと思う。
歌っているって形だけでもダメだと思うから
自分でも、本当にいつもどうしようって
不安に思っていること以外は歌いたくない。
見せかけや様式化されたものは絶対パンクじゃないと思う。
逆にフォークとかでも、昔、反戦フォークとかあった訳でしょ。
今ヤンキーがパンクの服買ってパンクだって言ってるよりは
そういう人の方がパンクだと思う。
 私は小さい頃、本とかあまり読まなかった。
それで色々な問題点、自分の生活のこととか
考えるようになったのはパンクを聴いてからなのね。
初めてダイレクトにメッセージが自分の中に入ってきたの。
それが文章だけだったら読まなかったかもしれない。
RAPの曲は結構聴き易いように作ってると思うんだ。
そういう風に聴き易い曲で、まず始めに音から入ってもらってもかまわない。
食べず嫌いみたいなのは無くなった方がいいでしょう。
だから私は最終的に年取ってまでロックをやってるかどうかはわからない。
もしかしたら文章の方へ行ってしまうかもしれないし。
ただ私が一番始めに気付かされたのは
音楽にのせてある詩だったから。
それで自分もその方法を選んだ。
方法は他にもあってロックじゃなくても良かったんだけど
私はパンクが好きだったから。


~ファッション~

 ファッションパンクっていうのは
パンクの服着ていればパンクだって言う奴で・・・・
素直に言ってしまえば、私は着飾るのは好きだし、だけど
派手な格好しているからって音楽に対して真面目じゃないとは言い切れない。
特に、日常とステージは違うしね。
例えばバレエとか宝塚とか、
ロックよりももっとステージ衣装が派手だけど
それはいい加減じゃないし、衣装も演技のうちだったりする。
ステージ衣装っていうのは、その人がその上でなりきる為に
自分の一番いいと思った服着てやるのがいいと思う。
動くバンドは動きやすいのとかね。
RAPは目に映る姿がきれいで楽しませたいと思ってる。
地味な服着てるからって、音に対して真面目かっていうと
必ずしもそうじゃないし。
地味なバンドはファッションパンクに見られたくないから
地味なんじゃなくて、
それが本人達にとって、かっこいいからだと思うよ。
RAPのことを ちゃらしてるって言う人は
私達が何着ても何やっても気に入らないと思うし
それはそれで仕方ない。
レコードにしてもじっくり聴いてくれてないだろうし。
・・・私達は衣装も凝るけど、音や詩に、それ以上に気を使っている。


(つづく)


DOLLより 2

2007-07-31 16:16:37 | RAPの思い出
前回の続き。
今回はレコーディングについて触れている部分の転載です。
改めてこれを読み直すと時代が時代であれば
ROUGEの言う「残るレコード」という部分が
当然にCDであった筈で、非常に残念に思う。
それが数年ずれていたら、CDで発売されていたであろうし
現在ファンが待ち望んでいるCD化再発も、もっとスムーズだったろう。

(注:当時のレコード盤製作は、現在のCD制作に比べ、
  とても製作コストのかかるものでした。)


~インディーズ・レーベル~

自分達で出すって事は経済的に有得ないんだ。
だから認められなければ今だに出してないかもしれないし。
バンドやっていくのにもお金がかかるし
ギグやって沢山ギャラが入る訳じゃないし。
親元で生活しているんじゃないから
必要経費がかかるでしょ。
そういう状態でレコード出したら
本当にバンドにかかる基本的な経費すらも
出せなくなってしまう。
そんな風になるんだったらレコード出さない方がいい。
ギャラが沢山出なくても自分達に負担がかからなくて
バンドが継続出来る状態ならいいんだ。
自分達で生活切り詰めてヒーハー
レコード作ったとしても
売れなかったらどうしようみたいな
意識が出てきちゃって
逆にいいものは出来ないかも知れない。
ただソノシートっていうのは嫌だった。
音質は今はさほど変わらなくなっているけど
何回か聴いたら終わりのレコードは作りたくないし。
何回も聴きたいのに
盤がダメになっちゃうっていうのは悲しいよね。
だからやっぱりビニール盤で出したかった。
バンドとしての欲もあるし、
遠くの方へツアーに行きたいとか。
だから経済的に無理はしない。


~モモヨ~

モモヨはアレンジとかには全く口を出してはいない。
たとえばRAPがRAPだけでレコーディングした場合、
自分達の魅力をどう引き出していいかわからない。
例えばヴォーカルを一番自然な状態、
私の歌っている本当の声を、
いかにちゃんと録ってくれるか、とか。
自然な声って却って難しかったりするんだけど、
そういった技術的な問題で、
それがRAPに出せるかといったら出せないし。
要するにモモヨの力が大きいっていうのは、
どれだけ私達の魅力を出してくれたかっていうことで、
バンドの資質には関係ない。
私達はモモヨのバンドじゃないしね。勿論。

