goo blog サービス終了のお知らせ 

ひょっこり猫が我が道を行く!

カオスなオリジナル小説が増殖中。
雪ウサギが活躍しつつある、ファンタジー色は濃い目。亀スピードで更新中です。

004 獅子ガウラとネズミのハンス

2010年02月28日 10時10分31秒 | 小説作業編集用カテゴリ
 
 狼獣人レイオンとの出会いから、理緒は池の前に居た。

 レイオンとの刺激的なやり取りの後、一気に緊張が解け腹の虫が鳴ったのである。
 本当は池の中の錦鯉らしき魚を捕まえて食べたかったのだが、もし捕まえて食している所を誰かに見られたら、猫の自分なんて虐待されて殺されるのがオチだと、なんとか理性で踏み止まる。

 そう思うと涙が出そうだった。

 虐待されて、殺されそうになるっていうシチュエーションを想像したからじゃ無い――お腹が減ったから、きっと体も心も弱ってるんだろう。そう自分を叱咤して、明日を生き抜く為に食べれそうな物を探す。すると何やら美味しそうな匂いを敏感な鼻はキャッチした。
 匂いにつられて、中庭から入り組んだ廊下を通りある一室まで来ると、料理人達が忙しそうに夕飯を作っていた。
 
「急げ、今日は覇者殿がご降臨された宴なんだ。気合い入れてけよっ!!」
「「「「「オウッッッ」」」」」

 掛け声と共に各自それぞれ調理に赴く。

「オイッ、火加減強すぎるぞ。もうちょっと弱くしろっ」
「微妙な火加減なんて無茶言わんで下さいよ。余熱で何とか。この調味料を混ぜて……この位かぁ?」

 仕上げにお玉で混ぜてから鍋をどかし、石で囲った燃え盛る火を銀の大きな蓋で覆いかぶせてパッと一瞬で消し上げる。

「焼鳥10人前出来上がりました!」
「そんなんじゃ全然足りねーぞ!後30人前だ!!マット、そろそろお前は魚の調理を始めてくれ。ダリオッ!!スープが薄いぞ!ダブルゴをもう少し追加だっ。残りの奴、野菜の上に炒めた肉を盛れっ!後50人前!!」
「ゴードンッ、市場から果物100人前届いたよっ!!」
「よし間に合ったな、全て皿に切り盛ってくれ!!」 
 
 所々からグオーーやら、オオオオと轟く声が響く。料理と言う名の戦闘パーティを組んで料理と激戦している様だ。ある意味、台所は戦場だと父から聞いた事があるがその言葉がピッタリと当てはまる。

 男たちの汗や激が飛ぶ狭き激戦地区――厨房。

 10人位が余裕で動ける広さの日当たりの良い研磨されたキッチンは、広い流しと複数の釜戸。コンロと呼べる物は形を揃え研磨した石を楕円形に並べ、その上に鍋物やフライパンを乗せて調理出来るように設計されていた。
 壁側、中央には四角いテーブルが並び、コックが着る様な白い戦闘服曰く、清潔な調理服が勇ましい。包丁で滑らかにリズムを刻みながら野菜を切り、強火で熱したフライパンの中の物が宙を舞う。果物が彩りよく、芸術的に盛られる様は圧巻そのもの。
 ここだけ物凄い温度差だ。華々しい王宮とは別の空間が出来上がってる。
 
 薬味が効いた柔らかいクリームスープの香り
 ジュワッと焼き上げ、肉汁が滴り落ちる栄養満点のステーキ
 ババロアらしきプティングの周りに所狭しと敷き詰めた大量のアプリコット
 その他テーブルには既に肉や野菜を挟んだサンドウィッチ、七面鳥に似た鳥の丸焼きや燻製が大量に皿に盛られていた。

 口から涎が出て、思わず「ニャアァ(美味しそう……)」と鳴いてしまう。
 その時、まな板の上で魚をさばこうとしている料理人と目が合った。

(し、しまった。怒られちゃう)
 
 思わず身を固くしてギュッと縮こまる。最悪怒鳴られて蹴られるのかと予想してしまった。

「お前、真っ白い猫だなぁ。そうだ、今から魚をさばくからお前にも分けてやるよ」 
「ニャ?(え?)」
「ちょっと隠れて待ってろ」

 言うと厨房とは別の一室へ案内してくれた。そこは彼らの休憩室で、10畳位の広さに、簡素な四人掛けの椅子とテーブル、ソファがある。其処で待つ様に言われ大人しくする事にした。

 ドアから出た料理人は素早く魚をさばき、お皿の上に数切れ盛るともう一つお皿を持って来た。白い液体が見える。
 男の人が膝を床に付け視線を合わせてきた。無表情なのに優しそうな雰囲気が伝わってくる。年は25いってる位だろうか? ライトブラウンの髪に柔らかな茶色の瞳は何だか安心する。

「さ、食べろ」
「ニャ、ニャアア?(い、いいの?)」
「刺身とミルクだ。毒なんて入ってねえよ。本当はキャットフードが良いんだろうけど、今在庫を切らしていてな。お前これ食べれるか?」
「ニャア!(うん!)」
「おっ、いい食いっぷり。よっぽど腹が減ってたんだな」

 ガツガツ刺身を食べる。異世界でも魚は美味しかった。サーモン風味で脂が乗ってるがしつこく無く、後口爽やかなのは新鮮だからだろうか。

(嗚呼、これ美味しい)

 ミルクを舌で舐めるが、お世辞にもまだ慣れてなくて、床にいっぱい溢してしまった。
 先日まで人間だったのに、猫になって皿を舐める日が来ようとは。自己嫌悪していると、白い布で優しく口元を拭ってくれた。
 さりげない心遣いが胸に沁みる。自分の元居た世界での、優しい兄二人を思い出した。
 
「さ、もう行きな。ここは料理長がうるさくてな。ほら、あの太っちょの。お前に飯やったことがバレると叱られるんだ。けど、ここの料理人は皆優しいから、他の奴等ならお前に食べさせてくれるさ。腹減ったらまた来い」
「ウニャア(ありがとう、ごちそうさまでした!)」
「じゃあな。おっと、池の鯉を食べるんじゃねーそ」

 あの鯉、料理長ゴードンの飼ってるペットなんだよと、優しく撫でられる。
 鯉の事を諦めて、感謝を示すために料理人さん(さっきマットって呼ばれてたな)に顔をすり寄せて、手をペロペロ舐めた。
 大きな手が喉を撫でてくれて、『ゴロゴロ』と勝手に喉から音が出た。驚きつつも尻尾を振って、そっと裏口から抜けさせて貰う。
 人間にも良い人がいるもんだなと、感慨に耽った所で眠くなってきた。
 腹が満たされると眠くなるのは猫でも通用するみたいだ。
 あの日当たりの良さそうな屋根に登って日向ぼっこしたいと思ったのだが登れる所が無い。跳び乗って行くにはまだ屋根は無理そうだ。木にはなんとか登れたので、塀にジャンプしてポテポテ歩く。

 塀から下を眺めているとある一室に、私の世界で言うたて髪のあるライオンにそっくりな獣が居た。周りは檻に囲まれて出れないようにされてる。
 私の世界ではアフリカ大陸の王者。
 過酷な砂漠で、生きる為に弱者を捕食する勇猛な獅子。檻があるし大丈夫だろうと思って好奇心から近づいて行った。 
 
 その部屋へは窓が開いてたのでそこからピョンと窓の脇へジャンプ。猫になって分かった事がある。体がとてつもなく軽くなり、高い所へ跳べるようになった。さっき屋根から跳び降りた時、地面にぶつかる前に前宙返りをして降りれた。つまり体が柔らかい上にしなやかになった事。人間だった時に比べて身体能力が上がったのでは? と推測する。
  
 檻の中にいる獅子は藁に寝そべるようにして眠っている。
 檻にはカギが掛かっていた。初めての獣サンとの会話に緊張しながらそっと話し掛ける。

「ニャア(こんにちは)」
「ガル?(誰だ?)」
「ニャ、ニャアッ(私、理緒って言います。あの、貴方はライオンさんですか?)」
「グルル(ライオン? 俺の名前はガウラだ)」
 
 聞くとライオンという呼び名の獣はこの世界には居ないらしい。
“カイナ”という高い知能を持つ獣だという。自分の耳にスラスラ入る日本語に、不思議に思いながら訊いてみた。

「ニャ?(どうしてこんな所に閉じ込められてるんですか?)」
「グルルル(足を怪我してる所を狙われて捕まったんだ。足の怪我は治して貰ったんだがここから出して貰えない。今では良い見世物だ)」

 そう言って辛そうに眼を伏せた。
 ホントなら王者らしく振る舞える獅子が、こんな狭い檻に閉じ込められて人間の欲を満たす為に見世物になるのは耐えられる筈がない。なんとか助け出せないかと思案を巡らせたが、今の私はただの猫。何も出来ないと悟った時、自分が情けなくなった。

「ガルルル(リオは俺が怖くないのか?)」

 檻越しとはいえ、今までこんな近くで喋りに来る猫は私が初めてらしい。不思議そうな顔で、全身を見つめられた。

「ニャアアア(怖くないと言えば嘘になります。だって貴方も肉食獣だから)」

 小さいなりして、猫である自分だって肉食獣なのだ。野良ネコは、鳥やネズミだって食べる事がある。私は勿論無理だけど。
 ただガウラ程の強者に敵わないだけで・・・
 彼は私を殺そうと思えば殺せることも理解してる。私は今まで人間だったから、この獅子と喋れる事を知り、情が移ったのかもしれない。逃げるよりも先に、興味が勝った瞬間だった。

 そして考える。なんて曖昧で勝手な生き物なんだろう、人間って。人間の気持ち一つで生き物が殺されたり生かされたり。獅子でさえ食べる為にしか捕食しないのに。猫になって動物の気持ちが解りつつある事に、自分への苛立ちが募った。

(触れてみたい……)  

 決心して、自ら檻に近付いて入れるかどうか試みた。顔とお尻で途中引っかかったものの、どうにか通ることが出来た。ビクビクしながら、それでも果敢に近づいてくる私に驚いたのか、ガウラは目を丸くさせてこちらに視線を合わす。

