ねこぱんち

絵日記のようなもの。
本や映画、生活のこと、思うことなどを気ままに書き連ねています。

バレエダンサー

2006年03月10日 01時08分49秒 | 
こっそり読書指導者?を探していて、ネットで話題の本を探すつもりが、
人気作家の読書遍歴みたいなのを特集したページを見つけました。
「これはピッタリだ!」と喜び、好きな作家さんが読んできた本とか
衝撃を受けた本をメモり、図書館に探しにいったんです。

バレエダンサー』は、児童文学です。
バッテリー』を書いた、あさのあつこさんが
バッテリーを思いつく切欠として挙げた本でした。

作者はルーマ・ゴッテンさん。

児童向けなので言葉使いや表現は簡単になってますが、
結構深い内容で、純文学のようでした。

主人公のデューンは、天性の才能を持った少年なんですが、
両親や兄弟には、それが分からなくて、なかなかバレエに
協力してもらえないんです。
家族からのけ者にされて育っていくデューン。
母も父も、一人娘のクリスタルばかり大切にします。

第一巻のハリーポッターみたいな境遇・・・。

人間がガラリと態度を変えるところなんかを見ると、
とっても理不尽で、調子が良いんですよね。
「ああいう人達はハイエナと同じなんだよ」と教えた
ピアノ弾きのオジサンの言葉がずっと離れません。

人間の汚いところも見せつつ、美しいところも沢山ありました。
心ある人達はデューンの才能をすぐに見抜き、力になってくれます。
努力に努力を重ねた人だけが、見ることの出来る高み。
これを見た少年少女達は、現実と理想を同時に感じるんだろうと思います。

しかし、ラストが、あまり良くなかったんです。
なぜか悪者の役回りだったハズの、クリスタルが主人公みたいに
なってしまい、デューンは付足し程度の存在になってしまいます。
まぁ、姉弟ですから、ただの悪者にしたくなかったのかもしれません。

でも、どうせなら、ここまで人生の厳しさを見せたのだから、
姉と弟、子と両親でさえも、分かり合えない時がある。
姉や両親だからと言って、100%信頼できる人間とは限らない。
みたいな鮮烈なテーマで突っ走ってしまっても良かったのでは?


少年少女に、この事実は辛すぎるかしら?
主人公はデューンのままでいって欲しかったなぁ。

というわけで、最後が少し尻つぼみでしたが、
小さい頃から(今でも)バレリーナになりてぇ、と思っている
私には夢のような良い話でした!


最新の画像もっと見る