Le plus important est invisible 2 目に見えない大切なもの

管理人・Meggがこよなく愛するものや心に響いたことなどのつれづれ日記

『ブルーバレンタイン』・『別離』

2012年04月09日 20時32分48秒 | 映画
ご無沙汰してしまいました。。。凄い嵐もやってきて過ぎ去り、やっと春になりましたね。
桜の花が満開ですが、心は春のまぶしさと桜の美しさに着いて行けてない感じです・・・

久しぶりに映画の感想など。あまりネタバレにならないように
自分の感想をメインに書きますので・・・・

ここの所、家族、夫婦危機をテーマにした映画を立て続けに観ました。


『ブルーバレンタイン』と『別離』。


『ブルーバレンタイン』




公開時から観たい映画でした!
夫婦によく出てくるような確かに!と思う会話などが所々あって
面白かったですが、妻の行動心理が今ひとつ伝わってこなくて
何でそうなっちゃうのか私はよくわからなかった。まあ、描き方が
決定打の部分をサラッと流していたからなのかもしれませんが。
きっと、こういう結果をだす夫婦が今多いのかも。

夫婦って出会った頃の強く引き合う何か、キラキラした思い出を心に刻んで
それをどこか忘れきることができずに、その部分があるから
一緒に居れるものなのかなと思います。
(夫婦によってだとは思いますが)
初心を忘れちゃいけないと戒める意味でもあるのか・・・。^^;;

でも、まだこの感覚があるうちは愛が少しでも残っているのかも知れません。


夫婦でもただの恋人でも関係を壊してしまうのはある意味簡単。
(簡単だから結婚制度という法に守られたものがあるわけですね)
お互いに思いやる気持ち、相手を大事に思う気持ち
そういうコミュニケーションがメビウスの輪のように流れるように
取れていれば灯火は消えないと思う。
でもどちらかが、灯火に水をかけてしまえば消えてしまいます。
消えてしまったら又点けようと努力すれば灯すかもしれませんが。

なので、私はこの映画は「救いようが無い映画」だとは思えませんでした。



『別離』



イラン人夫婦に訪れる危機から取り巻いていく人間関係、
そしてその人間の複雑な心理と共に社会問題をも浮き彫りにしていく内容。
いやー、面白かったです。骨太な映画。
しっかりと普遍的なテーマを持った傑作。
人間のちょっとした「弱さ」が嘘をついてしまったり
ごまかしちゃったり、そういうことって大なり小なり誰にでもありそうなこと。
それが、貧困の差とか社会的背景もかかわってくるからか
その「ちょっと」が大きくややこしくしかも不幸な方向へどんどん転がっていく。
こちらの映画は決して、甘くは無い現実を突きつけられる。

そして、なぜかこちらの映画も妻の心理は今ひとつ理解できない部分もしょっぱなから
あるのだが、これは社会的背景が絡んでいると思うし、あえてこの状況が物語的に
必要なのだと思う。

しかも、この女優さん、とっても美しい~




イスラム社会は・・家族、法律、宗教、労働、教育、貧富の差があり、
厳しい社会の中で必死に生きている事と思う。
争いがおきやすい日常を普通に機能させていくためには
信用できるということが大事。
しかし、生ぬるい生活ができない環境では
こういった人間の弱さが悲劇を生んでしまったりするんです。

なんか、こういう映画、日本の沢山の人に見て欲しいなと思った。
人それぞれ、どう解釈するのかは分からないけれど何かを感じとって欲しいなと。

イランもインドに負けずの映画大国らしいです。
最近は韓国の映画が面白いと思っていましたが
イランやレバノンの映画もこれからが楽しみです♪

以前観た、レバノンの映画『キャラメル』も私にとっては
大好きな作品の一つです。


ラヴソング

2011年10月22日 22時51分12秒 | 映画
マギーチャン(張曼玉)主演の映画、
「花様年華」、「英雄HERO」でファンになった私・・・・

どちらも凛とした美しさがあり、スレンダーな体型が魅力的でした。
あまり言葉を発する演技では無いので、(どちらかと言うとイメージ・雰囲気)
実際の演技力は良く分からなかったのですが。

マギーチャンのファンの方から評判の良い「ラヴソング」と言う映画をDVDで観てみました。
ピーター・チャンが紡ぎだす珠玉のラヴストーリー、
97年香港アカデミーではグランプリ、監督賞、音楽賞を始ら史上初の9賞をとるほどの
映画だそうです。

映画としては、正直、韓国ドラマに近い感じがして、
芸術性などはあまり感じられる映画ではありませんでした。

マギーチャンも花様年華の様な美しさはありません。

マギーチャンってこういう顔していたんだと
特徴のあまり無い彼女の顔を確認したと言う感じ。

しかし、この映画を観て彼女の演技力を痛感し、
今迄みた映画での彼女がただのイメージだけでなく、
根底から醸し出す物になっていることが分かりました。


結果、私はこの映画、とても良い映画だと思いました。


人を本気で好きになるって
こういう事だな…って久し振りに切ない気持ちが蘇りました。
それも、彼女の演技力の成せる技かと。

内容は10年越しの恋愛映画です。
中国から香港に出て来た二人がマクドナルドで出会い、
二人で試行錯誤しながら働き言葉の壁を乗り越えながら仲良くなっていくんですね。

それぞれが他の人と結婚し、祝福しあいながらも本当はお互い好き…

この映画はテレサ・テンのオマージュであるとも言われています。
テレサ・テンが二人のキューピッド役でもあるわけです。

マギーチャンの表情がいい。

好きなのに・・・大丈夫なふるまいをするけれど、
心ここにあらずの様なシーンが何度かあります。
ネタばれになるので、詳しくは話しませんが、
そのシーンは日本のドラマでも真似されているとか。