「ニャアアッ!(ガウラ、猫は食べても美味しくないよ!)」
「グルル(そうか?お前はとても美味しそうだが? でもリオは襲わない)」
 
 ガウラは襲わないと誓う。保障など何処にも無いのだが。 
 恐る恐る近づき、伏せている体にそろりと白い体を寄せてみた。獅子の体が少し身じろぎする。尻尾を一振りして擽ったそうだ。

「グルルル(リオは変わっているな。誰も俺みたいな肉食獣には近寄ってこないのに)」 
「ニャア、ニャア(言葉が解るから近づいてみたくなったんだ。でも人間の時だったら絶対無理だったかも)」
 
 人間? とガウラが不思議そうに訊ねてきたので今までの事を話した。
 私が今まで居た、こことは別の世界の事。夢で見た女の人の事・・・琥珀色の瞳が面白そうに丸くなったりして、私は人間だと主張する話を、ガウラは口をはさまずに静かに聞いてくれた。

 お互いの話を夢中で話している時に、今度こそ瞼が閉じてきた。どうやら就寝の時間らしい。いつもより寝るのが早いのは、体も心も限界に達し、きっと今日一日色々な事があったせいだ。

(ほんのちょっとだけ……)

 ガウラに体を寄せて、そのまま眠ってしまった。


〜〜ガウラ視点〜〜

 眠りに落ちた白い猫を見て溜息を零す。
 安心しきった顔で「ニャァ(白身フライだぁ)」と寝言を呟いている様だ。寝惚けて自分の白い手を魚と思い、甘噛みしてヨダレだらけにするその動作に微笑ましく頬が緩む。

 はて、白い猫はこの世界に居ただろうか?

 リオの無防備な姿を視界に留めながら過去の記憶を辿ると、一度だけ目にした事があった事を思い出す。そう、確かあれは――
 過去の事を逡巡していると廊下から響いてくる規則的な足音に掻き消され、自らの神経が研ぎるのを感じた。
 ここにリオが居るのは不味いのではないか? 白い猫は悪いようにはされないと思うが、と不安がよぎる。
 何か掛けるものをと、理緒を起こさないようにして動き毛布を口に銜え全身に掛けてやる。その矢先、部屋のドアが開き、牢のカギを開ける音が響いた。


〜〜理緒視点〜〜

「〜〜!〜〜〜!!」
 
 額にペチペチと音が聞こえる。
 瞼を開けると目の前に、人間で言うと拳より少し大きめの灰色ネズミが小さい手で額を叩いていた。
 特にネズミが苦手では無いのだが、それでもゴキブリに比べればマシなだけだ。当然驚いて毛を逆立て警戒した。

「フ、フゥゥ!!!(げ、ネズミ!!!)」
「チュ、チュゥゥ!!(げ、とは何だよ。ていうか、オイラを襲うなよ!!食べても美味しくないぞっ!)」
「ニャアアッ(襲わないし食べないよっ!!)」
 
 このやり取り、獣や動物の間では主流になりそうだとゲンナリする。
 弱肉強食の世界に自らも巻き込まれているのだから笑い話で済まされない。
 そりゃ、食べる物に困った時は小動物を襲わないなんて自信なんて無い。ただ、幾ら生命の危機に瀕していても生きたままは絶対嫌だ。人間だったプライドに掛けて、これだけは譲れない。
 
 売り言葉に買い言葉で襲わないと誓ったものの、どうにもチョロッとしたしっぽに目が移り、ウズウズして本能で追いかけたくなる。玩具を見つけた時の興奮と似ている。こんな時に猫がネズミを襲う気持ちが解りショックを受けた。

「チュウチュウ!」(大変だ。猫の嬢ちゃん。ガウラのおっさんが連れ去られたぞ!)
「ニャ、ニャア??」(え、ガウラが?っていうか、貴方は誰?)
「チュウッ」(オイラはネズミのハンスっていうんだ。結構この王宮に詳しいんだぞ)
 
 とにかく話は走りながらだ!とハンスが主張するので鍵の開いた檻からこの部屋を出る。
 盛大な催しの為か、通路には誰も通っていなく、明かりの灯ったランプだけが寒々しく点かれていた。華々しい雰囲気の王宮だけに、もの静かな通路を見て寒く感じてしまった。

 ハンスが言うには、王宮に招かれた商人が覇者の出現を祝うために催しを始めるらしい。
 ただ単に場を盛り上げるための演出、それをガウラにやらせるとお喋り好きな鳥たちから情報を聞き出す。だがその後が肝心だった。それが終われば用済みで、ガウラの命が無いらしい――と。
 居ても立ってもいられなくて、ハンスはこの状況を救いだせる存在――覇者であるリオに救いを求めた。 

「ニャアア(覇者じゃないと思うけど。わかった、やってみるよ)」
「チュウウ(頼むよ。ガウラのおっさんは獅子の中では王的存在なんだ。おっさんが居ないと仲間の獅子達が魔物を引き連れて、王宮に攻め込んで来る可能性がある)」
 
 獅子共が魔物を引き連れてくるとなるとこの首都がどうなるか。ネズミのハンスは自分よりも小さな体は震えていた。
 私はというと、猫パンチしながら気合いを入れる。

(無事に助けられれば良いな……)

 心優しい獅子の友を救うために――


平凡青年 料理人 マット
獅子“カイナ”  ガウラ
ネズミ      ハンス

前に戻る  白呪記目次ページに戻る 005へ

003 狼獣人レイオンとの出会い

2010年02月28日 09時51分36秒 | 小説作業編集用カテゴリ
 
 二人の騎士から逃れた後、気味の悪い部屋を出て廊下らしい所をポテポテ、慣れない手と足を使って歩いてるんだけど。私に気づいた老人が涙を流しながら、膝を床に付け両手を合わせて拝んで来た。

「??!!」
「白い猫様じゃ、なんと神々しい。もういつ死んでも良いわい」
「ウニャァ……(死んだらダメでしょ、長生きしなよ)」

 ツッコミたかったんだけど騒がれても嫌なので素早く移動して老人から隠れる。老人はあたふたして「猫様!?何処へ行ったんじゃ?」と騒いでいるが放っとく事にした。
 猫は居ないのか、それとも白い猫がこの世界じゃ縁起物だろうか? ライさんも白い猫に拷問は出来ないって言ってたし。背筋が寒くなってきたので考える事を止めた。とりあえずその考えを保留にして自分が今いる場所を理解しなくてはと、少しの間悩む事にした。

 四足でトコトコ歩くと正門より外れた内側の場所で、ヨーロッパにありそうなドーンとそびえ立つ白いお城を見上げた。この城、マンション10階建よりも更にある・・・お城を守るように建てられた壁も白一色。中の広い庭は芝生で整えられ中央には噴水が設置されてる。
 
(立派で豪華と言う言葉に尽きる。日本の皇居よりも凄くデカイんじゃない?)

 人から隠れるように、次は内部を観察。細部にこだわった造りの白い柱に白い天井はシンプルだが、ピカピカに磨かれた一面の真っ白い床の綺麗な事といったら!

 コレクターが喉から手が出そうになる麒麟に似た動物のオブジェらしき巨像
 箱舟らしきモニュメント
 何百万しそうな黄金の壺
 高価そうな照明器具に、螺旋を思わせる壁に沿った手すり付きの広い階段
 真っ赤な絨毯に白色の蓮の花の絵や丸い魔法陣? を模した刺繍も素晴らしい。新品さを醸し出すその風景に全てが現実味を失くす。場違いな世界に来たような錯覚に頭がクラクラして、滑って転んでしまった。
 中庭に繋がっている通路で旺盛に伸びている、草や植物に隠れるようにして通る人を観察する。
 身分のありそうな女の人は奇麗なふわふわのドレスを身に纏っていた。歩く時裾を踏んずけないだろうか。
 騎士らしい男の人は甲冑着て剣を腰に携えて見回りをしている。この辺は物騒なのだろうか。そんなの持って街をウロウロしてると、日本では銃刀法違反で逮捕される。
 さっきの怪しい部屋での出来事を思い出すと彼らは“異世界”と言っていた。
 不思議な手品といい、剣にお城といい、それに自分のこの姿。心の何処かで願ってたんだろうな。“日本であります様に”って。 

 項垂れながら庭にある広い池を見た。池の中には赤・白、黄・白と色が混ざったまだら模様の錦鯉らしき魚が数匹、優雅に泳いでいる。一瞬美味しそうだと口から涎が出たが、口を引き結んで自分の顔を見てみた。
 目に映るのは自分の顔じゃなく猫だ。瞳の色は金色。可愛らしい猫の姿。
 自分の白い毛むくじゃらの手を見て予想はしてたがやはり真っ白い毛をしている。自分で褒めるのもなんだが、ショートヘアの長さでとても毛並みが良い。頭を撫でてあげたいと思ったくらいだ……あくまで自分が猫でなく、ここが異世界でなければだけど。
  
 首元を眺めていると一つの花が目に入る。
 この花を彼らはピリマウムと言った。花はバラに似ている。茎の根元をリボンでくくりつけられて、自分にとてもぴったりと似合っていた。所詮は切り花、いずれ枯れると思っていたが瑞々しい輝きは何時も失われない。女神の加護があると言ってたのでほんの少しだけ納得した。
 鼻を擽る匂いに一瞬何かを思い出そうとしたが、目の前に突然大きな物体が現れた。

「ニャ?!(ヒィ!)」
「異世界の覇者とは汝のことか?」
「ニャ、ニャア!?(と、突然現れて何この……ひと?)」
「覇者殿の気を感じ取って挨拶がてら見に来てみたのだ」

 一人で喋ってる男の人? は、人間じゃ無かった。人間と狼を足したような感じで、顔は狼。紺色の襟の大きく開いた紺色の上下の服にマントを付けていて、胸からは狼特有の毛がふさふさと覗いて2本足で立っている。長い槍を背に携えていて、狼の獣人は膝を付き目線を私に合わせてきた。目つきは鋭く月色の瞳が私を観察している様にも見えた。

「そういえば覇者殿」
「ニャッ?」 
「守護獣はどうした?」
「ニャ?(守護獣?)」
「守護獣無くしてファインシャートは救えまい。まさか猫だから守護獣はいらぬとか申さぬよな?」
「ニャ、ニャア(もう、知らないよぉ)」
「守護獣は居た方がいいぞ。覇者が従属にした獣は普段の何倍もの力を引き出せるし、主を命をかけて守護するのだ」
「ニャア(この嘆きを猫の神様に)」
「だが獣は簡単には屈せぬだろう。精々頑張ることだ」
「ニャ(ハァ)」
「我の名はレイオン・リディカン。我を従属にしたくば我を打ち負かせ。いつでも相手になろう」

 ムキムキの筋肉狼に勝てる訳ない。何して勝負するんだよ。猫の手じゃジャンケンも満足に出来っこないのに!

