西表島 POLEPOLE アウトドアツアー

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沖縄県カヤックガイド協会 認定ガイド更新講習

2017-04-19 22:48:26 | 安全への取り組み
沖縄県カヤックガイド協会の平成29年認定ガイド更新講習に参加してきました。

今回は座学の内容が充実しておりました。
まずは宮古島のセブンシーズというツアーショップからお越しいただいた、ガイド業を営む天気予報士の春川講師による講習。



気象に関する一般的な事から天気図記号や気象観測の方法、ガイド目線からの講習内容もあり非常に勉強になりました。
最後には天気図・気象衛星・観測データの正しい組み合わせの選択クイズも登場し、皆頭を悩ませました。

個人的には、気象衛星の画像には2種類あり赤外画像と可視?画像がある、というのは知らなかったので恥ずかしかったです。
雲が発生する層によってどちらの気象衛星画像に載るのかが違うそうです。
ちなみに気象庁でいつも見ているのは高層の雲が映る赤外画像でした。
※間違えがありましたらご指摘願います。







続いて、沖縄本島の浦添総合病院 救命救急センターの医師 岩永講師による講習。
現役の救命救急士でありながら、シーカヤックやサバニ大会に出場するなどアウトドアアクティビティも楽しむ立場の目線によるガイド向け講習内容でした。



まずは熱中症について。


これからの季節、熱中症はツアーの中で一番高確率に起こりうる要注意すべきものです。
ここで勉強になったのは、高い湿度が熱中症の発生をかなり加速させるという事と、熱中症患者が搬送されるのは夏ではなく夏直前の初夏が一番多いという事。
事例に基づく解説があったりデータを公表いただき、非常に分かりやすい内容でした。



防ぐことが困難なハチ、他には食べ物などによるアレルギー反応の「アナフィラキシーショック」について。
もうこれは西表山中で発生してしまうと対処のしようがないのですが、前兆を読み取るためのサインや段階など細かく講習いただきました。
運動して初めて起こる食べ物アレルギー症状などの事例も・・・


実践講習では、脊椎・脊髄損傷の疑いがあるゲストの気道の確保方法や搬送方法などの内容が。







その他質疑応答では「こんな病気のお客さんはツアー参加できるのか」や、ちょっとここでは書けない具体的で鋭い質問が飛んでいました。

先生自身も、ガイドたちを前に勉強会を開催するのを楽しみにして頂いていた様で熱のこもった講習。
本当にありがとうございました。



そして場所を移して実技講習。



ウエットスーツが必要ないくらいの水温と気温。
各自のパドリングスキルをサクッと確認し、メインのレスキュー訓練へ。
一人じゃできない内容だけにここぞとばかりに皆で意見を出し合い検証します。

今回のテーマは「ガイド・お客さんの二人乗りカヤックが転覆し、しかもお客さんの体格がよく衰弱して自力で乗り込めない場合のレスキュー方法」です。
なかなか困難な設定をひねり出してもらいました・・・





人数がいると色んな意見が出てきますし、試して考えての結果、2パターンの再上艇させる方法が編み出されました。
カヤックの船底形状によって変わりそうですが。
この時間がもっと欲しかったですね・・・
個人の業者が集まっていますからなかなか出来ない内容でありました。

そしてタイムアップ。
今年は特に充実した内容を準備して頂けました。
遠方よりお越しいただいた講師の方々や役員の方々に感謝致します。
来年もよろしくお願いします。


もうすぐ迫るゴールデンウィーク。
どんどん準備していきます。