まちかど逍遥

私ぷにょがまちなかで遭遇したモノや考えたコトなどを綴ります。

鹿児島県民教育文化研究所再訪 その2

2018-02-21 23:45:33 | 建物・まちなみ
鹿児島県民教育文化研究所(元藤武呉服店別邸)の続き。

素晴らしいのはアールデコの事務所だけではない。
玄関から廊下をまっすぐ進むと右手に中庭に面した格子窓や花灯窓が。




左手にはお庭を望む二間続きの端正な座敷がある。床の間には書院が付く。


藤の花房が大胆にデザインされた欄間。こちらも藤武呉服店の名にかけたものだな。


打出の小槌の透かし彫り。晴れやかで華やかな場だ。ここを会議室として使っているとは、何とも贅沢だなぁ!


廊下の突き当たりを左へ折れるといきなりすこーんと抜けた階段ホールが現れる!
ここから先はまたガラリと雰囲気が変わって、遊びの空間、趣味の空間ということが感じられる。
自然木を使った数寄屋意匠があちこちに施されている。


その奥に続く廊下に沿って手洗い場が設けられ、ここでも曲がりくねった面白い形の自然木が。


奥の二間続きの座敷の欄間は波濤をデザイン。


奥の座敷はさらに一部が出っ張った形となり、違い棚が作りつけられた出窓や地袋、それに丸竹を落としがけに
した垂れ壁など、アシンメトリーで面白い空間は茶室のようにも見える。


お庭に面した居心地のよさげな広縁。ここの椅子に座った時には座敷に座った人と目線の高さが合う。
はじめからここにテーブルセットを置くように設計されたのだろうか。


入れ子になったような複雑な天井の構成。


2階へも上ってみよう。ホールの天井は船底形の網代天井。


2階は児童図書室と相談室になっていて、相談室の方は立入禁止だったが、吹き抜けの階段室の窓から
中をちらっと見ることができる。


廊下の欄間がこんな山の形の下地窓になっている。どこの山だろうか。鹿児島の人が見たら分かるのだろうか。


丸木や竹やつるなどを使った意匠が随所に。


1936(昭和11)年に、宮大工が釘をいっさい使わずに建てたというお屋敷は、80年経った今も
ほとんど傷んだところもなく美しい姿を保っている。あぁ素晴らしいなぁ!


竹で作られた青海波の格子は、場所からするとトイレの窓だろうか。

今回もやっぱり図書館の方は入ることができなかった。棟続きだが玄関は別にあり、まるで茶室のような趣の
その玄関からは、内部への想像が掻き立てられる。
施設の管理人は不在っぽかったし、玄関は閉まっており、内側から図書館のエリアへつながるドアも
閉まっていたが、図書館というからには頼めば図書を借りられる(=中に入れる)のだろうか?

続く

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