「覇者殿の名は?」
「ニャア(理緒)」
「リオか。良い名だ」
「!」

 自分の言葉がレイオンに伝わった事に驚いて、つい後ずさってしまった。
 一体ここは、どうなってるんだろう。

「我々獣人は獣の言葉が分かる。獣達から話を聞いてみると良い。宮殿に居る獣達は気性は穏やかだ。攻撃せぬ限りは害は無いだろう……が」

 膝を床に付き、狼特有の顔を近づけて来た。鼻を近づけられ、クンクンと匂いを嗅がれる。
「この甘い匂いに刺激されて押し倒されぬようにな」
「!!」
「メスの甘い香りがする。覇者殿は猫だが、この匂いには獣や我々獣人でもくすぐられる。獣の本能には抗えない奴もいる、気を付けろ」

 勘違いして慌ててピリマウムを外そうとした。けど私の、猫の手では外れない。
 もたもたしてる時にレイオンは私の口元をペロリと舐めてきた。真正面から私を見据える瞳は、獲物を狩る時の瞳に似てる――?

「ニャ、ニャ、ニャ(な、な、な、何ィ??)」
「元々の覇者殿の体臭だ。子を産む適齢期に達しているのだろう。自身で気づいていないだろうが自然と醸し出している。獣人や獣は人間とは違い嗅覚が数百倍あるからな」
「!!!(もしかしてフェロモンの事??)」

 顔が真っ赤になる。
 そんなの出してない! と反論しようとした所、突然レイオンが押しかかって来た。
 バチバチッッと雷にも似た白い魔法陣が私の前に現れる。レイオンも最初は驚いて、すぐに推察しだした。

「エリシュマイルの加護か……やはりその花は本物。主の危機に察して瞬時に守護の魔法陣を張ったようだ」

 狼独特の自分の指からプスプスと煙が出た状態を、レイオンは何とも無さげに眺めている。手から煙が出て、焦げ付く匂いまでするのに。

「それに、その花の香りは一種の魔除けともなる。その花は外さない方が良い。自分の身を守れなくなるからな」 

 焦げ付いた自身の手をペロリと舐め、こちらをねめつける。空気の温度が若干下がっているのは気のせい?
 獣の本能が逃げろと警告してくる。ここから、レイオンの前から逃げたい。
 心臓が激しく踊り出す。弱者が強者に出会い、敵わないと悟る時と似ている?

「ニャゥ……」

 後ろ右足を後ろに動かしたとき――本能で危機を察知して体中の毛を逆立てた。
 精一杯威嚇したのだが、素早い動きでしっぽを掴まれて急に力が抜ける。
 魔法陣が激しく音を立ててレイオンとの間を阻むが、反応を予測していたのか、レイオンは咄嗟に避けてた。

「変わり映えのない。やはり防戦一方の魔法陣だな」 
「ウゥゥーー」

 やられてから魔法陣が出現するって遅くない? しかもレイオン避けてるし。
 役に立たない魔法陣に、弱点である己の尻尾。初っ端から不満で不安の二重奏に苦しんだ。

「主以外には外せぬから安心しろ……と言っても猫の手では外せぬか」

 ポンと頭に手を置かれて静かに理緒から離れた。理緒はいきなりの事で呆然としている。

「女神の加護に頼り切ったままでは守護獣は得られない。全てに強くなる事だ。リオ――」

 そう言って高く跳躍をし、屋根の上に跳んでから風の様に去っていった。

「ニャアァァ」(猫のままでどうやって強くなれってのよ)

 へたり込んだまま、レイオンの馬鹿ーーっと猫語で叫びながら猫の手を空に掲げる。天気の良い、眩しい程のお陽さまが少し憎らしかった。


――その頃のプロテカの神殿――

 首都ディッセント国から北に数キロ離れた、海に面した場所にある水色の建物の神殿。
 神殿を囲むように流水が流れ、その上にはレンガの橋を設置している。
 出入口に設置された、排水口から勢い良く下へ流れる滝が、悪しき魔物や人物を選別しその役割を果たす。
 潮風にさらされた建物や建築物は劣朽が激しい。だが不思議な力の恩恵で幾多の時代を耐え抜いた建物は、欠ける事無く今でも立派に大地にそびえ建つ。
 この地にしか咲かない、国花とされている蓮に似た白い花が申し訳ない程度に神殿の周りでひっそりと咲き、今の時代を写し取った様相が窺える。
 奥へ進むと、海から汲み上げた水が止め処なく溢れ、広く深く縁取られた層によって水が溢れだすのを食い止める。それぞれ四方に貫通された排水溝によって、それが一旦壁の中を上昇すると外に繋がる窪んだ場所から清涼水として流れ出す。
 透き通った川となってディッセント国の貯水池まで流れ出るのだ。云わば建物自体が浄水装置の役割を果たしていると言っても過言では無い。国の要ともいえる。

 大切な役割を指し示すかの如く、中央にそびえ立つ神聖な祭壇に祀られているのは、偉大なる海の神ティアレストの彫像。海の生物に止まらず、海産物や魚介類・海の天候や嵐も司どり管理する神。
 性格は穏やかだが海を汚す者、不正を働く者には制裁を加えるいう二つの面も併せ持つ。水の精霊の使役する眷属とも称され、彫像で誇示されていた。体を埋め尽くす水色の鱗、手には生命を司る丸い玉を持つその姿は竜神によく似て口の辺りに二本の長い髭が生えている。 
 喧騒とは無縁と思わせるその神殿で、聖なる職に就いている巫女・神官共に大騒ぎしていた。それは今まさにファインシャートを唯一救える覇者が、30年ぶりにこの世界に来た事を察知したからである。
 ここ数年雨が少ない割には、台風並みの嵐が来たりと作物が十分育たなかったりして世間では悩みの種となっていたのだ。
 しかも昨今は、全ての民が豊かに飲める程の雨が降らない。雨が降らない時の方が多いので、ティアレストの力の恩恵で海の水を飲料水に変えて貰っていた。

 いつも通り、神殿で従事していた巫女達は信じられない思いで空を見上げる。
 なんと雨が降っていないのに空に美しい虹が出ていたのだ。雲の合間からは太陽が差し込め黄金色に染まる神秘的な景色に、神官・巫女ともに心を掴んだのである。
 稲穂が健やかに育ち、神殿の周りの蕾だった白い蓮の花が一斉に我先にと咲き誇り、甘い芳香が香り立つ。
 大木に実った果物は更に大きく膨れ、陽光に照らされ瑞々しい輝きを放つ。
 窓から海を眺めれば魚たちが元気に跳ね飛ぶ。
 涼しい春風が流れ、精霊と女神の祝福が乾いた大地に降り注いだ。
 30年前の覇者の時は数多の流れ星が流れ、凶作を防いだ記憶がある。大いなる恩恵に、今度の覇者も女神のお気に入りと人々は解釈する。巫女と神官達は女神と精霊に感謝の祈りを捧げ、王都にこの事象を急いで伝えに行った――

 神殿から来た使者から空に掛った事象の事を詳しく聞いた王、ハシュバットは妃と共に王宮から空を見上げた。空には見事な美しい虹が掛っている。その場に居る誰もがこの事象を大いに喜んでいた。ただ、誰もが気付かずにいた。新たな覇者の存在を確認出来ていない事に。

「まだ見つからんのか!」

 最初に気付いたのは召喚の間で、気絶した姫を医務室へ運んでいる、自らの甥のイールヴァとライウッドを見つけた宰相エヴァディスだった。神殿から使いが来た事を知って自らも足を運んだのである。表情を険しくして二人から事情を聞いた時は、顔を青くして騎士や兵士たちに命令して覇者の可能性のある白い猫を捜せと命じたのである。
 前王が就任していた頃からの切れ者で、エヴァディスは二人が騎士になる前の子供時代を知っている。つまりイールヴァでさえエヴァディスを苦手としていた。
 
「ところで何故異世界の覇者殿は突然逃げ出した?」 
「そ、それは」
「姫は気絶、覇者殿は行方不明、何か弁明があれば聞くが?」

 玉座に座るハシュバット王は苛立ち紛れに指をトントン叩く。姫が気絶したと言った時点で王の威圧感が増し、その場の空気が重くなる。普段の穏やかな王からは想像が付かない。

「「申し訳ありません」」
「姫に何かあったらお前達二人を風魔法で切り刻んでる所だ」

 玉座に座る国王の言葉に答える事ができない近衛騎士の二人からは、曖昧な答えが返ってくるばかりでどうにも的を得ない。それもそうだ。猫と相対してる時に、拷問の話をして睨んだり、挙句の果てに猫にデコピンを放つ始末。猫に恐れを抱かせるには充分過ぎる。怖くて逃げだすのも無理は無い。
 白い猫はこの世界では神の使いとして表され、しかも希少種なので誰もが難色を示した。しかも穢れ無き色、全ての色を統括する純白の色を持つ獣は今この世界にはいない。位で言えば王族と同等かそれ以上。捕まえて愛玩動物にする等、神に冒涜するのと同じだからである。

 姫に関しては猫を覇者かどうか確認せずに気絶したのだ。近衛騎士が付いていようが召喚の間まで連れて来たのは如何なものかと、何か遭ってからでは遅いと。
 ライウッドは王に答えようとするが苦い顔でイールヴァに止められた。
 あの猫が本当に覇者か証明されないと、言うのはまずいという事だ。ピリマウムを持っていようが持っていまいが、女神の加護を得ていようが猫なのだ。何かの間違いじゃないのかと勘ぐっている。
 ぬか喜びさせてもし猫が覇者でなければ皆の期待を反することになる。そうすれば猫共々、首を切られるかもしれない。いや、白い猫は神の使いと称されるから切られるのは自分達だけか――思わず猫より下かと憤る。
 ライウッドは溜息をこぼしながら、目を伏せて歯噛みしている銀髪の親友と一緒に自身も猫の捜索に加わった。しかし必死の捜索も空しく、結局白い猫を見つけられないまま夜を迎える事になる。




 補足:首都ディッセント王国
    首都の北にある海に面した神殿 プロテカ
    狼獣人 レイオン・リディカン
    王様  ハシュバット・イリオス・ディッセント
    宰相  エヴァディス・オルセウス

前に戻る  白呪記目次ページに戻る 004へ

002 猫で始まる物語

2010年02月27日 09時15分14秒 | 小説作業編集用カテゴリ
 
 何だか随分と長い夢を見ていた気がする。今までのは夢だったのか? 
 不思議な女の人や、夢うつつの時に聴こえた複数の声は? 
 考えても答えなんか出ない。落ち着かなきゃ。ところでここはどこだろう?

