ポコピン亭

ポコピンの日々の記録と東方緋想天の戦いが綴られていきます。多分。

お疲れポコピン

2008-08-31 | ポコ日記
ども、ここ数日いつもどおりカオスな夏休みを過ごしているポコピンです。
こんばんは。


何がカオスってもうPCの調子がカオス。

多分ウィルスとかが入ってるんじゃないかなぁ。
一応セキュリティソフトを2~3個突っ込んでるんだけどダメポッポ。
(有料1コ、フリー2コ)
・・・まぁファイアーウォールを全力開放してるから入って当然なんだけどね/(^0^)\
何で火壁を開放してるかというと、有料ソフトの火壁をつけるとなぜかネットに繋がらないんだよね(´・ω・`)
設定とかでちゃんと接続許可(?)は出してるはずなのにメッセも出来ない。

ポコ「あぁもう面倒だから切っちまえ」

/(^0^)\


うん、まぁこんな感じ。自業自得?ナニソレオイシイノ。

ところで最近は本当にMyPCに触っている時間が短い。
時には一日触れない日だってあるくらい_| ̄|○
(メッセに繋ぎっぱなしなのはPCがつきっぱなしでAFKしてるから)
電気代が大変なことになりそうだ・・・



そして昨日は何をしていたかと言うと、午前0時~午前8時までサラ姉達とカラオケに行ってました(ノ∀`)
東方ソングやらBUMPやら歌いまくりです。
軽くバイト帰りですが
はい、実は午前3時ごろから眠かった。けどリアルゴールド(フリードリンク)で頑張れた。
割といいカラオケ屋だったよ!
フリードリンクに加えてフリーアイスもあったし!
アイスクリーム食べ放題ハァハァ。
ブルーベリーソオース最高!!


・・・なんだこの文章。
多分寝起きだから頭がポケポケしてるに違いない。
おっと、リアルタイムに風の人からメッセが飛んできたぜ。
何々、課題が終わらない?
死ぬ気でがんばれヽ(`д´)ノ!!



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(そういえば最近萌えラジオを聴く時間もない。アイポにでも入れて聞こうかな。
・・・メール投稿も出来てないよばかーヽ(`д´)ノ!!)

泣く一歩手前のポコピン

2008-08-26 | ポコ日記
ども、学校の文芸部の批評合宿が終わってフルボッコにされてきたポコピンです。
こんばんは。


どのくらいフルボッコかというと、
「この小説には何の価値もないし何の意味も見つけられない。読む時間が無駄だぜ(^ω^)」
くらいの勢いでどががああああああっとボディーブローを連打される感じ(ポコピン視点。
・・・まぁ、今回提出したのがKASなのは分かっていたがここまでとは・・・


具体的に言うと以下な感じ。

「一人称と三人称がごちゃまぜですげー読みにくい」
「ずっとずっと小さい頃って今中学生だよね?そんなに小さい頃かな?」
「オレンジミントって何?ただ書きたかっただけ?これいらないよね?」
「つーかこのタイトルの意味なに?」
(その他200個以上、もう書くのも面倒・・・


とりあえずポコが考えていなかったところから「そんなところまで突っ込むのかよ」というところまで、
重箱の隅をつつくがごとくフルボッコ。
・・・うん、チャレンジ的に書いた一人称が抜ききれなかった三人称の作品を出すものじゃないね。
ひとまず批評文を全部読んでから1から書きなおすと思う。
もっと内容を濃く練って設定を分厚くしないとやってられない。
いらないものはばっさり捨てて、必要なものだけ残す。
それが評価される作品への道。





・・・・・・・・自分が楽しい小説はポコピン亭で書こう。文芸部では認めてもらえる作品の書き方を学ぼう。



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東方プチネタバレ(?)注意

2008-08-24 | ポコ日記
ども、夏休みなのにそろそろリアルが死に掛けているポコピンです。
こんばんは。


・・・・大変だ・・・PCつける時間はあってもPCをやる時間が・・・


さて、更新はするが特にネタがあるわけではない。それがポコピンクオリティー。
というわけで、現在のポコピン東方クリア(攻略)状況でも報告してみよう。



紅魔→ほとんど未プレイ状態。ホーミング霊夢でノーマルを2コンクリア。
   ばかばか言われるチルノの最初の通常弾でボムを使ってしまったポコは多分負け組。あれって自機狙いの奇数弾?
   お嬢様が見られたのでよしとする。

