南十字星からアジアQZSS(日)/IGSO(中・印)を眺める

グローカルイースト視点
アジアQZS/IGSO軌道モニタ
高橋冨士信 fj鷹@gmail.com

2020 3/09 武蔵どちらか?日韓PCR巌流島決戦 春分頃太陽合か南下する北斗四姉妹IGSO衛星群⇒次々の印NavIC東輪1D,西輪1Bゆっくりと南下開始

2020年03月09日 | アジアンQZSS(日)/IGSO(中印)軌道
本年と昨年の3/09のアニメGif比較については、以下の引用の昨年記事のアニメGIFと比較しながらご覧ください。
2019 03/09 劇的に舞い降りるはずの三羽の同期太陽合を追う QZS/IGSO軌道の2/3倍拡大アニメGIF
2019 03/09 BDSS三羽の飛翔体太陽合は、春分を挟んで、劇的にベストタイミングで舞い降りるようです。太陽の春分前後の赤緯北上速度は最大ですし、BDSSの南下角速度は赤道付......

2020 3/09 感染人体はアナログ検体の極致です。ウイルス検体の拭い作業自体は日韓ともに超アナログ作業の連続です。現状の日本PCR作業は20世紀型職人によるアナログ方式で陽性か陰性かを判定し、偽陽性発生を認めずに、慎重に時間を掛けて1ビットサンプリングによる決定方式を蹈襲しています。この方式はガウス統計ならば約32%の精度ロスになるでしょう。(当方ら共著のVLBIテキスト英語版(1998)から)

一方の韓国型PCR作業の判定は、偽陽性の発生確率分布を仮定してしまう多ビットサンプリングの結果を学習させるものです。21世紀的な効率化を図っているといえます。ビッグデータ・パンデミック時代にも職人的ガウス統計アナログ型を貫くのか、確率的なベイジアン統計で機械学習しながら精度ロスを改善してゆくかの勝負ともいえるでしょう。端的には医学における「白い巨塔」か「多彩なバザール」かの勝負といっても良いでしょう。

韓国側が科学的と主張している確率型陽性判定方式の弱点を、日本の職人型完璧主義なら論破できると、安倍総理が巌流島の大勝負としました。意外に早くこの勝負は決着しそうに思います。日韓のどちらが、いったい武蔵となるでしょうか。

新型コロナ禍は国内で更に拡大、国際的には百カ国を越える恐るべき前パンデミック状況に入りました。

春分前後には豪勢な同期太陽合を、南下する北斗四姉妹IGSO編隊(IGSO-1,IGSO-7,BD3-IGSO-2,IGSO-4)は生起すると予想します。印NavIC東輪1D,西輪1B衛星がゆっくりした南下を開始しています。やはりゆっくりと北上してきている日本QZS-4とともに、中印の日本列島南西方面の衛星編隊の太陽合へ向けての状況についてモニタリングをしてゆくこととなります。

大きく把握すると全般的な傾向として、南下する衛星群は北上する衛星群よりも傾きが大きいことが分かります。春分前のこの時期は、太陽赤緯の赤道へむけての北上速度が速い時期ですから、太陽赤緯北上を迎え撃つ形の南下衛星群は太陽との相対速度が大きく、太陽赤緯北上を追いかける方向の北上する衛星群の太陽との相対速度が小さくなることが分かります。

わが国のQZS-1(南下)とQZS-4(北上)がその典型的対象例といえるでしょう。その結果として、QZS-4の太陽合への接近速度は小さく、1月までは相当に遅れて南下していた北斗四姉妹衛星群の方が、北上するQZS-4の太陽合よりも早くなってしまうことになります。

こうしたことは計算機で軌道計算ソフトを回せばすぐに結果が出ることですが、幾何学的に直感的に理解するプロセスこそが重要であり応用が効くことと思います。例えば逆に秋分前後の時期には、この反対対称のことが起きることの直感的な理解が可能となります。幾何学的な直感的な理解の素材を提供してゆくことは、宇宙・天体軌道関係の若手人材の育成において大事なことであると思います。

BD-IGSO-1,BD-IGSO-7,BD-IGSO-4の3衛星の点列は近接しており並列同期太陽合を生起すると予測できます。またBD-IGSO-7,BD3-IGSO-2の2衛星は並行ですが、やや間隔が開いています。アニメGIFから分かるとおり、このペアが縦列線状太陽合を構成します。トータルには、この4衛星の太陽合は「Tの字型同期太陽合」となるでしょう。

この3月はBDSS四姉妹(IGSO-1,IGSO-7,BD3-IGSO-2,IGSO-4)衛星群と太陽との最接近角距離を追いかけることが重要ミッションとなります。上記引用の1年前のアニメGIFからわかりますように、この衛星群は昨年同時期と比べて増強されていることが分かります。

以下のQZS/IGSO軌道描画フォームにアニメGIFを記録します。
2020 3/09 QZS/IGSO軌道の2倍拡大アニメGIFを記録します。


2020 3/09 QZS/IGSO軌道の3倍拡大アニメGIFを記録します。


衛星の軌道6要素は、春分点や軌道仰角や昇降点引数など殆どが太陽中心座標系と密接しています。太陽合エベントは衛星軌道運動の特徴を把握できる優れたキーといえます。IGSO/QZSSの軌道運動位相差を太陽系慣性座標(前世紀用語で歴表時系)規模で捉える基準として、太陽合同期状態の分析が効果的といえるでしょう。

前年の同エポックと比較して同期差のズレの変化が、インドペアや中国三・四姉妹や日本QZSS各機において、どのようになるのかが興味深いところです。まずはしっかりとした2年目のデータを揃えることを目標とします。

インド・太平洋宇宙連携の中核となる大国インドの宇宙大国化動向などユーラシア上空のQZSS/IGSO軌道運動を、測位衛星と太陽との天体エベントに注目して頂くことができればと思います。


平成期の日本宇宙陣は欧米のMEO重視の壁を乗り越えて、先駆的RNSSとして脱MEOという大胆なQZS計画実現を頑張りぬきました。これが、アジアのGNSS情勢のMEOからの脱皮、端的にBDSS-IGEO/IGSOの充実を産み出しました。日本はQZSSを月面探査日印協力を基盤に軌道運動・測位へ活用展開を目指すべきでしょう。

中国側は日本QZSSの自立した踏ん張りを見守りながら、将来のIGSOエコシステム構築の展望を描いているでしょう。これがインドのIRNSS NavICや、ロシアが計画中のポストGlonassたる高々度亜QZSS型衛星軌道セグメントの実現にも大きな影響を与えるでしょう。
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