 暗いが一つの窓がある。そこから陽の光が微かに降り注いでいた。
 部屋の中が見えないこともないので目を凝らしてみる。
 色取り取りの怪しい薬が入っているビンやら、様々な形の頭骸骨が棚の所に整頓されている。
 剥製にされている猿やら鳥やら見た事が無い動物に、カエルに似た生物の内臓開き、リアルである人間の人体模型。何かの実験室を彷彿とさせる暗い部屋に背筋が凍る。
 目線を下げると、茶色い石畳の上に魔法陣らしき白い文字が描かれている。何だろう? と魔法陣の円を辿っていると、自分が円の内側に入っているのだ。
 突然不安になった。
 もしかして、自分は何かの宗教に巻き込まれたのでは? それでこんな怪しい部屋に閉じ込められてたりして。身代金を要求されても大層なお金なんか家には無い。そんなの御免だ。
 とにかくここから逃げなくては……咄嗟に目に飛び込んだのは、隅に錆びついたドアだった。そう思って触ろうとしたんだけど……

(ひ、捻れん! しかも届かないっ)

 おかしい。ドアノブに手が付けられない。自分はこんなに背は低くなかったのに。
 息切れしながらジャンプをしようかと迷った時フと気が付く。バッと勢いよく自分の手を見て驚愕してしまった。

「ミ、ミ、ミギャアーーーー???!!!(は、は、はあーーーー???!!!)」 
 
 自分の手がニャンコの手だ。触り心地の良さげな肉球付きで。

「ニャ、ニャアア!!」

 な、何だコレ。新手のイタズラか。っていうか笑いの域を超えちゃってるよ。誰が笑うんだよ。笑った奴はコロス。
 悶々と一人ツッコミしながら物騒な事を考え始めた。笑えない冗談に涙が零れそうになった時、ドアの外から複数の人の声が聞こえた。身構えると、体中の毛も逆立った。

「この召喚の間に覇者様が来たというのは真ですか?」 
「ええ、プロテカの巫女が覇者の気を感知しました。間違い無いようです」
「そうですか。では、覇者様を迎え入れなくては―――」

 ギィィィ

 錆びついたドアが開かれて、三人の人間が入ってきた。
 一人は襟元がタートルネック風で、肩がふんわりと膨らみクリーム色のワンピースを着ている。シンプルだが腰に細いピンクのリボンを巻付けて、奥ゆかしさと、可愛らしさ両方を引き立てている。
 鷲色の髪をして、頭の上に小さい団子を作って残った毛を下ろしている。瞳は翡翠の色? が、外国人?? 小顔な上に大きな宝石の様な瞳。お人形さんみたいだ。
 
「姫、お下がり下さい。ライ、頼む」




 女の子を守るように鞘から剣を抜いて出て来たのは銀髪の男の人?
 着ているのは、服と言うより鎧って言えばしっくりくる。タートルネックの上に、鳥の絵を模した銀色の鎧を身に纏ってる。

(ブッ! な、な、剣から雷が出てるっ!!)
 バチバチッと放電して、西洋の剣版、スタンガンか何か?!

「地を照らし出せ、アースホール!」

 後から部屋の中に入って言葉を放った人は、簡素な革の鎧を着た金髪の男の人。何かを呟くと手から光が溢れ、部屋の中全体がさらに明るくなった。

「どこにも居ないけど……ん?」

 げっ、金髪の人と目が合った。ちょっ、ちょっと、こっち見ないでよ。私は関係無いよ?

「どうしたライウッド、覇者殿はいたか?」 
「多分違うと思うんだけど、いや、可能性が無くはないか」 
「お前、さっきから何を訳の分からない事を」

 手にしたスタンガンみたいな剣を鞘に戻し入れ、金髪の男の人がこっちに近づいて来た。
 私は空気です。置物です。猫です。ダメ?

「猫が居ました」
「まあっ」
「なっ、何処から入った。ここは厳重にしてあるはずだぞ」

 手の平の上にある光を頭上近く上げると金髪の男の人、ライウッドさんに抱き上げられた。よしよしとあやされ、大人しくされるがままになる。

「ニャ、ニャウ」
「……」

 空色の瞳と目が合い、何かを見定められてるみたいだ。逸らす事も出来ずどうしたもんかとジーッと上から下まで見つめられ、私の首元で視線を止めた。

「これは「ライウッド、そんな猫より覇者殿を探せ」 イールヴァ、この花を見てくれ」

 イールヴァという銀髪の騎士が私に近づいてくると、ライウッドさんは私の首をもぞもぞ触ってきた。
 ライウッドさんは一瞬目を細めて笑ってくれたが、すぐに顔を引き締めていた。

「こ、これは!女神にしか咲かせない奇跡の花ピリマウムか? 本物? 何故こんな猫が貴重な花を持ってるんだ?」 
「ニャ(知らないよ)」

 顔をプイッと逸らすと銀髪の男の人にジロッと睨まれた。
 何だか悪い事をしたみたいで居心地悪い。ていうか、この世界では女神さまが普通に存在するのか? さっきの言い方はいかにもなんだけど。
 いきなりの責め口調にショボンとするとライさん(省略しちゃった)は私の頭を軽く撫でてくれた。落ち込んだ事が分かったんだろうか?

「イールヴァ、猫に当たってもしょうがないだろう。問題はこの猫が覇者殿かどうかじゃないのかい? 僕としてはこの猫で間違いないと思うよ。それに猫が身につけてるピリマウムは本物で、この花にはありとあらゆる守護の魔法がかけられてるから……」

 ライさんは私の体を優しくさする。

「火であぶろうが鞭で打とうが、その力で弾かれると言うことか」
 
 銀髪の騎士が腕を組みフンと鼻で息をする。
 呆れたような顔をするライさんが私に視線を移した。

「イル、白い猫に拷問は出来ない。それにこの猫は女神エリシュマイルの加護を得ている。30年ぶりに来た、異世界の覇者殿だ――」
「こいつが??」

“異世界”  “女神”  “エリシュマイル”
「ニャア?(え)」

 最後の“エリシュマイル”の単語は、さっき女の人が名乗った名前? うそ……あの人はホントに女神さまだったの??
 信じられない気持とは裏腹に、火あぶりに鞭打ちという拷問の話を思い出した。とりあえず沢山の疑問を置いといて、いい加減離せ! と、喋れないのでウウゥゥ……と唸ってみる。私の反抗的な態度を目にした銀髪の騎士は(イルさんでいいや)鼻でフンとあしらい、額にデコピンかましやがった。
 
 ピンッ

「フギャッ(イデェッ!)」
「何睨んでんだ、猫のくせに」
「ブッ! イル、頼むから猫に当たらないでくれ」

 ライさんは笑いながら私のおでこを優しく撫でてくれた。
 クッ、私が何したってのよ。暴力反対!
 そう罵っていると、彼らの後ろに居たお譲さま風の女の子が倒れた音がした。この状況についていけなかったみたいで気絶しちゃったのかな。倒れたいのはこっちなんだけどな。
 ……しょうがないか。期待されてやって来たのは偉人でも鉄人でもない、唯の猫だもんね。 
 お母さん、お父さん、お兄ちゃんズ、私、猫になっちゃったよ――

 二人の注意がお姫様に向いてる時に、私は暗い部屋を飛び出した。



金髪の騎士:ライウッド・カーナリウム
銀髪の騎士:イールヴァ・ホンバーツ

前に戻る  白呪記目次ページに戻る 003へ

001 エリシュマイルとの出会い

2010年02月26日 14時43分13秒 | 小説作業編集用カテゴリ

 晴れた空も、横を通り過ぎる人や車も、私にとっての普通の日常は変わらない筈だと思ってた――

 会社へ行く父と、大学へ行く陽兄と別れて私と太一兄は同じ学校である栖鳳(セイホウ)高校へ向かった。待ち合わせ場所のバス停で奈美ちゃんと合流して、普段と変わらない会話をたわいなくする。
 橋ノ蔵奈美ちゃんは、心と書いて心友。以心伝心がたまに伝わる貴重な人なのだ。同じ幼稚園、小・中・高校と同じ地区の学校に共に通っているいわゆる幼馴染。腰まであるストレートの髪が艶やかに風で靡き、歩く姿は芍薬の花。座る姿は牡丹と着物が似合う大和撫子。主に和菓子を作っている老舗の由緒あるお店の一人娘で、将来は女将さん!! 美人な上に頭が良い我らのマドンナ、私の誇れる友達なのだ。

「もうすぐ学園祭ですわね。理緒は何かしてみたい事とかありますの?」
「私は男子が女装してくれれば何でも良いんだけど……メイド喫茶か演劇かな? 笹井に田山や木城君なんかが女装してくれれば面白いと思うんだけど、女子はケーキ作ったり裏方で良いんじゃない?」
「フフ、考える事は皆一緒ですわね。我らクラス女子一同の意見はもう纏まったも同然。嗚呼、楽しみですこと」