妖々→サクヤでイージー、ノーマルをノーコンクリア。サクヤの使い勝手の良さは異常。
   攻撃力もあってホーミング性能も良し。マリサと霊夢の間をがっつりキープ!
   音楽隊(4面)の通常攻撃で決めボムするポコは多分負け組。
   EXでとりあえず紫をほっておいて藍しゃまを倒すべく修行中。ちぇんによくぬっころされてやり直す。(らんしゃままで1ボムくらいで行きたいゼ)

永夜→4組ともイージーはAB共にノーコンクリア。単体は面倒なのでやってない。
   結界組でノーマル(B)をクリア。Aはえーりんのアポロでいつも粉砕される。
   とりあえずスペカを集めるためにストーリー(ハード)もコンテニュを駆使しながら攻略して、練習モードでスペカを出し、スペカモードで獲得(練習)する。
   ハードモードからのけーね先生が鬼畜。
   ラストスペルはみすちーとみょんだけ獲得。ほかにえーりんとリグルと優曇華と誰かが居るけど無理ス!
   特に優曇華弾幕難しい(´・ω・`)NOOBにはきついぜ

風神→何とかイージーを安定してクリアできるようになる。
   ボムとコンテニューの仕様が大幅に変わってポコ的にはかなりがっくり。
   とくにボムね。マリサがマスパを撃たなくなったら一体何が残るというんだ!!(注:色々残ります)
   ボムった時のあの輪がトテモ木になる今日この頃。
   ノーマルモードを何とかノーコンクリアしようとするものの文ちゃんに粉砕される。
(椛&文ペアが鬼畜すぐる・・・ボム連打だよ・・・)
   サクヤさんが消えてがっかりする。

地霊→師匠から「この難易度はやべえwww」と言われたので覚悟してやる。
   やっぱりサクヤさんは居ない・・・・・・
   とりあえず気楽にイージープレイする。
   ポコ「鬼だ!鬼だ!なんだこのポロロッカもどき弾幕は!!ぷげらっ!!」
   えぇ、ぴちゅりましたよ。はい。
   2回くらいやり直してなんとかイージーノーコンクリアする(霊夢&西瓜ペア)
   難易度は・・・永夜(easy)よりは高いと思うヨ。むしろほとんどはあれより高いヨ。
   個人的に一番最初に出てくる妖怪(?)が可愛いと思う。桶っぽいのに入ったやつ。
   キャラの萌え化は今後の同人作家に期待。
   
緋想→イージーは一通りクリア。その後持ちキャラをドMこと天子を選んでアーケードモードでコンボの練習を繰り返す。
   スペカ集めもしなきゃだしね!
   一番クリアに苦労したキャラが優曇華。
   コンボ集をまだ見ていない状態でのプレイだったのでとにかく攻撃力がないことないこと・・・
   ひたすら遠距離ビームしかしてなかったよ・・・
   リング型ビームを連打するだけで勝てるゲームって・・・
   とりあえずノーマルモードをがんばってクリアしよう。
   (敵紫のスペカ達が鬼畜。攻撃する時間がねーYO!!)

花映→一通りイージーをクリアしてEXを出す。
   幽香が出てきただけで大喜びするのはこのポコですが何か。
   (だってほかの作品でユウカ見れないんだもの・・・旧作はXPじゃできないらしいし・・・)
   次のフロンティア作品あたりでこの辺とかも出て来ないかなぁ~・・・

文花→完全なる未プレイ。


とまぁ大体こんな感じ(?)
・・・どう見てもイージーシューターです。本当にありがとうございました。
そういえばリプレイってもっと増やせないのかしら(´・ω・`)フォルダ移動させればいけるのかな?
とにかく、東方難しいゼヽ(`д´)ノ!!
基本ロープレ専門でレベルを上げまくってBOSS弱えぇぇぇぇぇ!!なんてやってるポコには厳しいゲームです。
シューティングも格ゲーもできないよヽ(`д´)ノうわぁぁん!!
まぁ、ノーマルくらいはノーコンクリアできるようにしますよ。はい。
ある程度避けて抱えボムしなきゃいけるって偉い人も言ってたしね!(`・ω・´)



・・・え、いやリアルは忙しいんだよ。マジデマジデ。
ただ暇な数分程度ね、ちょびっとだけ、ね?
寝る時間を削ってストーリーモードをちょおおおおっとだけやってるだけなんだよ。
ほんと、ほんとだってば!!



