ねこぱんち

絵日記のようなもの。
本や映画、生活のこと、思うことなどを気ままに書き連ねています。

九月の四分の一

2006年03月08日 00時03分54秒 | 
表紙の渋い写真がキレイで手に取った本です。
イギリスのどんよりと曇った広い大きな道の写真。

大崎善生さんの『九月の四分の一』を読みました。
美しい名前のついた4つの短編集です。

1つめの「報われざるエリシオのために」が
個人的には一番好きです。
4つとも、それぞれ良い作品で、ハズレなしなんですがね。
なんとなく、一番切なかった気がしました。

私は、近々、箱根に行こうと思っているのですが、
箱根彫刻の森美術館」が出てくるお話です。
とても哲学的な内容で、思わず「旅行中に読みたかった!」
と思ってしまいました。
大人の恋のお話です。
ハッピーエンドに近からず遠からず、という絶妙な終わり方をしていて、
とても「しっくり」ときたんです。

2つめの「ケンジントンに捧げる花束」も素敵な話でした。
日本を捨ててイギリス人になった吉田宗八(ショーン・ブラックストック)が
晩年「将棋ファン」という雑誌に夢中になった話。
戦中のエピソードが素敵でした。
主人公の祐一は、彼によって10年間を肯定され、
人生の転機を迎えます。
動物園のキリンのエピソードも面白かったし、
冥王星のエピソードも格好良かった!
博学って、こういうことか・・・素敵☆

「悲しくて翼もなくて」は切ない恋の物語。
薄命の人って、とってもロマンチック。
「歌は変わらずに残る」という言葉、それは奇跡のようだと思いました。
ミュージシャンの人達は、それを信じて、苦しみながら
歌を作り続けているんでしょうね。
今のように流行とかスターが、流れていく時代には
それを実現するのは、ほんとうに雲を掴むような話しなんじゃないかな。
でも確実にそれをやってのける人間もいるわけで。
そういうのを才能と呼ぶのかもしれないな、と思いました。

表題作の「九月の四分の一」も美しい話でした。
しかも、プラトニック!
一度、こういう経験してみたい・・・。
フランスは文化の街というけれど、地下鉄の駅名も素敵なものが
多いようで、ますます旅をしてみたい国になりました。

大崎善生さん、どんな人なのか、写真を見てみたい。
この短編集は美しいですよー。



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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
箱根用 (まりえ)
2006-03-09 00:43:19
の本はすでに用意済みのわたくしです!!

あー、楽しみだね!!

箱根旧街道がいいらしいよ!!

上ったところに御茶屋さんがあったりするんだって!!
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Unknown (あいこ)
2006-03-10 00:42:08
ロマンスカーの良い時間がなくて、

3時間くらい空き時間があるんよー。

どうしようかと迷っていたけど、

まりーは下準備バッチリみたいね!

旧街道って行って見たい。

お茶屋さんでのんびりしていれば、

3時間なんかアッという間だね。

楽しみだわ・・・。

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え? (まりえ)
2006-03-12 00:42:58
何それ???

3時間の空きって何?

詳しい話をメールください!!



旧街道は箱根湯元らへんの話だから、

ロマンスカーに乗れなきゃ意味ないデス!
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ごめんごめん (あいこ)
2006-03-14 03:05:01
説明が悪かったね。

ロマンスカーで箱根に着いてから

チェックインまでの空き時間が3時間もあるの。

詳しくはメールします。
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