 クスクスと愉快気に持っている扇子を広げて、口元を隠す心友の奈美ちゃん。広げた扇子から上品な和のかほりがする……くんくん。 

「プハッ! そうだ、女装した皆の写真を撮ったら皆欲しがるよ。ねぇ、奈美ちゃん?」
「そうですわね。我がクラスのイケメン三人衆は他の女子からも人気がありますし、売ればかなりの額が期待できますわ」
 Dカップ奈美ちゃんに抱きしめられながら「ねっ?太一兄!」と伺ってみる。
「確かになってオイ、何で愉快気にこっちに話を振るんだ! 俺は欲しくなんて無いぞ」
「(最初は頷いた癖に、チッ!!)太一兄も陽兄もお父さんも、基は良いんだから女装したら絶対イケてると思うんだけどな」
「銀座で敵無しのキャバクラが出来ますわね」

 言いながら三人で我が家の男性陣が女装した姿を想像する。 
 なんともゴージャスな女性に早変わり、巻き毛にシリコンを胸にセットしたセレブ風女性の父と、かつらを被った兄二人による超絶人気ナンバー1のインテリホステスにギャル風ホステス。店のトップ3の彼らに懸かれば必ず長蛇の列が出来ると、奈美ちゃんに熱弁された。

「~~理緒っ! 橋ノ蔵! お前らの思考回路はどうなってんだよ! そっ、そんな事陽兄や父さんに言ってみろ、もの凄い見返りを要求してくるぞ……」
「わっ、太一兄ぃ! 髪の毛がまたグシャグシャだよぉ!!」
 太一兄が、顔を茹でダコの様に真っ赤にして食って掛かって来た。からかい甲斐のある反応だ。ついおちょくってしまう。これを我らが長男の陽兄には出来ないから、尚更ヒートアップしちゃうんだ。
 女装状態の腹黒父と、冷やかな双眸をさらした兄の事を考える。二人からの要求を考えて陽兄と揃って身震いした。
 三人でああだこうだと論議しつつ、思考云々で太一兄には言われたくないと憤慨しながら学校に着き、それぞれのクラスへ歩いていった。

 今日も一日の授業が終わり、空が茜色に染まりつつある時――

「奈美ちゃん、私今日図書委員なんだ。だから先に帰ってて」
「わかりましたわ。本当は一緒に残る所なんですけど御免なさいね理緒、今日は家に従兄とその子供たちが来ますの。いいですわね? 寄り道しないで真っ直ぐ帰りますのよ。私から太一さんに連絡致しますから」

 奈美ちゃんの家に従兄の蓮見さんが遊びに来るみたい。結婚して今は3児のパパ。
 三人の子供たちも遊びに来るみたいだから顔が見たいんだって。友達だけど、どこかお姉さんみたいに頼れる心友の奈美ちゃんが私は好きだった。

「ありがと。じゃあ奈美ちゃん、また明日ね!!」

 手を振って別れると、自分の鞄を持って図書室に向かう。
 自分のクラスを出て廊下を歩いていると、後ろから誰かが声を掛けて向かって来た。身長は170センチ近くある笹井明人、私のクラスのイケメン三人衆の内の一人。笹井は私の数少ない男友達だ。
 男女共にクラスの人気者で、リーダー役もこなせる凄く頼れる奴。一年で既に副会長だ。彼は縁の下の力持ちという立場の方が気楽で良いという。裏方に廻るタイプなんだと。うむ、謙遜してるのかも。

「大泉はまだ帰らないのか?」
「うん、私は図書委員だからね。今日は当番だし遅くなるんだ」
「なぁ、俺も図書室へ行くんだけど、一緒に行かないか?」
「へ?う、うん。じゃ、じゃあ一緒に行こう」
 笹井の顔が赤くなりながら(風邪かな?)、二人並んで廊下を歩く。

 ――18時00分――

 辺りはすっかり夕闇に染まっていた。
 今の季節は10月で日中の気温はまだ暖かいのだが、太陽が隠れてる今となっては肌寒い。
 静かな図書室で勉学に勤しむ生徒が大勢いたが、閉館時刻のため生徒も帰路に着き閑散としている。本の遅延者のリスト作成や新刊の手続き等、やっとキリの付く所で終わる事が出来た。図書室の戸締りをして、私達二人はすっかり薄暗くなった廊下を歩いて下駄箱に着く。

「ふぁあ、やっと帰れる」 
「お疲れさん」
「あの、それで話ってなに?」

 質問すると隣に居る彼は顔を赤くしながら横を向く。笹井は話があると言って、図書委員の仕事が終わるまで待っていたとのこと。だったら話を聞かなければと、改めて彼と向かい合う。

「大泉、オレ、お前のことが」
「ん?」
「好きなんだ。だから付き合ってほしい」
「私の事が好きって、ぇええっ! ちょっ、ちょっと笹井、本気なの? じょ、冗談で言ってるんじゃないよね? マジなの?!」
「マジだ! 本気だ! 俺は好きな奴に嘘なんか付かない!」

 笹井の語る言葉が本当かどうか、ジッと見つめた。スゥ、ハァと深く呼吸をして彼も私を見つめ返す。

「部活でランニングしてて俺がすっ転んだ時、膝から血を流してたらお前が血相抱えてやってきて手当してくれたろ? それから意識しだして。そ、それにお前がお弁当の中にオレの好きなもんがあるとたまにくれたりさ。
お前が何やっても可愛く見えるわ、意識するわで、気づいたら頭の中がお前一色……うおっ!! 何言ってんだオレ?」

 彼は真っ赤な顔を片手で押えながら悶えている。つられて私も恥ずかしくなってきた。

「……」
「このまま想いを伝えない、とも思ったけど出来なかった。だってお前はクラスでも人気あるし、ほっとくと誰かに盗られると思って」

 ん? クラスで人気があるのは笹井の方なんじゃ、と眉を顰める。 
 ――が、思わず息を呑んでしまった。笹井の真剣な瞳で見つめられる。
 真実味のある話だとやっと理解した時、顔から火が出そうなほど熱くなった。

「笹井、私は……」

 心臓が高く鳴る。告白なんて、自分には縁遠いものと自覚していたから。

「お前、俺のことダチとしか見てないんじゃないかって思ってたんだ。俺のことを意識して欲しいんだ。その時でも良い。返事を、聞かせてくれないか。どんな言葉も受け取る」
「笹井」
「頼む! 俺にチャンスをくれっ」 
「わ、分かったから。頭上げてよ!!」
「……サンキュ」

 下げた頭を勢い良く上げられ 笹井は嬉しげに顔をほころばせていた。テストで満点を取った時も、こんな顔をしてただろうか。友達だと思ってた彼の、意外な一面を知った時だった。

「それでさぁ……中学の時だった頃の数学の先生ときたら、ちょっと居眠りしてただけで宿題を増やすんだよ。その時、一緒になって悪ふざけしてた男子も巻き添えにしちゃって。宿題追加するんだよ、ひどいよねぇ」 
「ぷっ、大泉が寝てたのか。今とあんまり変わらないよな」
「むっ、なによぅー!」

 薄暗い夕暮れの中だったと思う。
 二人で校門を出ようとそれぞれが足を一歩踏み出した時。遠くでカラスの鳴く声が聴こえ、一斉に羽ばたく音が闇夜に響き渡った。

「な、なんか不気味だよな。まだ鳴き止まないのかよ」
「怖い感じ。早く帰ろう……あっ?」

 足元が一瞬崩れて姿勢を崩した。私の立っている場所だけが激しく振動している。
 体が激しく揺れる中、笹井を見ると彼はポカンとした表情で平然と地に立ってこちらを見ていた。

「きゃ、きゃあぁぁっ!」
「ど、どうして大泉の立ってる場所だけ揺れてるんだ。嘘だろう?」

 一部分だけの地震を起こしている有り得ない状態に、私達は混乱するだけで――

「なっ、」
「大泉っ!!」

 アスファルトのひび割れた地面が私を取り囲むと一斉に崩れ始めた。

「ヒャァッ」 
(――落ちるっ!!)
「~~っ掴まれっ!!」

 笹井が慌てて私に手を伸ばすが、届いたはずの私の右手は透けて握れなかった。
 お互い目を限界まで見開き、凝視した。
 最後に聞こえた声は、取り残された笹井が私を焦った様に呼ぶ声。崩れたアスファルトはその痕跡さえも残さず、ぴたりと元通りに修復された。そう、彼の姿が完全に見えなくなったのだ。

 ***
 
 ふわふわする浮遊感に、全てを委ねたくなる――気づくと体が浮いていた。
 ここは何処だろう? 私は確か笹井と一緒に居たはずなのだが。
 寸前の出来事を思い出す。自らの手が透けて笹井の手を掴めなかったのだ。

「ウッ、ヒック……」

 世界から切り離された感覚に、胸や喉がキュッと痛い。
 
 私の体、どうしちゃったの?
 どうしてこんな事になった?
 家族は? 友達は?
 もう、二度と逢えない?

 この世の終わりでも来たんじゃないかと、そりゃもういっそう落ち込んだ。その時からだろうか。少しづつ深い深い青色をした空間に陽光が差し込まれてきたんだ。何かに例えるなら、海の中に居るみたいだと言える。神秘的な空間に目が奪われ、ここに私がいる事が場違いなんじゃないだろうか? そう不安に感じていると……
 
 リオ…… 

「?」

 優しい声がする方に耳を傾けてみると、白い服を着た女の人が宙に浮かびながら微笑んでいた。
 澄んだ青碧を思わせる瞳にふっくらとした瑞々しい赤い唇。うっとりする様な甘い香りは鼻をくすぐる。
 髪の毛は見事な金髪のブロンドで腰まであり、体からまばゆく光が出ている。浮世離れした様な雰囲気に、神話に出てくる様な格好だと憶測してしまった。

「あの、」

 問いかけた時、首に何かをかけられた。
 見るとピンク色した花のモチーフに紐を通したもの。花からはとても良い香りがして、ふんわりと私を包み込む感じがする。

「あれ?」

 指で拭っても、こみあげる涙が止まらないから。
 女の人を見つめたら抱きしめられた。ポンポンと背中をあやされ頭を優しく撫でられる。
 流れる涙を拭い、頬にキスまでしてくれた。すると、あんなに止まらなかった涙は嘘のように引っ込んだ。

(……この感じは前に感じた事がある?)

 不意に青い瞳と目が合いニッコリ微笑まれる。
 奇妙な安心感と思い出せないもどかしさに、胸がじくりとざわついた。

「あの、貴女の名前は?」

 この人の名前が知りたい。

「私の名前は大泉 理緒っていいます」 

 この人の声が聴きたい!