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へろへろポコピン

2008-08-19 | ポコ日記
ども、なんかもうリアルやべええええええええええええなポコピンです。
こんばんは。


なにがやばいってもうね、うん。バイトバイト。
11時に家でて帰ってくるの23時ってなんだよこのバイトヽ(`д´)ノ
夏休み終わったら辞めてしまおうかしら・・・
うん、バイトは時給のほかに近さを選ぶべきだね。うん。

時給900でも近いほうがいいよ、マジデ。


さて、このたびついにポコはIPODを購入しましたヽ(`д´)ノ!!!
160Gだよ!おっきいよ!少し重いよ!
購入いやっふうううううう。

(注:ポコは疲れすぎてすこし逝っちゃってます)

これで天津亭やさぺぽん亭でポコのゲームが出来ます。
携帯を使わなくても音質の良い音楽が聴けます。
・・・次はイヤホン買うか。

そういえば東方用にゲームのコントローラーがほしい(´・ω・`)
1000円のコントーローラーを買ったけどこれはカスすぐる。
せめて3000くらい出すべきだった・・・
(あれ、この話題前にしたっけ、まぁいいか)





とりあえず部屋の掃除がしたいヽ(`д´)ノ!



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ポコピン家族戦略

2008-08-17 | ポコ日記
ども、ポコピン亭(リアル)の住人達(=家族)はつくづく行動の遅い人たちだなぁといわざるを得ないと感じたポコピンです。
こんばんは。


なぜかって言うと今日は送り火大文字の日じゃないですか。
だから午後の二時から『親戚一同集まってお風呂入ってご飯食べて見に行こうぜ♪』って話になったらしいんですよ。
まぁ特に興味はないけれども家族員としてポコも行かざるを得ないわけです。
ので、朝起きて準備してPCして1時55分ごろにPCの電源を切って、
「さぁ行こうぜ!」とポコの部屋を飛び出したら、



ポコ弟「今お母さん達ケーキか何か買いに行ってるよ」



(っ`・ω・)っ|)  →    →   ―)゜д゜)→
ななななんだって?!
予定出発時刻になっても帰ってこないポコ母&父。
帰ってきたのはもう3時近いころだという・・・
ヽ(`д´)ノんもう!!!

そして、出発して親戚集まってお風呂に入ってご飯を食べました。
ご飯はコース料理で料理が出てくるのがすごおおおおおおおおおおおおおく遅いの(´・ω・`)
一つこじんまりとしたのが出てきては五分以下で食べ終え、次の品が出てくるまで20分以上という超ゆっくり。
これが美味しく楽しく食べられるようになるまでは半人前か・・・


とまぁそのままゆっくりして、さぁ行こうと大文字が見える場所まで行ったわけです。
「あれ~?大文字みえねえなぁ~?」


大文字送り火時間→午後8時
現在の時間→午後8時30分

→送り火終了しています。



     \\\
   (⌒\  ∧_∧
    \ ヽヽ( ´_ゝ`)ゆっくりした結果がこれだよ!!
     (mJ     ⌒\
      ノ ∩兄 / /
     (  | .|∧_∧OKOK。
  /\丿 | (    ) 兄者マテ!ときに落ち着けって!
 (___へ_ノ ゝ__ノ



なんだよ大文字を見に着たんじゃないのかよ!ちょっと落ち着いてくれよポコ族一同!!
仕方がないのでそのままポコ爺亭へ(´・ω・`)

予定帰宅時間→22:00


22:40
ポコ「まだかなぁ~(;´д`)」
ポコ母「そろそろ帰ろうか~」
ポコ父「おう、そうするかぁ」
ポコ「( ゜∀゜)」


帰宅準備開始時間→23:50

ポコ「・・・・・・・・・・・・・」

    ∧_∧
    ( ´_ゝ`)     
   /    \    
.  /       │      
  ( ニつ   ニ⊃  
   ∥ ∥│∥  ∧_∧
   ∥ ∥│∥ (´<_`  )Σ   (´⌒(⌒´⌒;;; │  .| .|
 (´  (´⌒;  ;;;;;;   .| .|  
 (´⌒___;;;;_   .| .|____
  ̄           (u ⊃ 



そしてこんな時間です。
なるほどポコピンが家族行事が嫌いな理由は主にこれか・・・・・・




そして、いよいよポコが次の小説に取り掛かり始めました。
予定では、あくまで予定では150枚くらい(単行本計算300P)のファンタジー物を作るはずです。
しかしそこはポコピン。
過去にファンタジーを作って大失敗しています。あぁ怖いファンタジー。
何事も挑戦だと信じてがんばるヨ。
・・・夏休み中に完成するとイイナ。



