それは突然に

ボクにとって今日はいつもと何も変わらない穏やかな一日になるはずだった。

午前中いつものようにうちのニンゲンたちは娘さんを散歩に連れて行くといって出て行ってしまった。
ボクは涼しいところでゆっくり朝寝
いつもなら一時間ほどしたら戻ってくるニンゲンたちも今日は戻りが遅い。
今日は滑り台のある公園に連れて行くって行ってたから、遠出しているのかな？
それともどっか寄り道してるのか？
まあ、どっちでもいいや。その分ボクはのんびり寝られるわけだし
お昼頃ニンゲンたちが帰ってきた。帰ってくるなりやけに騒々しい。
っていつものことか・・・

ところがご主人がボクにこう言った。
「こたろ、もうすぐおまえの友達がうちにやってくるぞ」
？？？どういうこと？状況がよく飲み込めないよ
ご主人の顔が微妙にピクついてるのも気になる・・・
対照的に奥さんはとてもご機嫌だったんだけどね。

ということで、ご主人に何があったのか事情を聞くことにした。
「今日は娘を滑り台のある公園に連れて行ったんだ。
公園で遊んだ後、その近くにいつもよく立ち寄るペットショップがあるんだが、
いつものようにそこへ向かったんだ。娘もそこが大好きだからな。
そしたらとてもかわいいスコがいたんだよ。
奥さんが最近スコを探してるのはこたろも知ってるだろ。
ただそこにいたスコは奥さんの求めている毛色とは全然違ったから、興味ないと思ってたんだよ。
ところが、スコを見る奥さんの目がいつもと明らかに違う。
そのうち抱っこさせてもらって、『かわいい～』と連呼し、挙句の果てに『欲しい』と言い出したんだ。
こうなったらどうなるかこたろもよ～く知ってるだろ？」
・・・そうだねそういうことだったのか。
つまり、奥さんのおねだりに負けて、ご主人がスコを買わされるはめになったというわけだね。
「・・・ま、まあそういうことだ。」
ふ～ん・・・
って

これってボクにとって結構ビッグニュースじゃない
そ、その子ってそんなにかわいいの？
ボクまだ心の準備ができてないよ～