「リオ、私の名前はエリシュマイル。貴女の誕生を待ちわびていました」
「誕生? よく分からないんだけど、え、えりしゅマってな、長い名前だねっ」

 覚えられなくて妙な発音になってしまう。もう一度聞こうと女の人の顔を窺うと――

「プリズムボウルを浄化するために、貴女の力を貸してほしいの」
「プリズム? それは何の事なの?」

 女の人は一瞬儚げな顔をした後、私の髪を優しく撫でてくれた。

「ファインシャートの世界が少しづつ、確実に壊れ始めてる。私の力だけでは止められない。貴女の力でないと」
「まっ待って。き、聞こえないよ」

 女の人の姿がぼやけてきた。声も殆ど聞こえない。気付くと白い世界に包まれ、完全に何も見えなくなった。

「世界が貴女を待っている。信じて。貴女の力と、私達からの不変の愛を――」
 
 
 彼女のための祈りの歌を捧げるべく、新たな覇者の誕生に祝福を……


 理緒の親友 橋ノ蔵 奈美
 理緒の事が好きな副生徒会長 笹井 明人

前に戻る  白呪記目次ページに戻る 002へ



白呪記 プロローグ

2010年02月26日 13時38分08秒 | 小説作業編集用カテゴリ
 
 大幅修正中。 



【 白呪記 ―プロローグ― 】
 
 アナタが寂しさに震えている時、私はそっと寄り添うよ。

 アナタが泣いてる時、私が背中を擦ってあげる。

 アナタが苦しくて身動き取れない時、私がイバラの道を切り拓く。

 約束するね。
 
 だから、もしこの約束を私が忘れてたら、アナタが思い出させてほしいんだ。

 
「理緒、起きなさいっ!」

 ベシッッ

「ムギャッ」
「今日はイマイチねぇ・・・」

 乱暴でありながら、頭上へと打ち振られる華麗なる母の一撃で不満げに目を覚ます。
 シュッシュッと、手を素振りする音が無常に聴こえる。嗚呼、今日も母の百合奈は私の頭のはたき具合を見て、自分のコンディションを確かめていらっしゃるようだ。

「おはよう」 
「おはようございマウス」

 上半身を布団から起こし、ペコリとお辞儀した。意外と礼儀に煩い人なので、もちろん母限定なのだが。
 以前寝ぼけてお母さんに「オッハー」と略したら軽く頭をはたかれた。脳細胞が減って馬鹿になったらどうしてくれるのだろうか。 

「よろしい。さ、早く着替えて降りて来なさいね」
「はーい」

 魔王なみの力を持った母が部屋を出るのを確認すると、学校指定の制服に着替える。赤色のリボンを襟元で括り付け、階段を降りるとテーブルに父、母、兄、弟が勢揃いしていた。

「おはよぅぅ」
「おはよう。早く座ってご飯食べなさい」
「おい理緒、お前髪に寝癖がついてるぞ。そのまま学校行くのか。斬新なスタイルだな。新しい流行を築くのか」
「何言ってんだよ。陽兄、理緒は髪がドレッドだろうがパンチだろうが可愛いだろ? けどそれで男を誘うんじゃねーぞ。お前の事を狙う狼がいつ美味しく……アダダダッ、御免なさいスミマセンお父様。理緒が可愛いいのでつい」
「当たり前だ、僕の娘だからね」
「太一は一言多過ぎる」 

 陽兄がポソリと呟いた。

「……」

 上から私、たまに腹黒の父親恒星で、ずれた長兄陽介、無言で席を立つ父に問答無用と耳を引っ張られて、その痛さに顔を歪めている勘違い二男太一。
 大黒柱の父は容姿端麗、才色兼備を備えたマイナス要素は一切無しのパーフェクト人間。パリッとしたシャツにダークグレーのスーツが大人の色気を醸し出す。艶やかな黒髪と爽やかさで、マダムキラーと我が家では囁いている。
 元・モデルの麗しい母、百合奈は昔と変わらぬ美貌で人々を(特に近所のおじさん達を)魅了中。家族を持つようになり、一時はモデルを休業したがたまに頼まれ仕事に赴く。
 長男陽介は父に似て艶やかな黒髪に知性を備えた黒い双眸。体格の良さも相まって非常に目立つ。高校の時に剣道を嗜んでからか、スポーツ関連でのスカウトがあちこちから来て、結局地元の大学に特体生で首席入学。
 二男太一は母似で黒髪に少し茶色が混じってて柔らかな雰囲気を纏っている。女の子受けする甘いマスクと、高い身長を生かして現在売れっ子モデル中。
 それに比べて兄妹で末っ子の、唯一女である私の身長は158センチの平凡で髪は父似で黒色。顔も頭の中身もこれまた平凡。親から受け継ぎ、皆に自慢出来るのは肩にかかる艶の良い黒髪だけ。

(……髪だけは皆に褒められるんだよなぁ。コレしか無いってか??)

 こいつらに付き合ってると(特に2人の兄貴!)シスコンじゃないかってくらいウザいのだ。ドレッドやパンチパーマが似合うわけ無いでしょっていう意味合いを含めて、太一兄の太ももを抓ってやった。

「イタダキマース」 
「ゆっくり噛んで食べるんだよ」
「あーい……」

 先に食べていた兄二人は朝食を済まし、まだご飯を食べている私の頭をぐりぐり撫で洗面所へ。
 お父さんは私の頬についてるご飯粒を取ってくれて、冷蔵庫から冷やしたプリンをニコニコしながら私に差し出してくれたんだ。お父さん、グッジョブ!
 お約束のさくらんぼを飾り、プリンの周りには大好きな生クリームを添えてくれてある。ちなみにこれ、マイファーザーお手製のプリン。お父さんはお菓子作るのが好きなんだって。たまにコンテストに出て優勝する程の腕の持ち主。お母さんの料理も美味しいけど、お父さんは更に上を行く。よくこんな顔良し、器量良しと結婚出来たもんだ。何かお父さんの弱みでも握ってるんじゃ?
 疑いの眼差しを母に向けると母曰く、「私の魅力は全てを凌ぐのよ」と、耳元で小さく囁かれた。母よ、私の心を読みましたか……?


「「「「行ってきまーす!!」」」」

 玄関で手を振る母にそう言い、学校指定の革のカバンを持ち玄関を出てそれぞれ歩き出す。今の時期だと夏の終わりを迎える位に差し掛かってるんだろうか。猛暑といえるピークを無事に終え、ようやく葉っぱが黄色に色づいたきた。紅葉狩りに栗拾い、それに食欲の秋到来だ! とすぐに気分が浮上する。
 特に食に関しては積極的に行きたい。
 サンマ♪ サンマ♪ サンマが美味いと頭の中でリズムを取る。サンマは秋が旬だから、安くて一番美味しいのだ。サンマさんには悪いが私の胃袋の中で成仏して欲しい。南無南無……

「ねえ陽兄、今週の日曜日に水族館連れてって。イルカ見たい」

 サンマ→魚と連想して水族館と行き着いた。因みにイルカを食するために見つめた事は断じて一度も無い。あんなキュート過ぎる哺乳類を食べるなんて私の良心が疼くってもんだ。

「ああ、良いぞ。一緒に行こう」

 女の人が一瞬でうっとりする様な、父譲りの微笑みを浮かべ返事を返してくれる。普段、無表情の陽兄が微笑む事はまずない。私に見せてくれる笑顔は妹であるが故の特権だ。

「ずりーぞ!陽兄ィ、先月も理緒と二人で遊びに行っただろっ」
「太一はテストで赤点取って追試だったろ?」
「ぐっ! それは……でも俺も行きた「理緒、パパがマンボウのヌイグルミを買ってあげよう」
「あ、ありがとう、お父さん(お父さん、まともだと思ってたけど、結構腹黒じゃ・・・?)」 

 太一兄の言葉を容赦無く遮り、さり気無くを装い参戦。柔らかな表情で言われた。お父さんのこの笑顔があれば、道端の女の人はイチコロでしょうな。結局、家族皆で出かける事にした。

(お父さんも陽兄も太一兄も、私の事を大事にしくてくれる・・・)
 
 その気持ちが嬉しくて、優しい父と陽兄の大きな手を照れながら力強く繋いだ。


ジャンル:異世界ほのぼのファンタジー
主:大泉 理緒
母:百合奈 父:恒星 長兄:陽介 二男:太一


白呪記目次ページに戻る  001へ



これからのこと

2010年02月25日 18時51分59秒 | 日記



  ラクト、文章の粗さに気付く

自分で書いてた小説が書けなくなってから、一か月チョイ経ちました。

話のプロットをきちんと組み立てられていない事と、先の話しが作れないのもあってか、長い事白呪記を放置してしまいました。
これではイカンと、もう一度話を読み直そうにも、目が文章を追って行ってくれない。
その事にヤサグれ、私はブログへと一時の間、避難していました。

小説を読み直しては、ブログへと逃げる。

悔しいけど、逃げてたのも確かです。
だから、『小説家になろう』さんの投稿サイトから撤退して、ひょっこり猫のブログで細々と続けて行こうかとも考えてました。

パソコン・携帯ユーザー、どちらも読書・執筆する方が多数居られます。
利用しやすいサイトさんだから、私の拙い小説にも、かなりの人数の方が読んで下さってたのだと思います。

もっと自分の書いた小説に自信を持てるような話を作りたい、
しっかりした文章を書きたい。
他の人に見せても恥ずかしくないような話にしたい。

願望だけが膨らむばかりでした。
そして久々に、他の人が書かれた小説を読み、自分も楽しんでいた事に気付いたのです。

――ああ、やっぱり面白い。

なろうさんでのユーザー名、ラクトは漢字の楽都。
白呪記の小説を考えてる、物書き楽都。
このもう一人の楽都が、沸々と表に出てきました。

『続きが読みたい』
『もっと頑張れ』
『この後どうするの』

自分を突き動かすモノは、一重に“完結”の事だけ。
完結出来なくとも、とりあえずの目標は二部を終わらす事。
それが出来なくとも、文章を上達させる為に小説に焦点を当てなくては、また逃げの道を選ぶとも悟ってしまいました。 

ブログを選んで、細々として行くのも良いかもしれない。
自分なりのペースで、白呪記を更新していけばいいじゃないか――
そうは思っても、今まで応援してくれる人が居るんだ。だから今年いっぱい様子見て、私の小説に対する気構えが治らなかった場合、なろうさんから撤退する事に決めたのです。
この私の葛藤は、なろうさんの活動報告にはまだ載せてません。
ひょっこり猫でのラクトではなく、楽都からの叫びとして書かせて頂きました。



****

ブログも楽しかったのです。
ラクガキ、本当に楽しかったし、何よりあゆさんとのやり取りが一番面白かったし、大好きでした。

でも、これからはブログの更新をおろそかにしてしまうかもしれません。
毎日楽しみに描いてたラクガキ、週に何回描けるかなー? ぐらいになると思いますです。
もしかしたら、ポソリと呟く程度とか・・・。(突っ走ると、周りが見えなくなるのです。B型のサガでしょう・・・(汗))
それでもあゆさんのブログへは、度々遊びに行く! と考えてます。(コメを残せるかは、チと微妙ですが・・・あああぁぁ
(後、ブログを覗くとしたら、自分のランキングポチをしに、ひょっこり猫に顔を覗かせるくらい?)