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回れ舞われ廻れ周れ

2008-08-15 | ポコ日記
ども、今日は今日とてくるくる回るポコピンです。
こんばんは。


さて、日付が変わってしまいましたが決してサボったわけではありません。
今帰宅しマスタ

バイトが13時~21時半まであって、
22時までバイト先でシフト確認とかをしていて、
22時20分の電車にこりゃあ乗れないな、ってことになって、
だからゆっくり歩いて駅まで行って、
途中お腹が減ったから和食のさとに行ってカレーウドンを食べて、
エーリンエーリン助けてエーリン、
電車に乗って、
ゆっくり揺られて、
電車を降りて、
歩いて帰ってきて、
気がつけば0時を回っているという・・・


助けてえええええええりいいいいいいいいん!


まぁ、高時給なバイトで一日1万円とかウマウマなので文句は言わないが。
往復する時間を有意義に過ごす方法を考えねば。


明日(十五日)は久しぶりに麻雀だぜ!
天津君は居ないけれどポコとジャージとにゃんぷーと多分ザ・サン辺りでがっつりだぜ!
楽しみ楽しみ♪


っていうかこれいつ小説書くんだヽ(`д´)ノピアノ練習も!!
典型的なダメッ子、それがポコピンクオリティー。


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バイトは大変なのです。

2008-08-13 | ポコ日記
ども、いよいよバイトを始めてお金を集め始めたポコピンです。
こんばんは。


とりあえず聞いてくれよママン(´・ω・`)
某超大型パチンコ店の時給が1300円だったからそれに応募してバイト採用されたんだけどさ、
なかなかきついよこのバイト(´・ω・`)
8時間くらいドル箱の上げ下げヲずううううううううううううううううっと。
そりゃあ足も疲れるってなのヽ(`д´)ノ!!
まぁちょびっと休憩はあるけど。

何よりもその場所が遠いんだ。
ポコ亭からまず歩いて10分の駅に行き、そこから4駅分電車に揺られ、その後25分歩いてバイト先へ。

・・・・学校へ行く6倍以上の時間Σ(゜д゜)

レンタサイクルでも借りればかなあああああり楽になるんだろうけど、
生憎そんなお金はねえヽ(`д´)ノ金ヨコセー!!


幸い天津君と二人で行き来しているから退屈ってことはないけれども、
やっぱり歩くのは疲れるぜ(´・ω・`)
まぁダイエットだと思えばがんばれる・・・かも・・・ウサ。

大丈夫、忍耐だけは人一倍あると信じているからヽ(`д´)ノ!!

というわけで明日も昼から夜までバイトだよ!
PC触れるのもこの時間だよ!うへぁ!
バイトって大変なのね!!

忙しいわけじゃないのに更新できてない!!

2008-08-12 | ポコ日記
ども、ここ最近夏休みのはずなのにPCを触っている時間が夏休み前よりも少ない気がするポコピンです。
こんばんは。

おかしいなぁ・・・時間はあるはずなのに・・・
外出時間が増えたということだろうか。
まあ最近ずっと天津君かジャージの家で麻雀タイムだから。


さて、とりあえずいろいろあってやっと更新だよヽ(`д´)ノ
もう色々書きたいけどとりあえずメインからだね!


土曜日
メイン『テイルズメンバーとオフ会』
ポコとサラ姉とポキたんとにゃんぷーでオフ会という話が出たのですよ。

というわけでオフってきたよ土曜→日曜と。
ポコ亭の最寄駅に集合ということになっていて、サラ姉とポキたんは先に着いているらしい。

ポコピン携帯が光る。サラ姉からの着信。

ポコ『もしもし、ポコです。ペコじゃないです。ポコです』
サラ姉『ぽこー、今駅にヤンキーみたいな人と居るからー』
ポコ『や、ヤンキー?(((゜д゜;)))』
サラ姉『じゃーちょっとヤンキーと代わるヨ』
ポキ『もしもし、ポキです』
ポコ『ども、ポコです。ピコじゃないです。ポコです』
ポキ『今ねー、ヤンキーみたいな女の人と一緒にいるからはよきてー』
ポコ『(((゜д゜;)))これなんてヤンキー祭?』

サラ姉『遅刻すると鉄拳だからね♪』

プツッ。ツーツーツー。

ポコ『(´・ω・)遅刻するとグーだから早く行くにゃんぷー』
にゃん『サラ姉の鉄拳(*´д`*)ハァハァ』
ポコ『もうだめだこいつ早くなんとかしないと・・・』

がんばって歩いたよヽ(`д´)ノ6分遅刻したけどね!
サラ姉とポキたんと合流。
ヤンキーじゃないよヽ(`д´)ノただ若いだけだよ!多分!