DOLLより 3

2007-07-31 16:16:22 | RAPの思い出
またまた前回の続き。今回で最後です。
ここでは「自分達の在り方」について語られています。


~女の子バンド~

私が例えばRAPのメッセージとかについて言ったりするじゃない。
そうすると
”女のくせにエラそうなこと言うんじゃねえよ”とか
”女のパンクは生意気だ”っていう男の子が多いらしいのね。
今だに。
あと、女の子バンド同士が下手に意識しちゃって
相手の悪口を影で言ったりとか。
平安時代の女流文化が理想っていうのは
あの時代って、お互い干渉しないで、
まぁ昔も悪口とかあったんだろうけど
自分達の道を行くって感じで、いいもの沢山出ていたし。
で、今の私達にとっても、あとで結果的に見たら
女の子バンドが沢山あって、違った文化が出来てたって
いい風だったらいいな、って。
下手にバンドやってる女っていう意識持たないでやって行きたい。
小さい時は”あたしバンドやってるんだよ”とか
”あたしバンドやってるから人とは違う”みたいな意識あったけど
そういうんじゃなくて
”バンドやってるのが自分だ”みたいな。
それで、たまたま自分が女でっていう自然な感じで
出せたらいいんじゃないかなと思ってる。


~RAP通信~

RAPを始めた頃に、興味本位で男性誌に取り上げられたりしたの。
私達が言った事とまるで逆の事を書かれたのね。
それと嘘とかデマとかが多くて。
前から雑誌とか信じてた訳じゃなくて
雑誌の恐さっていうのは充分わかっていたつもりなんだけど。
インタビューにしても、まともな事
質問してくれるところが少ないし。
アイドル歌手にするような質問が多くて
そういうのよりRAPを聴いてくれてる人とかに
言いたい事をこっちから言っちゃうみたいな・・・
本当にRAPのメディアっていうことでRAP通信を出しているんだ。
曲について解説し過ぎっていうのは私も思うことがあって・・・
だから1stの時は本当に1曲1曲解説したりしてたけど
2nd,3rd位から作った時の心理状態とか、
そういうことを書くことにしたのね。
曲っていうのは、聴いた人がその人なりに
受け止めてくれればいいんだけど・・・
まわりに歌詞を全く誤解されて悪用されたりって
危険なことが結構あって・・・
それは作る自分の力の無さだと思うんだけど
自分の詩の未熟さを補う意味でっていうのもある。



~今後の展開~

ドラムが脱退して、今はまだ決定していないんだけど
オーディション中で、予想よりは集まっているんで
8月中には決定すると思うし、結構楽観的に見てるの。
次のレコーディングの予定とかも立ててるし。
ドールに出したりするまでは、2、3人位しか来なくて。
口ではすごいことを言っているんだけど、
叩いてみると言った程ではないなって
感じでがっかりしてたんだけど・・・
だから見通しがついたってことで皆ホッとして
新曲とか作ったりしてるよ。
ドラムが抜けて、ミーティングとか深刻になって
かなり真面目に話したりしたから
ニシキとカオリと私って結び付きは前の5倍位
強くなったと思うしね。
今後は、11月の終わり~12月の始め位に
ミニLPのレコーディングに入る予定。
コンセプトについては・・・
3部作だとコンセプトが薄い感じがするんだけど、
今度はもうちょっと
ひとつの通底するテーマみたいなものがあって
全部”命”っていう問題なんだけど、
そういうことについて歌ってみたい。
まだどうなるかわかんないんだけれど。
また生意気言ってるって悪口言われたりするかもしれないけど
本当に基本の道徳観念とか、本当に当たり前のこととか
もう一回そういうことを突き詰めてみようかなと思ってる。


RAPの心臓

2006-11-25 12:41:46 | RAPの思い出
RAPというバンドのメンバーは、各個人が非常に個性的だ。
どのメンバーも美形なのは勿論、
演奏力も秀逸で、しかも所々に全く違うバンドからの影響がうかがえる。
そのばらばらな個性が巧く調和されている、
最も美しい成功例だと思う。
NISHKIのギターは繊細かつ初期パンクの要素を色濃く受け継ぎ
聴くものに高揚感を与えてくれる。
KAORIのベースはアグレッシブであり、また多彩な姿を見せてくれる。
ミサのドラムは女性にしてはというと失礼だが
力強く、心が躍らされるビートを刻む。

