今年印象に残ったアルバム2023
Oliver Jackson trio feat. Cliff Smalls Leonard Gaskin
私は、収録曲の中でワン・オクロック・ジャンプが気に入っていて何度も何度も聴いた。この演奏はベイシー楽団とは違う解釈で、新鮮に聴こえる。粋なワン・オクロック・ジャンプに仕上がっていると思う。
朝日のようにさわやかには、多くの方に聴いてもらいたい。名演だと思う。
オリヴァー・ジャクソンを意識して聴くようになったのは、バック・クレイトンのパスポート・トゥ・パラダイスを聴いてからだ。それからハンク・ジョーンズのアイ・リメンバー・ユーを聴いて、ますます好きになった。
彼はスウィング・ジャズの香りがする名ドラマーだ。
彼のドラムは堅実で懐かしく聴こえる。ジョー・ジョーンズの家に居候していたときに、彼の演奏スタイルの要のようなものを身に着けたのだろうか。
1979年録音
ROOTS / SLIDE HAMPTON
これはスライド・ハンプトンが考えるハード・バップだ。
アンサンブルが素晴らしい。そして、このアルバムはクリフォード・ジョーダンとシダ・ウォルトンの名演でもある。
私は、My Old Flameが気に入っている。
各自が味わいのあるソロを聴かせてくれる。
思索的なソロと言ったら良いのだろうか。
ソロの流れがスムーズで、一人の演者がサックス、ピアノ、トロンボーン、を順番に演奏しているよう聴こえることがある。
1985年4月17日録音
NAT KING COLE & ME / GREGORY PORTER
ジャケットが全てを物語っている。
グレゴリー・ポーターが持っているのは、ナット・コールのアルバム アフター・ミッドナイトだ。
相当な可能性を持った歌手だと思う。
歌い方はナット・コール&パバロッティという印象だ。
彼はブルータス誌(2023年3月)に掲載されたインタビューの中でナット・コールについて「父親不在の家庭に育った僕にとってナット・キング・コールは、まるで父親のような存在だったからね。」と語っている。
彼の歌が暖かく聴衆に語り掛けるように聴こえるのはナット・コールの影響からなのかもしれない。
2017年録音
2023年12月22日
珈琲パウエル 店主
#ジャズ #珈琲パウエル