彩賀の徒然なるままに…

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【脱線事故】証言者の真実。

2005-10-24 10:00:00 | 政治/経済/地方/海外の各ニュース
つり革、手すりが命綱 尼崎脱線事故、生存者54人証言 (朝日新聞) - goo ニュース

(文中抜粋)

生還できた要因(サバイバルファクター)については、約3割の人がつり革や座席の手すりなどにつかまって衝撃を緩和できたことを挙げた。「車両内での位置がよかった」「損壊を免れた空間に飛ばされた」など偶然の要素を指摘する声も2割に上った。一方で、助かったことへの罪悪感に悩む人が1割強おり、心の傷に苦しむ実態も明らかになった。

 車両別の証言は、1両目10人▽2両目11人▽3両目11人▽4両目7人▽5~7両目15人。

(中略)

 兵庫県警の調べでは、犠牲者の死因のうち頭部・首の損傷がほぼ半分、次いで胸・腹の損傷が約2割だった。つり革などを握っていた乗客の多くは、そこを支点に足から振られて飛ばされた可能性が高く、頭など体の枢要部への致命傷をさけられたと見られる。

 偶然も作用した。

 横転してマンション駐車場に突っ込んだ1両目は、約20メートルの車体がほぼ半分に圧縮されたが、中央部に空間が残った。

 中央部で立っていた大学生(20)はドアと座席の間にできた空間で意識を取り戻した。10メートル前後の空間にたくさんの人が折り重なっていた。「自分は運良く、たまたま残った安全な空間にいただけ」と話した。

 2両目は左側面中央部からマンションの角の柱に激突し、「く」の字に折れた。壁にたたきつけられた後部は最も狭い部分で厚さ数十センチになった。証言は、比較的空間があった前部の乗客を中心に寄せられた。

 最前列の座席にいた大学生(18)は「空間には15~20人が折り重なっていて、下の方にいた」と記憶する。そのすぐ後ろの左側ドア付近は側面がはぎ取られ、ここでも人が天井近くまで折り重なっていた。上半身が外側に出ていた会社員(32)は足をばたつかせて抜け出した。「この場所に飛ばされなかったら……。運とか、偶然とかを考えてしまう」

 大災害などで生き残ったことに罪の意識を感じる「サバイバーズギルト」と呼ばれる症状を訴える人は女性7人、男性1人の計8人いた。ほとんどけがのなかった4両目の女子大生(18)は事故後、「生きていて申し訳ない」という思いにさいなまれる。

 2両目の会社員(36)は「自分がこの程度のけがで済んだのはきっと誰かがクッションになってくれたからではないか。自分の命は誰かの犠牲の上に成り立っている」と手記に記した。

 「時々、倒れる車内の光景がよみがえる」などのフラッシュバック現象やけがの後遺症に悩む人も多い。

 国土交通省航空・鉄道事故調査委員会は、乗客の乗車位置や車体構造など、生死を分けた要因を分析し、調査報告書に盛り込む方針だ。

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 JR宝塚線(福知山線)の脱線事故で助かった乗客の証言から、つり革や手すりが被害の軽減に役立った実態が明らかになった。ラッシュ時の安全対策でつり革などの増設を積極的に進めている首都圏の鉄道各社に比べ、混雑率の低い関西の鉄道ではつり革の数が少なく、新型車の導入に伴って逆に握り棒などを撤去した例もある。東西の違いは事故時の被害に差を生む可能性もある。

 混雑率が高い首都圏の各社は車内の転倒事故防止のため、つり革などの増設に積極的だ。

 山手線は4月、新型車両「E231系」に統一された。車内はシートの7人がけが励行されるように仕切りを兼ねた握り棒や手すり計44本が林立する。つり革も立ち席の定員数(108人)を30上回る138本。朝のラッシュ時に座席が折り畳まれる6ドア車両には172本ものつり革がぶら下がる。

 JR東日本は「万一急ブレーキがかかったときでも転倒しないよう、車内のどこに立ってもつかまれるようにしている」と説明する。

 東京都交通局も02年度から地下鉄車両のドア近くのつり革を1車両当たり16~48本増やし、24%の車両で整備を終えた。京浜急行や東武鉄道、東京メトロなどもつり革を増設し、握り棒の導入も進めている。

 一方、事故を起こしたJR西日本の207系は「客室内の見通しを良くし、すっきりさせる」(同社)というデザイン上の観点から、旧型車両(201、205系)にあった座席両脇の握り棒を無くした。代わりにつり革をドア付近に30本増やし、1車両128本としたが、首都圏の通勤電車に比べると少ない。

 207系の後継として12月ごろに導入される「321系」もほぼ同じ数になる。

 事故の生存者が「生死を分けた要因」につり革などを挙げていることについて同社広報室は「調査する立場になく、コメントできない」としている。

 乗客の被害軽減には、増やすだけでは不十分との指摘もある。91年に列車同士の正面衝突を起こした滋賀県の信楽高原鉄道は遺族らの要望を受けて、手すりをゴムで覆ったり、柔らかい樹脂製にしたりした。

 国土交通省はつり革などの数や配置に明確な基準を設けていない。このためJR宝塚線の事故を受けて設置された鉄道技術基準検討委員会の議題に含める方針だ。

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ヤッパリ,

  事故の当事者の方々の生の証言は,説得力がある

んですね…。思わず納得です。

それにしても,この被害に合われた方の証言や,警察の検視の内容をJR西日本の上層部の方は,どう受け止められているのか,気になります。

殊に,JR西日本は十四・五年前に起こった,信楽鉄道の列車事故の教訓が生かされていなかった,と批判されても文句は言えないでしょう。

それに加えて,新型車両における吊革の数の減少。

やはり,

  何も教訓を得ようとはしなかったし,何も考えようとはしない

とみなされても仕方がないのではないか…と思います。


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