まちかど逍遥

私ぷにょがまちなかで遭遇したモノや考えたコトなどを綴ります。

鍋茶屋へ!

2020-02-19 23:23:13 | 建物・まちなみ
2019年夏の新潟の続き。


木揚場教会から急いで戻ってきて、いよいよこの旅の最大の目的、古町の老舗料亭鍋茶屋の
ランチに!!三度目の新潟で、まさに三度目の正直。ここの入口はアーケードの商店街でなく
細い「鍋茶屋通り」に面しているのだが、向かいの区画の1軒分が専用のアプローチとして
使われ商店街からここを通って直接アクセスすることができる。参道のようで面白いな!


鍋茶屋は江戸末期の1846(弘化3)年に創業というから、170年以上の歴史を重ねた
老舗料亭である。
新潟の花街、古町は、いわゆる遊廓でなく芸妓が活動する料亭街で、戦災を免れたため
戦前の建物が残り歴史ある料亭も多い。今も細い路地が入り組んで魅力的な一角だ。
その中で鍋茶屋はもちろん最大規模であり、仰ぎ見る木造三階建の佇まいはそのまま格式の
高さを体現しているようで小市民には近寄り難いが。。。どうにか見てみたいと思っていた。


建物がコの字形に玄関を取り囲んでおり、内部は全くうかがい知れない秘密の花園(笑)。
前2回は恐る恐る門から少し踏み込むのがせいぜいだった憧れの鍋茶屋に今日は堂々と入れるのだ!

食事をしないと見学できず、しかも隣接する鍋茶屋光琳という少しリーズナブルな食事処の
利用ではダメで、本館で予約しないといけない。
ランチでもコースは1万1千円~、お弁当で6千3百円(2019年夏当時)というお値段
なので、小市民の私にはなかなかハードルが高く、1人では全く入る勇気がないが・・・
今回は覚悟を決めて、いちばんお手頃なお弁当を(笑)。セレブな友人と一緒なので心強い。


現在の建物は、1908(明治41)年の大火のあと1910(明治43)年に再建された
もので、1938(昭和13)年にも増築されている。




玄関を入るとうやうやしく迎えられ、案内されたお部屋は坪庭に面した続き間の座敷。


小さなお庭を望む、静かな1階の2間続きのお部屋。下げられた御簾が何とも涼しげ。
合計21畳もあり、8人用のテーブルに2人という贅沢。


お料理が出て来るまでの時間もじっと座っていられない私たち(笑)
派手な意匠はないが黒柿の太い床柱、天然の(!?)虫食い板の欄間など、さりげなく面白い材、
稀少な材が使われている。


扇形の天袋は時々見かけるが、これは四半円でなく四半楕円のようだ・・・
うまく開けられるのだろうか。もちろん触ってはいない。


お料理は、先付、お吸物、お刺身が一品ずつサーブされたあと、四角い箱におさめられた
焼き物や煮物を頂く。上質な食材と確かな技術をじっくり味わう。
最後にフレッシュフルーツにジュレの載ったデザートまで出てきて、量も申し分なく、
さすがに上品でおいしかった。あぁ、満足!


普段ひもじい食生活をしているので(単にズボラしてるだけだが汗)、日本人としては
たまにはこういう手の込んだ上質な和食の味を舌に覚えさせないといけないなぁ。(苦笑)


食事のあと、お楽しみの館内見学に。。。1階の応接室の手前の廊下にいきなり
ステンドグラスのはまった丸窓が!


龍宮城・・・ではないが、海草の間を魚たちが泳ぐ海底の風景を、魚眼レンズの望遠鏡で
覗いているようだ。美しい青の濃淡が、水中から水面を見上げたときの明るさをリアルに
表現しているなぁ!小さなあぶくも。




トイレのドアにもステンドグラスが。


今も使われているトイレで、内部には古い結晶釉のタイルが貼られていた。




ここの応接室は本当にすごいので、次回にまとめて紹介することにし、先にこちらを・・・
この部屋は待合所かな、談話室か、喫煙室かも。聞き逃し(苦笑)。
洋風の部屋で、六角形の照明が素敵。




こちらにもステンドグラスがあった。衝立にはめ込まれているが、もとは別の場所にあった
ものと想像する。


青海波に六角形の枡のような和風な模様。この六角形は鍋茶屋の印にもなっているもので
(六角の中に「鍋」の文字)、初代がすっぽん鍋料理を始めたことに由来する。
天井の照明もこの六角モチーフが使われているのだな。


有名なステンドグラス工房の作品だと思うが・・・確かめられていない。





鍋茶屋の公式サイト→こちら

続く

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