それから多数決(だっけ?)か何かでとても謙虚に晩御飯の焼肉が決定して、電車で移動することに。

電車から降りて歩くこと10分くらいで焼肉屋到着。

(リアルタイムでお腹が減ってきたヨ←8/12・2:43)

フリードリンクを頼んでにゃんぷーにパシらせたあと乾杯・・・あれ、確かこのときは乾杯してなかったか・・・
まあいいや、とりあえずご飯タイム。
お肉とお肉とお肉をもりもり食べるよ( ゜∀゜)かわいそうな薄いカボチャやこげこげの獅子唐はにゃんぷーのお皿の中にポイッ!
店員がお肉を持ってくる回数の3倍くらいの数をにゃんぷーにパシ・・・頼んで飲み物を持ってきてもらう。なんて優しいんだにゃんぷー(ノд`)
ということをやっているうちに割りと皆お腹いっぱい(´・ω・`)
ポコはご飯(中)を頼んだんだけどこれが割りと量があるんだ。
ガ○トとかビ○クリドンキーとかのライスは大でようやくノーマルサイズみたいな盛り方なのにここは違ったね。
中で軽く丼分くらいはありそうだったよ。
にゃんぷーもご飯(中)、ポキたんは大を頼んでたんだ・・・
それでポキたんのを見て『あ、ご飯(中)ってそんなもんか』と思ったのが間違いだった。
ご飯(小)で十分だったね。うん。
ユッケ美味しかったよ( ゜∀゜)タレいっぱい!


食べ終わってゆっくりしてから次はカラオケタイム。
何故カラオケかって?そこにカラオケがあるからさ!!
割と繁盛しているらしく入場までに少し待機。
20分くらい待ってようやく突入。

ポコ『東方ソングのあるJOYならいいのにねぇ(´・ω・)』
にゃん『だなぁー』
ポコ『ジョイじゃなかったらポコは一気に一般人ロードを走り続けるよ(´・ω・`)』
店員『DAMになります(^ω^)
ポコ『ΣΣΣΣΣΣ(゜д゜)!!!』

その後トイレで血の涙を流したとか流さなかったとか。
で、仕方がないのでほにゃほにゃしているうちにサラ姉が『エアーマンが(ry』を入れて、
なぜかポコにマイクを渡す
ちょwwwしょっぱなから全開すぐるwww
仕方がないので歌いはする・・・が、自分でも分かるへちょさ(´・ω・`)ナンダコノ声。
なんて思っているとマイクを握ったポキたんが突如美声で歌いだす。
どんな声かというと『ニコニコで大人気のゴム』と似たような声。

ポコ『この声を聞いてくれ・・・こいつをどうおもう・・・』
にゃん『すごく・・・良い声です・・・』

それから・・・何歌ったっけ?
たしかにゃんとサラ姉が一曲ずつ歌ったんだけど・・・だめだ、思い出せない。
その次に歌ったポコの『ぺちゃぱい』が頭にぃぃ_| ̄|○
(ぺちゃぱい・・・ブリーフ&トランクスの曲。ぺちゃぱいを応援する歌)
ぺーちゃぱい♪というところを男陣全員で歌う度にサラ姉から反撃がきたのは今となっては良い思い出。
(主に反撃を受けていたのはポキたんでポコは無傷)


しかしその後、店員にJOYの部屋に変えられないかと訊くと、OKとの声が。
ヾ(*’ω’)ノ きいいいたあああああ!!
そりゃあもう大喜びでさあ。
もそもそと移動してジョイの部屋へ。
ジョイよ!ポコは帰ってきたああヽ(`д´)ノ
それからはさらにカオスだった。

とりあえず最終鬼畜彼女をにゃんぷーと共にカオスに歌い、
東方ソングをぶちこんで歌い続けたヨ。
ポキたんもサラ姉もがっつり歌って、気がついたら二時。

・・・・・・二時(   д)  ゜゜!?!!?