と、こんなカンジになってしまいました
ひょっこり猫は、とりあえずこのまま置いときます。。
また、私の心境が変化したら、ここにポソポソ書いていきます!!
以上、ラクトと楽都でした。。








ひょっこり猫で夢の三ケツ

2010年02月25日 08時43分01秒 | 日記

【あゆさんと玲君、ラクトの三ケツ】

ひょっこり猫で夢の三ケツを勢いで描いちゃいました。
 
相変わらずデッサン力も乏しく、色塗りも??で、ヤレヤレみたいな感じの出来です。。
影の付け方もイマイチで、光は右から掛かってるのに、どうして影が右に出来るのと言った奇天烈な仕上がりになってしまいました (おかしいのなんの、ああぁぁぁ
 
ただ、コレを見て楽しい雰囲気が伝われば良いな・・・と、念力込めてレッツララクガキしてたんです。玲君とあゆさんが描けただけでも良かったと、安心しましたです。
全身にチャレンジするぞー! とも意気込んでたんですけと、やっぱりラクトには無理だった。。 (力尽きたです)

自転車もママチャリを描きたかったけど、無謀でした
ラクトの力では、ママチャリ描けないよ! (ママチャリ~~!)

もっとラクガキすんぞ!
てな事で、今日のひょっこり猫はここまで~~。。
あゆさん、今日も頑張ってね~~






お返しラクガキ

2010年02月24日 11時24分04秒 | 日記

挑戦中のラクト
あああ
あああ


【 あゆさん、ひょっこり猫に降臨 】

 あゆさん、雪ウサギのラクガキ、ありがとうございました。
 お返しラクガキでございまする・・・
 ラクトも・・・描いて見たです。。また練習して、描いて行きますよ~~。

 今日の所はここまでで~~・・・。。。。

 あーー、早く春にならないかにゃぁ・・・今よりかちょっとは動きやすくなると思うんです。。

 ゴーロゴーロ・・・






彼女と私・・・その後

2010年02月23日 19時21分37秒 | 日記


皆さん、おコンニチハ・・・今日は少し、友達との進展があったのでその事をば・・・

友達からのたび重なる携帯からの呼び出しに、ラクトは遂にぼっ壊れました。
無意味な彼女からの一方的な暇つぶし――。なんとか止めさせたくて、正直にメールで書きつづってやったのです。

『あなたの電話に出るのがツライ。
 あなたの愚痴を聴くのはしんどいよ。
 ツライのはあなただけじゃない。
 
 電話の回数を減らして。

 電話も良いけど、メールにして。

 電話で長く話すのが嫌い。だから、強制もしないで欲しい』

(※メールから一部抜粋しました※)――――――


 彼女は、どっちかと言えば電話で一方的に話す方ばかり。
 用件なるモノは無いので、私から切り出さないと電話は終わりを告げないだろう。
 私が彼女に電話を掛けていた時もあり、コレのせいでラクト家の電話料金が高くなってお父さんとお母さんに怒られた事もある。

 私が何を言っても、今の彼女には届かないのだ。
 メールなら削除されない限り、彼女が持つ携帯の履歴にいつまでも残るだろう。

 そんな意味も込めて、自分たちがやり取りした沢山の言葉の意味を噛み締めて欲しかった――
 彼女と私の、二人にとっても必要な事だと、ぼっ壊れたラクトは冷静になって気付いたのです。

 愚痴と励ましを延々とやり続ける、気の遠くなる様な無駄な時間を私はもう繰り返さないと、あの日の、ひょっこり猫のブログでも誓いました。
 みじんこの勇気を奮い立たせ、正直に書いた後の、彼女の反応は・・・
 

 なんとなくですが、分かってくれたようです。
 メールでのやり取りに切り替えてくれました。
 その後何回か愚痴メールは続き、電話したそうに聴いて来たので、私の方から電話を掛けました。

 いつもの愚痴電話ですが、私の心が晴れ晴れとしています。
 これで遠慮無しに、電話に出ない事をためらわなくなったのですから。


“用事がある時はメールで送ってもらう。”

 メールを打つのが苦手な彼女ですが、自分の言いたい事が何なのか、自分でも省みる事が出来るでしょう。
  本当に出たくない時は出ないし、電話を終了したい時は、もうハッキリと告げる事にしたのです。
 うだうだ愚痴電話から、解放された一日でした。







心配してくれたあゆさん、どうもありがとうです。ラクトは逞しく成長しました。

彼女に対して正直に告げた行動が、功を成したようです。
正直な気持ちを伝える大切さを学びました。

これからも、能天気ラクトはひょっこり猫で生息し続けます。。(多分・・・)


ハマったラクト

2010年02月22日 12時25分00秒 | 日記


ひょっこり猫を見てくれてる人も見てない人もおコンニチハッ。ブログ管理人のラクトでっす
 月曜日の今日、再び地元のスーパーへと卵奪取に赴き、勝利しました。
 9時の開店前に行ったら、見事に店の入り口前に車を止める事が出来て、余裕のある買い物ライフを堪能する事も出来ましたよ
(余談・・・200個の97円卵は、30分で売り切れました)

 家に帰り、戦利品を冷蔵庫に保存。
 余った時間は、パソに向かってブログってます。

 その時、後ろから忍び寄る白い猫のリオが匂いに釣られてやって来ました・・・

**** 
 
 バ~リ、バ~~リ
 
「・・・クンクン。この香ばしい匂いは・・・」

 バ~リ、ボ~~リ

ラクト、何一人だけポテチを食べてんの!」

「ほえあっ!  ・・・見~た~な~~」

「見たなじゃないよ。うう~~、私にもチョウダイッ・・・て、もう無いじゃん!」

「もう食べちゃった。ゴチソウサマ・・・ゲフゥ~~

「ラクトの食いしん坊めっ」

「いや~~、最近カルビーのピザポテトにハマっちゃって・・・食べたら止まらないんだよ。お腹がいっぱいでも、指がポテチの袋をあさってるんだよ!」

「うあ~~ん 私も食べたいよ~~

「125円なんて高すぎるけど、その価値はあるかもね。。ピザを彷彿とさせるなんて、スバラシィ~~

「ガウラ~~

「ちょ、ここでガウラを呼ぶのは卑怯じゃね・・・ブヘッ

「リオの泣き声がすると思ったら、またお前か。今日は吊るし刑が良いか?」

「ガウラッ、今日のラクト、丸い体がさらに膨れてんだよ。まだピザポテトを隠し持ってると見た! ねっ、逆さ吊りして~~」

「はっ、はぁ~~??  そんなん、生みの親に対しt・・・あっ、」


 ドサドサ――――ッ


「いやった~~ お宝ゲットだぁ~~

「頭に血が昇る~~

「良かったな、リオ さっ、向こうで一緒に食べよう」

「うんっ

「私のピザポテト~

「今日のひょっこり猫はここまで! しーゆーあげいんっ、ばいばいっ」

「うおぉ~~ん」

「はい、リオ

「ガウラもあ~~ん

「あ~~ん・・・」

「ポテチ・・むぐっ、止められない~~・・・むぐっ

「ちなみに、猫のリオは本当はポテチが食べれないんだ。ひょっこり猫のブログだから、何でも食べれるように設定してるらしい・・・
 他の普通の猫には、絶対にやるなよ。じゃあな

(※※本当に、普通の猫にはあげないでね~~※※)





半・復活したラクト

2010年02月21日 15時02分34秒 | 日記



進化を続けるラクト


「復か――つ! あ、皆さんおコンニチハっ。能天気ラクトでっす。今日も皆さんご機嫌いかがですかー?」
「ラクト――ッ、あんたは心配させて。全く、ヒト騒がせなんだから」
「ゴメンって・・・あは、なんか、いっぱい悩んでブログに愚痴ったら、スッキリしたよ。心配してくれてアリガト、リオ」
「ニャ! ラクトが元気になってくれれば良いんだよ。あゆさんにも心配かけちゃたんでしょ? ちゃんとお礼を言いなよ」
「うんうん、あゆさん、こんなラクトを心配してくれてありがとうございます
 私はスッカリ元気になったです。また何かあったら、ブログに書いちゃうと思うんですけど、その時はスルーしてくれても構わないので・・・」
「何ゴニョゴニョしてんの、ラクトってば。また悩み事があったら、ここに書いてけば良いじゃんっ
「そうするよ。リオ達のラクガキも描けるしね」

「そうだ、ラクト! この前、ブログで一万文字以上書いてたんでしょ。私は見てたよ」

「テンプレートの装飾タグをいっぱい入れたら、一万文字までしか入れれませんって出てた・・・ 泣く泣く、大部分を削除したんだけど。。」

「今回利用させて頂いているトコはここだよね? 無料ホームページテンプレートの素材屋さん! 何故かリンクを貼れないので、アドレスを載せときます!