けれどRAPがRAPたる所以は、やはりROUGEのヴォーカルであり
彼女が書く歌詞であろう。
もしもヴォーカリストがルージュで無ければ
RAPというバンドのメッセージが現在まで語り継がれる事は無かっただろう。
そういった事を考えると、RAP=ROUGEと言えるかも知れない。

けれどROUGEの歌を最大限に生かしているのは
紛れも無く他のメンバーの演奏である。
かつて
「誰が欠けてもRAPでない」という
彼女の言葉が、それを物語っているのだろう。

RAPのファン像

2006-11-02 16:49:15 | RAPの思い出
最初にお断りしておくが、
これは、ごくごく個人的な主観であり
異論を唱える方も沢山おられるだろう。
そういう方は変人の戯言と流して欲しい。

RAPの活動当時、ライブに来る客は圧倒的に男性が多かったように思う。
その、ほとんど(僕も含めて)
彼女達の美しい容姿に釣られた単なるミーハーが多かった。
沢山ギャルバンはあったけれど
これほどまでにメンバー全員が美形のバンドは無かった。
ましてや初期の頃はランナウェイズを思わせる下着ファッション。
これで男が参らないわけがない(爆)

しかし男というものはアイドルを見てもわかるように
別の可愛い子を見つけると興味は移ってしまう。
解散後、RAPが話題に出なくなってしまったのも
それが原因の1つであろう。

ルックスの良さゆえの悲劇。

しかし・・・
20年近く経った今、尚、RAPを崇拝するファンが多く存在するのに驚いた。
熱狂的なのは、むしろ、少数派と思われた女性ファンだった。
実はライブで大騒ぎする男どもの影で
女性ファンは冷静に、そして正確にRAPを見ていたのだろう。

そう考えてみれば女の子バンド特有の
「女性バンド同士のいがみ合い」とは
RAPは無縁だったように思われる。
よく○○(バンド名)と○○(バンド名)は敵対しているという話を聞いたが
RAPを取り巻く噂は専ら「RAPの○○は○○とデキている」などという
低俗なゴシップだったからだ。

そして・・・
検索などでHITしたRAPに対する記事を読むと
今でもRAPを聴いている人のほとんどは(僕を除いて)
男女の区別無く、頭の良い論理的なファンが多いように思われる。
それはRAPというバンドが
「大人にならないと分からない」バンドだったのだろうし
前にも書いたが今の時代を見据えている人が多いという証拠だろう。

何故今頃「RAP」なのか?

2006-10-29 20:13:05 | RAPの思い出
RAPは88年に解散している。
2006年の今頃になって、あちこちで再発が望まれているのは
一体何故なのだろう?
僕も正直、とあるブログを発見するまでは
RAPというバンドの存在を記憶の奥にしまいこんでいた。
それが・・・

1つは彼女達のメッセージが
今の時代に求められているというものがある。

RAPの曲に「マタニティー・ブルー」という曲があるが
さらっと聴いた限りだと単なる「反核ソング」に思える。
しかしよくよく歌詞を追ってみるとこう歌っている。

>いつもNEWSは目を そむけたくなるような事件を告げる
>いつも何処かで信じられない悲劇繰り返される

>髪を伝って流れ落ちる私の憂鬱
>とめどなく溢れ息も できない 私の不安

>シェルターの代わりににも なれない我が身 もどかしい

>夜毎 見る悪夢 私 子宮めがけ
>ナイフで切り裂く妄想に駆られ・・・
>未来のない子の ために歌う(いのる)

インタビューでROUGEは
「母なる強さを身につけたい」といつも言っていた。
だが、ROUGE自身、現在に至っても子を産じていないそうだ。

このマタニティブルーの「黒い雨」は
放射能汚染を比喩しただけではない。
親でさえ子供を守る事の出来ない世界。
虐めや虐待、社会的な問題、
そして親自身の経済的な事や子育てをする為の環境の不備。
これらが現在の少子化に繋がっているのではないだろうか?


