井の中の蛙 大海を知る

日常生活の奇特な人と事柄のあれこれ
~蛙のぼやき🐸~

男と女

2005年10月13日 | 出逢い&別れ
あたしが事務員を辞め飛び込んだ世界は病院である

小中学の同級生(yuumi)がそこでパートながら勤めており

一刻も早く例の会社から逃れたいのと

漠然的にそういう関係に興味があったから

一石二鳥 かもと即刻、退職願を出す前に再就職を取り付けた

面接の日に見学させてもらったが、そこには独特の空気が流れており
正直、人間の動物園 と目を疑った程だ


それからウエストまであった髪をバッサリ切り、初出勤の8月1日を迎える

その日はもう一人あたしとは全く違うタイプの同い年の人(piroko)も初出勤だった


そこは外来のない病院で今で言う長期療養型病床群onlyのとこだった

そこで補助看(現のヘルパー)として働いた

資格なしでできるとは思ってもみなかったし、まず勤務時間が違う

日曜の夕暮れにサザエさん症候群にならなくて済む

仕事は主として下の世話と食事の介助、入浴などの日常生活の介助で

後はリハビリ室への誘導だった

大まかな仕事の流れと老朽化した建物にはつきもので

あたしの天敵であるゴキちゃんに慣れるのにはそう暇がかからなかった


患者数は100人くらいで、1/5くらいしか自立していない

定期的のオムツ交換が大仕事となる いい香りがすれば大当たりだ

おばちゃん共が’今日は運付きやき玉井さん(パチンコ)へ行かんと

などと言っていた。。。あたしのデビューはそれからまだまだ後のこと


まだ20代前半だったあたしら(yuumi piroko)は患者さんからすれば孫に当たり

色んなことを教わった

一番良くしてもらった矢間のおばちゃんからは

’男が惚れるは当たり前、女が惚れんと華は咲かん’

だから女に見る目が必要

博打、酒、女遊びを全くせんがもいかん けどしすぎるがはもっといかん

自分の亭主は大酒飲みだったらしい

そのおばちゃんの様態が悪くなりあたしの当直の深夜亡くなった

その時生まれて初めて人が息を引き取ったのをみた

その時の看護婦さんが’うちの病院は延命治療しないから仕方ないよね’と呟いていた


それからあたしは戦争や幾多の試練を乗り越えてきたお年寄り、

人生の先輩の終焉くらい暖かく見守ってあげ、

尚且つ笑って楽しく過ごせればいいんじゃないかと。。。

その手助けができるれば光栄なpoohなのだ