爆音と一緒に城が地響きを立てて震えた。
今この状況で、ズッケルアの軍が攻めてきたのだった。
「この音は…っ」
オークランドが叫んだ。
ニヒュアスとペッチェルが真っ青な顔で慌てて駆けてきた。
. . . 本文を読む
リサが絶望神の配下だと名乗り、窓から脱出したために、城の中が慌て始めた。
ズッケルアの侵略にも気を配らないといけない状況で、1人の少女を探すために人数はかけられない。しかし、リサの不可解な告白を黙って見過ごすことは出来なかった。絶望神の存在はそれほどまでに脅威なのだ。
. . . 本文を読む
目次
リサの生まれは、8国の内の1つ、女傑の国ガシーベだった。
だが、リサはほとんどが謎であった。生まれはガシーベ。しかし、父親、母親が誰かもわからない。孤児院に預けられたのを、城の人間に選ばれて招かれた。
その理由は新しい血をガシーベに取り入れるため。つまり、各国の重役にリサを会わせ、既成事実を作るということであった。妊娠すれば、その責任問題の追及もできるし、優秀な血を授かるという政略で . . . 本文を読む
日も暮れ、町は未だに厳戒態勢であった。ミストラスの脅威は彼の死で消えたが、もう1人、ズッケルアの存在が残っているため、安心していつもの生活に戻す訳にはいかないのだ。
城の中も慌しく動きが始めていた。奇襲への対応準備で兵士のほとんどは招集されており、はっきり言うと人手が全く足りていなかった。
. . . 本文を読む