オキーフはウィスコンシン州の農家に生まれた。
父はアイルランド系、母はハンガリーからの移民。
7人兄弟の2番目の子供であり長女だった。
マディソンで高校時代をすごした後にシカゴ美術館附属美術大学で絵画を学ぶ。
更にニューヨークのアート・スチューデンツ・リーグ・オブ・ニューヨークに入学、ウィリアム・メリット・チェイスに師事した。
ニューヨーク滞在中に将来の夫となるアルフレッド・スティーグリッツに出会っている。
1908年にシカゴに戻りイラストレーターとして働いたが、1910年に病気が元で家族がいたヴァージニアに移る。
一時、絵画から離れていたが、ヴァージニア大学の夏期講座に出席し、アーサー・ウェスリ・ダウに
出会ったことがきっかけで再び描き始めるようになる。
1920年代からのアメリカの芸術史の中で重要な人物の一人に挙げられます。
当時は稀だった女性画家として広範囲に渡って認められたのは、彼女独自の作風と技術的な貢献と共に、
当時のアメリカの芸術的なスタイルの枠を挑戦的に押し広げた事です。
ニューヨークを拠点にしていた彼女は後に芸術的なインスピレーションをアメリカのニューメキシコ周辺で見つけました。
そして夫が他界した後の人生をサンタフェ近くのアキビューで送っています。
まるでいとも簡単に単純化された輪郭を通じて元々の姿形を全く別な印象に変換されて描き出されています。
そして彼女の使ったパレットの中の微妙な色彩は画面の中で移行を繰り返しながら微細なトーンで変化しています(パンフレットより抜粋)
ジョージ・アオキーフ美術館(世界で最大規模の女流画家ジョージア・オキーフのコレクションが有る美術館)
アメリカは全てかどうかは分かりませんが学生は次代を担う人材として教育に関しては優遇されて入館料無料です。
ガランとした中に入ると館内中央に置かれたソファーに腰掛け目を閉じて何かを感じている人。
又オキーフの作品を前にして、じっと見つめている目からは一筋の涙が・・・
オキーフが好んで描いたものは、花や岩、貝殻、動物の骨などと自然の風景です。
彼女はそれらの描いた対象物を、強力な抽象的イメージに変えました。
元々は具象的に見えるはずの対象物は、彼女の感性によって抽象的な概念として置き換えられ、
新しい姿で描かれています(パンフレットより抜粋)
ニューヨークと言う大都市で活躍していたオキーフが58歳にしてニューメキシコという砂漠の中で
自然の偉大さに触れ自然を自分の感性で描く事に目覚め、さぞ有意義に余生を過ごしたであろう。。。
暫く眺めているとひとつ、一つから自然の美しさや自然に生かされているエネルギーが湧きだしてくる。
オキーフの作品は見た人の心の状態に依って様々な印象を与えるのではないかと・・・
説明などいらない・・・
何がここまで突き動かしたのだろうか!!・・
様々な思いを感じて欲しい。そして是非とも一度訪ねて見ては如何でしょうか。
芸術や美術には才能など無い私ですが、動物の骸骨と朝顔!?
古い木製の椅子と骸骨!?説明が付かない感動に浸っていた。
Black Door with Snow,1955
My Last Door,1954 (私の最後の扉)
館内の壁一面に掛けられていた大きな一枚に触れた時
何を意味しているのか分からないながらも、大きなショックに見舞われた。
この扉の奥は始まりなのか、終わりなのか・・・
分からないままに見ていたが人生の素晴らしさ、悲しみ、苦しみ、喜びなど、
全てが甦り、この扉の向こうに、素晴らしい人生が待っているのか?
それとも苦しみの人生に向かうのかは自分次第なのでしょう。
たった一枚絵。
見るものに取っては簡単そうで単純な絵に見えるのに
オキーフからの多大なメッセージが画面いっぱいに感じた時
涙が止めどなく流れ心が洗われる様でした。
58歳で大都会のニューヨークを離れ砂漠の中のアキビューに移り住み
何かに突き動かされるように自然と同化し描き続けてきたオキーフ。
与えられた才能を充分に発揮して過ごした生涯。
オキーフは自分らしく幸せな余生をすごしたのでしょう。
98歳に生涯を閉じたオキーフの生き様が感じられる作品ばかりでした。
五十八歳にして 大自然に身をゆだね
我が道をつらぬいた オキーフの生涯に
我が人生の灯りを見い出す
(2002年9月 旅の終わりに立ち寄りしサンタフェにて・・・)
砂漠の中で感動し、癒され、恐怖をも味わいながら過ごした10日間。
機会が巡って来るのでしたら、是非もう一度ゆっくり行ってみたい!!
オキーフが余生を過ごしたアキビューにも行ってみたい。
そして可能であればオキーフの様に生きてみたい。
ロスからチャコキャニオンへ1か所を目指した旅が数か所になり、まるで巡礼の様に聖地を巡り多くの体験を通して
オキーフの作品に辿り着いたのは自分らしく生きる事の大切さを見つける為の旅だったのか。。。。
何とも不思議で素晴らしい旅でした。
砂漠の旅を終え後ろ髪を引かれる思いを残し
ロスへはノンストップで帰るのでガソリン満タン、
食料1日分、水を買い込みロスへ向けて出発。
どの位の時間がかかるのだろうか・・・・・
ロスに帰ると何やらサプライズが用意されてるらしい