個人的なことだが、僕の妻も僕も、子供を産み育てる自信が無い。
子供は好きだし欲しいけれど、守りきれる自信が無いのだ。
産みたくても産めない(子供を作れない)悲しみ。
ROUGEは、そう歌っているようにも思えて仕方が無い。

RAPを取り巻く業界人

2006-10-25 18:29:48 | RAPの思い出
アルバム「HESTERIA」ライナーノートより


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「テクニカルノート」



アルバムの内容、とくに表現の内容については

多分、なにがしかの言葉がメンバーの方から

あると思われる。

まして、それは僕の領域ではない。

ここではテクニカル的なことについて記しておく。

以前の3枚の33回転シングルは全て

ティアックTASCAMシリーズの8chテレコを回して制作された。

その理由は、ひとえに僕の我儘からで

こうしたネコも杓子も16chを使っている昨今、

メンバーが一年間8ch使用に耐えてくれたことは特筆してよい。

 という事で、今回は晴れて16chを使用した処女作品である。

そのところどころに「16chを必要とした理由」を

かいま視ることが出来るのは嬉しい。

もっとも、最近の僕は

オーバー・プロデュースを嫌っていて、今回のように

メンバーからサウンドギミックを強要されるなど

思いもよらぬ事だった。

まぁ、これもRAPの意気込みのなせるワザであろう。

エンジニアの吉田君には、ここで謝意を表しておこう。

アリガトウ。                   MOMOYO 



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「フツーの男とフツーの女が知り合うように

ぼくはRAPと出合ったーと言っていいだろう。

フツーの男と女は、どういうわけか今や

とんと見かけなくなった。

よって、ぼくらの出会いは大変な価値がある。

フツーの人が少ない。みんなどこか狂っているよ。

だからと言ってみえすいた

狂気じみた音楽表現をすればいいのではない。

子供ダマシのゲームは、

つまるところなんの役にもたたない結果をもたらすだけなのだ。

それでは我がRAPは!?

大丈夫!RAPはフツーなのだ。

なんら奇をてらうこともなく直線的な音楽を届けてくれる。

素敵なことは まだまだ、ぼくらの周りに沢山あるし

ちょっと考えたいことも沢山ある。

RAPはそういうものを さり気なく

聞き手に伝えようとしているのかも知れないと思う。

みんな夢に逃げないで素敵な夢をみてくださいね 

                   森脇美貴夫          



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これからは、また本当に歌うべきものを

持ったバンドがパワーを発揮してゆくことだろう。

その意味でRAPの前途はとても明るい!



表面的な感性に先走ることなく

今現在の自分の有り様を率直にステージに展開していく。

RAPはまだまだ、どんどん大きくなってゆくことだろう。



RAPをテレグラフから出せなかったのが

非常に心残りです。 

                      地引雄一  



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RAP-バンド名の由来

2006-10-24 19:35:51 | RAPの思い出
とある所でROUGEが語ったのは意外な由来だった。
RAPとは辞書の言葉の意味

(rap1
━━ n., v. (-pp-) こつんとたたく(こと[音]); 〔俗〕 非難(する); 叱る; 〔俗〕 告訴[処罰,逮捕](する); 〔俗〕 おしゃべり(する); )

・・・から転じた「井戸端会議」という意味だけでなく
「バンシー」という精霊の声から来ているという。


「怪物森羅万象」より

バンシー Banshee/Bean-Sidhe


◆ケルトの女妖精
バンシーはアイルランドやスコットランドなどにいる妖精です。
なぜか女性ばかりで構成され、男性は一人もいません。

◆泣き虫妖精
バンシーは女妖精という面の他に、死に臨んですすり泣く「泣き虫妖精」としての面があります。
地位の高い人間、名声のある人間が死にかけようとしているところに、どこからともなく顔色の悪い女性が集まります。彼女は家の周りをそぞろに歩き、そして大変大きな声で泣き喚きます。その声はこの世のものとは思えず、身の毛がよだつほど。空を飛んで空中から金切り声を出す者もいます。このようにひとしきり大騒ぎした後、対象が死ぬと彼女らは忽然と姿を消してしまいます。
このような姿から、しばしば彼女らは「死神(デス・ゴッド)」と同一視されました。しかし、積極的に生命を奪うわけではなく、死者の大切な何かを奪うわけではありませんので、その意味ではむしろ「死神」と言うよりは「死を告げる存在(デス・テラー)」に近いのではないかと思います。

◆バンシーと名誉
イギリスでもアイルランドでも、バンシーが登場することは大変な名誉です。「バンシーが出た!」という噂が流れるだけでその家屋の価値は一気に跳ね上がります。「バンシーが登場する」→「その家は名家と証明されたようなもの」という意味合いもあるのでしょうが、それ以上に幽霊やお化け好きな国民性が影響しているように思えます。「ミステリー・サークル」や「ネッシー」「心霊写真」と言ったものは、すべてこの国々が発祥です。
こうした面が影響しているのか、彼女らはしばしば「幸運の女神」としての役割も持ちます。だらしなく垂らした乳房に吸い付くことができれば、その人間はあらゆる望みを叶えることができます。また、バンシーだけでなく全ての妖精に言えることですが、人間と(いろんな意味で)交わることでその相手に霊感や才能を与えることもあります。