本当に人を好きになってしまうと、
いくら他に素敵な人が出て来ても、好きになれないですよね。

しかも好きなのに、相手は他の人と付き合っている場合・・・
好きな相手が幸せでいる姿を応援しながらも
本当は好きなわけだから、辛くて仕方がない
その気持ちを抑える様子がとても切ない。

10年の歳月なんて関係ない位、磁石の様に又引き合う関係・・・
映画のように実際は出会ったりは出来ないから
自分で出会う工夫をしなくては駄目でしょうけれど。(笑)

この映画を見て数日センチメンタルな気持ちになり
思い出すと涙ぐんでしまったりしてました。
こう見えて、意外に単純な私です(苦笑)

マギーチャンのことがさらに好きになりました

チャンツイーイーは可愛いかもしれませんが!
やはり、マギーチャンです!!
これからも活躍してほしい女優さんです。







「ある愛の風景」 「悲しみが乾くまで」 スサンネ・ビア

2011年09月22日 23時05分05秒 | 映画
ずいぶん前にみて、久しぶりに良い映画だったな~と思った「ある愛の風景」。
ずっと感想を書きたかったのに、こんなに時間がたってしまった・・・・・
デンマークの監督、スサンネ・ビアという女性の監督の作品。
デンマークの監督だからなのか、全体的に伝わってくる雰囲気が
北欧の空気感があって、繊細で優しい。
絵に描いたような幸せな家庭の危機。
まあ、彼女の作品はほとんどこの内容がテーマなので
何回かこの監督の作品を観るとまたか~とは一瞬思うのですが。

でも、やっぱり人間、幸せなだけではないのが現実。
大きな問題にぶち当たって、苦しんで、悲しみながらも
乗り越えようとしなければならない。。。。

そんな人々に、どこか暖かさと希望を残してくれる作品なんですね。
この監督のその、女性からの視点がすごく良いのです。
ただ、ポジティブに考えて、綺麗ごとで済ませる作品ではない。
苦しさは現実としてここにあるのだけれど
その中での人と人とのささやかな繋がりであったり
暖かさであったりするのが、心に染みてくるのです。

「ある愛の風景」はだんな様が戦争へ行ってしまい、
悲しんで残された奥様と子供たちの生活に、
だんな様の弟がいろいろとかかわっていくんですね。
どちらというと、それまでは兄のほうが出来が良くて
弟はだらしない感じなんですね。
でも、同じ悲しみを共有しながら、子供たちとかかわり
家庭という中で日々過ごしているうちに
弟の心の中にある暖かさが目覚めるというか。
だんな様が戦争から帰ってきてからが、これまた
静かに過ごしてきた日々をぶち壊していくのですが
このだんな様の心情も非常にリアルで、痛い。
戦争という、死と隣り合わせの究極な場面を体験した人の
心の葛藤が非常にリアルに表現されていて。。。

観ているうちに、ああ、頑張って夫婦の危機を乗り越えてほしい・・・
と、ぐっと、涙をこらえて願ってしまう自分がいました^^;;
この映画、ハリウッドでリメイクされる予定とか。
(え~~ん、絶対にこの監督の方がいいと思うけれど~~
イメージ変わってしまうのが、嫌だなあ・・・このままを残しておいてほしい・・)

個人的にこの女優さんも好きです♪

この作品を観てこの監督の作品がもっと観たくなって
次に「幸せな孤独」というのを観たのですが、
私はこの内容は、ちょっと無理が感じられて入り込めなかったです。;;

「アフターウエディング」もよさそうなのですが、
再上映の機会もなく、レンタルでもないので今のところ保留。

そして、一番新しい「悲しみが乾くまで」。 
これはデンマークの映画ではなく、アメリカ映画になってました。
スサンネ・ビネ監督、人気あってハリウッド進出したのでしょうね。
そんなわけで、北欧チックさがかけてしまうのでは?と懸念して
観ていなかった私ですが^^;;
先日ギンレイにて二本立て観ましたが(もう一本は「美すぎる母」でした・・・^^;;)

期待を裏切らない、良い映画でございました

テーマは相変わらず、いきなり大きなアクシデントから始まります。^^;;

キャスティングがすごく良かったですね。
主演ハルベリーも綺麗だったし
でも、一番良かったのはベニチオ・デル・トロ
うーん、薬漬けの駄目男の役ではあるんですが、
すごくいい味出しています!

この映画もメインは家庭。ハルベリーが奥様でお子様二人との生活の中に
デルトロがかかわってきます。

ハルベリーの悲しみが乾くまでの間のお話なんですが
単なる甘い恋愛話ではなくて、人としての深い暖かさが感じられました。
薬から立ち直ろうしているデルトロに恋する若い女性もいて
ハルベリーは二人を近づけようとしますがデルトロは見向きもせず、
やはり、心はハルベリーにあるんですよね。
だけれど、ハルベリーに手を出さない・・・・

子供たちとの絡みもすごく暖かくて。

スサンネの筋の通った感性が漂う作品でした。
アメリカ映画であっても、ちゃんとスサンネの作品であり
しかも、ちゃんと成長して完成度の高い作品となっていたので
観てよかったな・・・と思いました。

私は、いろんな映画を観ますが
(過激でシニカルな作品も)
でも、一番好きな作品となるものは、やはり心が暖かくなる作品
それも、子供っぽいものではなくて
人間らしさ、人間の心情を描いているものに心が惹かれます。

余韻の残る作品が映画に限らず、私はとても好きです。