R日記

ROMmanの日常風景
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THE 有頂天ホテル

2006-01-22 23:54:13 | 日記
ネタバレはなるべくしないように。
初回の30分くらい前に言ったらほとんどの席が埋まって最前列くらいしか空いていないと言われたので午後に予約して3時間ほど時間を潰してから観覧。
凄い人気です。
昨日の雪でららぽーと内には人が少ない日曜なのに映画館だけが異常に混雑していました。
そして、時間をかけてまで見て良かったと思わせる娯楽作品でした。
映画館で無くても良いからもう一度みたいな。TVでそのうちやるだろうからそのときでも良いし。とにかくもう一度見たらまた別な何かが見つかるだろうと思わせる、そしてまた見たいと思わせる映画でした。

三谷幸喜監督映画三作目。実は監督の映画を最初からちゃんと見るのはこれが初めて。
ドラマの方はいくつか見たことがあるけど。
限定された空間での展開、舞台としてそれらのモノを扱うのが非常に上手なことはよく知られていますが、今回は新年カウントダウンパーティーまでという2時間16分の時間的制限も加わってより狭い空間と時間を感じさせるモノになっていた。時々残り時間を台詞にしているのでそれがひしひしと感じられる。背景に時計があるくらいではわかりづらいですからね。実際の時間とも連動して本当に終わるのか心配になったり、もうすぐ終わってしまうのかと悲しくなったり。
だからといって決してその狭さが悪いということはなく、理解しやすい空間として使いこなしつつさらにほぼ1カットを1シーンという区切りにすることで更に小さい世界を数多く含む一つの作品として成功させたのだと思う。

メインとなる役者はダブダブ(声はドナルドダックの山寺宏一)でしょうね。役所広司も一応のメインではありますが、全てを振り回し続けるキャラクターとしてのその存在感と演技力は凄かった。
香取慎吾の人形が回ってくると不幸になってそれから幸せになる。という役回りが決定しているというのもとてもわかりやすかった。
もちろんメインじゃない他の役者たちも個性と演技力のオンパレード。
そして秀逸だったのがカメラワークや背景などの道具。邦画にありがちなぎこちなさが少なかった。全体を見せるとか人物の心が離れているとかいう意図を感じさせないような必要のないところでパンしたりすると本当に見づらい。そういうのがない。無駄に見せたがりな邦画が多すぎるんだよなぁ。
さらに一枚一枚の絵が綺麗だと思わせる、気配りのきいた描写。すでにあるホテルを利用するのではなくわざわざセットで用意したというのもこの辺の意図があるのだろうか。とにかく構図が良く取れている。
舞台では決してできないこういう部分を綺麗に入れてくるのはさすがだ。

爆笑!という程凄い笑いはないけど、マシンガンのように繰り出される笑いはどんどんと場を盛り上げて行くし、それぞれの笑いも王道的で嫌みったらしいモノがない。松たか子の近藤芳正に追い込まれていくシーンは特に秀逸でした。ここら辺を役者毎に説明するとネタバレしてしまうし、見てきた人には今更だし説明しませんが本当に良かった。
くねくねダンスを記者会見で発表させるなどという下品な笑いに走らなかったり本当にまともな笑い。
お子様が見ても安心。極悪人が出てこないし。そういう王道的な笑いが苦手な人には駄目な映画でしょう。
マシンガンのように繰り出されるので「なおちゃん」が誰か探偵・石井正則の説明まで気が付かなかったり本当に上手いと感心させられます。
伊東四朗が決して表に出てこないのに、本来はメインであるはずの総支配人であったり、アクセントとしてしか存在しないのにそのアクセントが強烈であったり、あの姿だけで魅了されてしまう笑い。最後の最後はちゃんと締めてくれましたしね。ちゃんと。

最後の仕事は、今まで一緒に参加していたつもりだったけど実際には外から見ているだけだった観覧者を迎え入れるための台詞だったのだろう。
スタッフロールは短め。出演者紹介はさすがに出演順となっていました。上位下位選べませんからね。
なんとなく、あっさりと綺麗に終わらせてくれたのも良い締めくくりでした。


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