◆バンシーの外見
バンシーの外見は伝承によって違い、一定していません。若い女性の姿で出ることもあれば、まるっきり老女という場合もあります。顔を器用に隠しながら出るものもあれば、姿はなく声だけが周辺から聞こえてくるなんてパターンもあります。まあ、いろんなタイプがあるということなのでしょう。いずれにしても、目の周りは泣きはらしたように真っ赤で、ほほえみを見せることはほとんどありません。
ハイランド地方(スコットランド高地地方)のバンシーである「ベンニーア(ベンニー)」は人間に似た姿の持ち主ですが、よくよく見れば身体のどこかに「人間ではない」部分を持っています。例えば、鼻の穴が一つしかないとか、前歯がリスのように飛び出しているとか、指の間に水かきがあるとか・・・。このベンニーアは、一説によれば産褥(さんじょく)で死んだ女性の霊であると言われています。産褥とは産後に続く体調不良のことです。


◆「泣き女」とバンシー
泣くだけで危害を加えないなんて、まるで人間のようだ・・・と思った人もいるかも知れません。実は、その指摘は核心を衝いています。そもそも「死に臨んで泣く」という行動そのものが、人間の風習から来るものなのです。



このバンシーの解説を読むと
RAPというバンドの有り様が「なるほど」と頷ける。


RAPの魅力

2006-10-23 16:38:28 | RAPの思い出
先に書いたようにRAPというバンドの魅力は
何よりもその個性だと思う。
音的には、特筆する事は無いが
ROUGEの書く詩は文学的でありながら
決して抽象的ではなく、
語りかける口調ではなくとも心の奥深く沁みこんでいく。

思想や主張を押し付けられるでもなく
彼女の世界に誘われる。

その世界は何処か知らない異国へ迷い込んだようでもあり
また幼い頃の記憶のようでもあり
不思議な浮遊感に包まれた。

RAPの世界

2006-10-21 21:27:05 | RAPの思い出
RAPというバンドは、よくある女性ヴォーカルや
女の子バンドにありがちなラブソングは歌わなかった。
PUNKバンドらしい陳腐な反戦も唱えなかった。
彼女が歌うのは常に「悲しみ」
この世を憂いている御伽噺の世界。
なのに音はPOPでいて攻撃的だった。

美麗な外見とはうらはらな硬質な姿勢。
人当たり(耳障り)が良いようでいて、その切れ味は鋭い。
誰に媚びる事も無く内面へ内面へと向かう。
それはよくあるマスターベーション的なものではなく
その立場に遭遇した時に時には救いにもなるような・・・
ある意味、予言とか宗教的なものさえ感じてしまう事もある。

だからこそ「死を告げる存在(デス・テラー)」から由来する
バンド名を敢えて冠したのかも知れない。

RAP

2006-10-21 21:25:23 | RAPの思い出
80年代中旬、「RAP」という名前のバンドがあった。
いまでこそ「RAP」で検索するとジャンルのRAPばかりがHITするが
あの頃はRAPといえばギャルバンのRAPだった。
数あるGIRLS ROCKERの中でもRAPは光っていた。

レコードの売り上げやライブの動員数からいうと
大して売れていたバンドでは無かったように思う。
しかし存在感は、どんな大物でも敵わなかった。
どんなジャンルのバンドと対バンしようが
どんな箱で演奏しようが彼女達は輝いていた。

決して派手ではないステージング。
けれど僕は彼女達の一挙一動も見逃さないかのように
ステージから目を離す事は出来なかった。

ROUGE

2006-10-21 19:24:07 | RAPの思い出
RAPのメンバーの中でもROUGEは特別だった。
彼女は「歌姫」と呼ぶに相応しいヴォーカリストだった。
実は僕はRAP以前の彼女の歌を聴いた事がある。
多分、その頃彼女はローティーンだったかと思われる。
彼女は「コンテスト荒し」と呼ばれていた。
色々なバンドでコンテストに出場して入賞する。
その為に彼女はゲストに呼ばれる。
そういう実力の持ち主だった。

彼女は何故か、いつも黒いビニールの「ゴミ袋」を
ワンピースにしてステージに立っていた。
透き通るような高音でありながら線の太い声質。
何処でどんなバンドで歌っていても
それは変わらなかった。
だから彼女を忘れる事はなかった。