まちかど逍遥

私ぷにょがまちなかで遭遇したモノや考えたコトなどを綴ります。

旧木下家住宅 茶室など

2020-06-05 23:51:22 | 建物・まちなみ
2019年の旧木下家住宅の続き。

応接室や書院は前庭に張り出していたが、今度は裏側、中庭を囲むように張り出した部分へ。
こちらは北西側のため全く日が差し込まず薄暗い。廊下の左側に手洗い場とトイレが並んでいる。


この手洗い場のシンクはモザイクタイル貼りなのだが、枠は木製でなぐり仕上げとなっている。
おそらくタイルは戦後貼られたのだろう。昭和30年代に納屋の増築などを行っているというので
そのタイミングでこのあたりも改修したのかもしれない。


そしてここに展示してあった瓦は、土蔵の屋根に載っていたものだとか。木下のKをかたどったマークは「菱K」と呼ばれている。

手洗い場に並ぶトイレは板敷きの床で、きれいに改修済み。

その向かいにあるのは4畳の「待合」。ここも暗い部屋なのだが、中庭に向かって壁よりも一段下がった
出窓風の窓があり、大きな丸窓が取られている。床から40cmぐらいの低いところに天板があるのは出書院のよう。
そしてその下の地袋のような部分にも障子がはまっている。


障子を開けると・・・おぉ、何と、いきなり中庭の下草が見えるでないの!!何か室内まで植物が入って来たかのようだ。


そして廊下のいちばん奥が茶室である。待合と茶室の間に挟まっている水屋がまた素敵なんだなぁ~~
機能的なコンパクトキッチンみたいだが、流しが地べたにあるのがキッチンとは違う。


シンクの底面はまだらな竹が使われている。台の部分はまた面白い仕上げで、木で編んだ籠目や節のある竹材のように
見える意匠なのだが、これは何と呼ぶのだろう。


そして茶室。水屋と廊下の両方から入れるようになっていて、開口に挟まれた角部分に節のある丸木の柱が立っている。


建物全体が数寄屋造りであるせいか、茶室は特に目を引くような意匠もなくむしろおとなしい。
曲がりくねった珍木などもなく、立ち枯れ木のような床柱ぐらい。


にじり口。




外から見た茶室と待合。


さて、裏側の廊下を玄関の方へ戻ってくる途中に階段があり、2階にも上がらせてもらった。
棟方向にすごく太い梁がズドンと!幅は5~600あるな!季節外の建具やイベントで使うものなどが収納されていた。


外から見えていたむしこ窓の部分。




北東側の部分は管理用のスペースになっていて、浴室やトイレ、台所なども実用的に改修されていた。
ぐるっと回って玄関へ戻ってきた。


竹と透かし彫りした桐の板を使った袖壁の意匠は、アールデコ数寄屋という感じ!?

旧木下家住宅、見どころがいっぱいで楽しめたな!

続く

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