もう皆さんご存知のことと思いますが、コメディアンで俳優でミュージシャンであった植木等さんが、昨日亡くなりました。享年80歳。
ニュースはあちこちに出ていますが、まずこちらから。
大好きでした。クレージーキャッツも植木さんも。
もちろん、「無責任」シリーズ映画でご活躍の頃とか、シャボン玉ホリデーとかをリアルタイムで知っている訳ではなくて、小林信彦氏の『日本の喜劇人』や山下勝利氏の『ハナ肇とクレージーキャッツ物語』を読んだり、1990年代初め頃のリバイバルブームに接したことで好きになったのですが。
明るく軽く華やかで、またその「笑い」に変な湿り気や下品さのない所も好きでしたし、ご本人はいたって真面目な人で、「スーダラ節」を歌ったり「無責任男」を演じたりすることに戸惑いがあった、というエピソードや、お父様の話など、その人間性にも好感と興味が持てました。
そのあたりの話題はこちらに出ています。
お酒は「呑まない」と言うより、体質的に「呑めない」人だったようで、TVで「クレージーキャッツ座談会」みたいな企画が放送される時、植木さんの前にはいつもジュースが置いてあるのが、何だかほほえましかったです。
クレージーキャッツのリーダーのハナ肇さんが、「何をやっても、自分たちが(ジャズ)ミュージシャンとして一流であることは忘れずにいよう」と語っていたというエピソードも好きでした。ハナさんが実際にラジオでそうおっしゃるのを聴いた記憶もあります。
また彼らの歌の作詞を幾つも手がけ、座付き作者的存在だった青島幸男氏が、やはりTVの座談会で、「(クレージーが成功したのは)僕が君たち一人ひとりの個性を理解し、愛していたからだよ」とおっしゃった後、みんながしんみりすると、「いやぁごめん。心にもないこと言っちゃって」と照れ笑いする姿にも、いかにも東京者らしいシャイネスが感じられました。
都知事としてはミソをつけた感のある青島氏ですが、クレージーキャッツのために作詞していた頃は、天才と呼ぶに値する人だったと思います。
私としては、「スーダラ節」より「ホンダラ行進曲」や「遺憾に存じます」「五万節」などが好きでしたが、「無責任一代男」の、もう本当に笑うしかない無責任ぶりも好きです。
それを歌う植木さんも勿論素晴らしかったです。
現在アマゾンにアフィリエイトできるようなCDがないのが残念。私が持っているのは、東芝EMIから1990年頃(?)「Big Artist best Collection」シリーズの一つとして出たベスト盤です。
今頃は、ハナさんや青島さんとジュースで乾杯などなさっているでしょうか。
たくさんの笑いと幸せをありがとうございました。
♪みーろよ 青い空 白い雲~
そーのうちなーんとか なぁるだろぉぉ~(だまって俺について来い)
ドリフが出る前は彼らがあの手のスターでしたから。でもクレイジー・キャッツの方がクールだったような気がしますが・・・・
いや、スーダラ節大好きでした。あの底抜けに楽しそうな様子は誰にも真似できませんでした。
謹んでご冥福をお祈りします。
子供の春休み中は何かとバタバタしていまして……
クレイジー・キャッツも全盛時には「下品」だとか言われていたようですが、今になって見たり聴いたりすると、全然下品とは思いませんし、おっしゃる通りいろいろな意味で「クール」ですね。
植木さんの声も、お年を召しても全く衰えていませんでしたが、それはつまり、ちゃんと節制して、ボイス・トレーニングも続けていたということですよね。
底抜けの明るさと、その裏の真面目さや、常に新しい自分を作って行こうとする姿勢も好きでした。
改めてご冥福をお祈りします。