著者 嵐山光三郎 2016年2月 刊ファーブル『昆虫記』は誰もが小さい時に一度は見聞きしている。その訳者が"きだみのる"だ。きだみのるが渡仏した昭和9年、中国に侵攻していた日本は、満州国帝政を実施した。日本は列強各国から憎まれ、パリ大学にいたきだみのるも多くのフランス人から蔑視された。パリ大学を中退して日本の戦時下モロッコを旅したのは昭和14年1939年である。戦時下にモロッコ(フランス領)を旅するなんて驚きしかない。嵐山光三郎がきだみのるに関わったのは亡くなるまでの5年間だった。