 http://hp-sozai.net/index.html

ここで紹介されてるナイスなテンプレを選んで、タグをTEXTエディターに打ち込むだけだから、すんごい楽に装飾が可能なんだよね~~」

「ふへへ、ひょっこり猫がどんどん進化していく

「前の大学風ノート、見た目が良いんだけどちょっと使いづらかったね。打った文章が、全部中央寄りになってたよ~~

「あれはビビった。 どうやったら文章を左端に出来るのかって、探してたら、
  ★=left(左詰) を使わないとダメみたいでさぁ・・・編集ページでは、普通に左寄せ出来てたのにぃ・・・」

「何事も日々勉強なんだねっ ひょっこり猫のために、頑張ってよ

「う、うん。」

****

「今日のひょっこり猫はここまで! 皆さん、グッパイ!」

「まったね~~





辛くないわけがない

2010年02月20日 23時21分23秒 | 日記



辛くないわけがない




普段は明るい気持ちで過ごしてるのに、フとした時に気分が落ち込むのは何故ですか。

寂しいのか、虚しいのかも、自分では分からなくなってしまった。

認めてもらいたい訳でも無い・・・だけど、誰かの言葉が欲しかった。



私はあなたの古くからの友達だ。

十年にも満たないが、それぐらいの月日は共に過ごしたように思う。

同じ学校で授業を受けて、休日には一緒に遊びに行く程の仲だった。

あなたと一緒に過ごした月日は、私にとっては確かに、とても満ち足りていた。



学校を卒業してからは、お互いに会う時間も取れなくなっていた。

たまにだけど、電話を取り合っては近況を報告しあったりもして、遠くにいながらも

近しい存在だと、二人で笑いあった。

けれどいつからだろう。あなたが頻繁に、私に電話をしてくる様になったのは・・・?



朝、昼、晩――最高、一日に約八回の電話とメール攻撃。

私の都合などお構い無しとでも言うのだろうか。

そりゃ、今の私には職が無い。家にいつでも居るんだから、あなたの取り留めもない

会話を聴くのは、造作も無い事ですよ?

それならハイハイと、私がただ相槌を打つだけであなたは満足するのですか? 



友達だから、あなたの力になりたいよ。

愚痴だって、辛抱強く聴いてるから。

けれど、私はあなたの彼氏の代わりにもなれないし、

あなたの家族の代わりにもなれない。

あなたが愚痴を言ったって、離れた場所にいる私には、何の力にもなれない。

あなたが変わろうと努力してくれなきゃ、周りはいつまでも同じ状態なのに。



辛いのはお互いサマなんだよ。

あと何回、あなたを励ましたら、元気になってくれる?

私があなたと同じように辛い事を愚痴れば、あなたは私の話す言葉を辛抱強く聴き、

耐えられる事が出来るのですか?



私が時々電話に出ないのは、あなたの言葉を聴くのが辛いから。

あなたが溜息を吐いて愚痴を零せば、私が傷つかないとでも思ってるんですか。

風邪を引き、携帯から聴こえる咳の音を聴いて、耳が痛いと感じるのなんて、

今のあなたには到底解らないのでしょうね。



それでも彼女を心底嫌いになりたくない。

私が出した行動は、電話に出たい時は出るし、出たくない時は出ない。これに尽きた。

それが私と今の彼女との、上手く付き合っていく方法だと、自分に言い聞かせて。



こんな卑怯な自分も嫌いなんだ。

いつか、私の本音をあなたに話せるようになりたい。

そしたらもっと、お互いに近づけるハズだから――







※※後書き※※

いつも能天気なラクトでも、愚痴りたい時があるのです。
友達の全てを受け入れたい――そんな気持ちもあるのですが、今はそこまでには至っていない状態なんです。

電話では、キツイ言葉もたまに出してしまいます。
そんな自分も嫌いなんです。
葛藤が先走りして表に出てしまい、ブログでの愚痴日記となってしまいました。

本当に、いつかはどちらも歩み寄れれば良いなと、考えています。大事にしたい想いは、
どちらもあると思うんで・・・


タグで遊んでるラクト

2010年02月20日 15時29分29秒 | 日記
TEXTエディターで、少しばかり実験中


















TOP
ABOUT
PROFIL
BBS
DIALY
LINK



<body style="background-color: #00FFFF ">

変えれたかな?

body {font-size: MS ゴシック,Osaka}

<body style="font-weight:bold">

あああ

むむむ



たい使

ラクトが今回使わせて頂いたサイトさんは、タグ素材・HTMLで遊ぼうさんの所でっす 
 
このサイトさんで、『グラデーション作成』『ちょっとした小技』を無茶苦茶勉強中でっす!

点滅は無理。。<marquee>あゆさん</marquee>

おおっ、横にスクロールはオッケでした! ア、アレッ!・・・編集ページ内では普通に移動してるのに、
ブログ見たら無理でした。。くそぉぉ


これはどうかな?

これはどうかな?

あゆさ~~ん、やっと太字に出来ました!

ひょっこり猫は、まだまだ突き進む! ではではあゆさん、お疲れサマです~~



タイトル

ここに色々文章などを書いていくことができる。
ここに色々文章などを書いていくことができる。
ここに色々文章などを書いていくことができる。
ここに色々文章などを書いていくことができる。
ここに色々文章などを書いていくことができる。
ここに色々文章などを書いていくことができる。
ここに色々文章などを書いていくことができる。
ここに色々文章などを書いていくことができる。
ここに色々文章などを書いていくことができる。
ここに色々文章などを書いていくことができる。





<textarea rows="5" cols="30" style="border:outset 2px #ffccff;scrollbar-base-color:#ffffaa;scrollbar-arrow-color:#a5ee55;padding:5px;background:#ffccff url(naname01.gif)">
サンプル用の文字
サンプル用の文字
サンプル用の文字
サンプル用の文字
サンプル用の文字
サンプル用の文字





タイトル

あああああああああああ
あああああああああああ
あああああああああああ
あああああああああああ






ここにタイトル表示可能




大学ノート風に作ってみました。

width="400"を増やせば横の幅が増えます。

width="400"を消せば文の長さと同じ長さになります。

div align="right"の「right」を「left」にすると日付の所が左側によります。

line-height:16px;の数字を増やせば文字列の間隔が増えます。

文字は1行づつ書いていきます。

文字は1行づつ書いていきます。

文字は1行づつ書いていきます。

文字は1行づつ書いていきます。

文字は1行づつ書いていきます。

文字は1行づつ書いていきます。

文字は1行づつ書いていきます。

文字は1行づつ書いていきます。

文字は1行づつ書いていきます。

文字は1行づつ書いていきます。







悩んでも・・・

2010年02月19日 18時08分34秒 | 日記
み、皆さん、おコンニチハ・・・ぜぇ、ぜぇ・・・。
きょ、今日のラクガキは、魔族のルビリアナちゃんと、白い猫のリオと、守護獣ガウラでっす・・・
そ、それで、ひょっこり猫にはルビリアナちゃんをお呼びしました。おーーい、ルビリアナちゃーーん・・・


「はあ~~い、ルビリアナでっす 今日も私を呼んでくれてアリガト、ラクト

「ふうふう・・・今日のラクガキ・・・渾身の一撃なんだけど、どう?」

「ふふっ、良く出来ました でも、いつもはこんなに力を入れてラクガキしてないじゃない。一体何があったのかしら?」

「えへへ・・・実は、私のブロ友で、ルビリアナちゃんの事が好きな人が居るんだよ~~。
お喋りついでに、彼女に何かコメント・・・貰えないかなぁって」

「うーーん・・・ラクトのブロ友ってあゆさんの事よね。私が彼女に、何か言うの?」

「頼むよぉ。今日はルビリアナちゃんを、めいっぱいおめかししてあげたでしょ たまには、私のお願いも聞いてよぉ~」

「そおねぇ、私は人間が嫌いだけど、ラクトのブロ友さんになら語りかけてもいっか

「ありがとう――! ルビリアナちゃんっ! で、で?? 何を喋ってくれるの??出来れば、励ましのお言葉とか、見た人が元気になれるような言葉をチョーダイッ、プリーズ!」

「言っとくけど、私は聖人でもないし天使でもない、上級魔族なんだからね・・・もう。

う――ん。
あゆさんには、周りの人間に恵まれてるフシがあるし、何か悩み事があれば、誰かに相談するとか・・・した方が良いと思うの。(もうしてたらゴメンナサイね)」

「フンフン、」

「遠く離れた場所にいる、マヌケなラクトに相談出来るぐらいだもの。悩みを打ち明けれる人が限られてるなんて、そんな事無いわよね?」

「ホワッ! そーいえば!!」

「ねっ、あゆさんみたいな美人が困ってたら、手を差し出してくれる人は沢山いるのよ。もっと自分に自信を持ちなさい」

「はあ~~い

「ちょ、ちょっとラクト。今のは、美人なあゆさんに言った言葉でしょ。誰がラクトを美人だって?」

「ゴメンニャサイ。。
い、いひゃいよ、ルビリアニャちゃん・・・耳を握らにゃいで・・・」

「分かればよろしい。こんなラクトが居るんだもの。優しい動物は、いっぱい居るわ」

「ルビリアナちゃん・・・今のは聞き捨てならないヨッ!」

「ラクトは人間じゃないから、やっぱり人間は嫌いなの。あゆさん、もし気分を害したら、ラクトまで苦情を報告してやってね」

「ブーーッ!!!

「こんな私で良かったら、またここでお喋りみたいな、トークをラクトと繰り広げるからね

さあラクト、行きましょうか?」

「へっ? この展開はもしかしてお説教部屋??」


****


「ひょっこり猫はここまで! 
上級魔族代表、ルビリアナ・レット・クロウでした また、皆さんと会える事を楽しみにしてるわ ご機嫌よう 」



自分でキリバンゲット2

2010年02月18日 22時21分58秒 | 日記
おコンバンハッ! 自分でキリバンゲットしたラクトでっす

ブログペットのモモチに言葉を覚えさせようと躍起になってたら、自分でキリバン1111 をゲットしたラクト。。

ふっ、もう良いけどね 

隠れ里みたいなひょっこり猫のサイトに、足を運んで来てくれる心の優しい方が居てくれてるだけでも、ラクトは感謝してます 

てな事で、モモチの訓練にもコレでいっかと気楽に構え、今日のひょっこり猫はここで終わりでっす ではでは皆さん、オヤスミなさ~~い