日が変わってる!!?
いやポコの時計が進みすぎているに違いない。

ポコ『にゃん!今何時!』
にゃん『二時(´・ω・`)』
ポコ『( д)   ゜゜』

はい、軽く日が変わってます。
6~7時間くらい歌ってたんじゃないかなぁ・・・アラタイヘン。
とりあえずそんな感じで、疲れが出てきたのでカラオケを出てみんなでサラ姉の家にお泊りすることに。
コンビニによって、
お菓子を買って、
がっつり飲んで、
映画を一本中途半端に見て、
途中でおにぎりの買出しに行って、
帰ってきて映画の残りを見て、
『うーん、よくわからん映画だぜ(´・ω・`)』ってことになって、
空が若干明るくなり始めて、
ポコ撃沈。


そして日曜日はポコは伏見まで家族と共に花火大会を見に行かなければならなかったので、朝9時ごろにサラ亭を旅立つ。

伏見花火大会はまた別の機会に(´・ω・`)



とりあえずサラ姉、ポキたん、後にゃんぷーサンクスヽ(`д´)ノお肉ウマー
次のカラオケまでにはちゃんと歌えるようにしておきます。
とくにペチャパイとかペチャパイとかペチャパイとk(ry



さて、そろそろ空が明るくなりそうな時間だぜ。
最後のほう日本語あってるだろうか、それも心配になるほど眠いゼ。
とりあえず明日(今日)はバイト二日目だヽ(`д´)ノ多分シフトとか決めると思う。
予定の入っている日以外はがっつり入れたいなァ。特に平日。
とにかくお休み!また明日(今日)更新・・・できるといいな!!

ほんの一部ネタバレ含む

2008-08-08 | ポコ日記
ども、東方ゲーム『緋想天』をゲッツしたのでひとまずイージーモードを全キャラクリアしていたりするとブログも放置気味に鳴っていたポコピンです。
こんばんは(多分日本語あってない


とりあえずここ2~3日はすごくカオスだったんですよ。
特に土曜日あたりから、

→土曜日
いつものように天津亭で麻雀大会が行われる。
もちろんポコのスコアはマイナス/(^0^)\師匠の一人勝ちかよ!
師匠の強さは半端無いゼ・・・
そのまま徹夜で気がつけば日曜日の午前6時になっている

→日曜日
天津亭の麻雀大会解散してから帰宅して睡眠をとる。
大体お昼の2~3時に起床。なんというぐーたらな生活。
で、東方の永夜抄のスペルプラクティスモードを頑張る。
ようむのラストワードゲット出来て泣きそうになる。
(114回目で取得)
調子に乗ってエクストラに挑戦してキモケーネに抹殺される。


→月曜日
暇な人間(ポコ+天津+ザ・サン+ジャージ)がジャージ亭に集まって麻雀をする
大体15時から初めて火曜日の午前3時くらいまで。
もうね・・・アホカトバカカト(´・ω・)
珍しくポコの戦績がプラスになる。
帰宅後すぐに就寝したのでブログ更新できず。

→火曜日
暇な人間(ポコ+天津+ジャージ+師匠)がジャージ亭に集まって麻雀を(以下略

→水曜日
暇な人間(ポコ+天津+ジャージ+ザ・サン)が天津亭に集まって麻(以下略


・・・なにこの麻雀に侵食された生活・・・
多分3日で軽く24時間麻雀を超えてるよ!大変!
でも楽しいからいいか(´ヮ`*)(ぁ

それというのもこの超密度の麻雀会には(多分)理由があるのです。
夏休みが終わると師匠が土曜日に学校の授業が入るので麻雀大会に参加できなくなります。
さらに会場提供者天津君も夏休み以降土曜日は都合が悪くなるようです。
ということは土曜日の宴会がなくなるかもしれないヽ(`д´)ノなんてこったい!
週一回の唯一の楽しみ(?)が無くなってしまうのはかなりの痛手です。
一体ポコは憩いの場をどこに求めればいいというのか!
(ネットの中とか言った人は表カモンヽ(`д´)ノ)

まぁ、恐らくは天津亭がムリになった後はジャージ亭でほそぼそと開催されるとは思いますが、
ジャージ亭は色々な事情で徹マンが出来ないんだよなぁ(´・ω・`)じゃらじゃらうるさいしね。
このまま宴会が消滅してしまわないことを祈るばっかりです。




話し変わって、現在ポコピンは緋想天をがっつりプレイ中( ゜∀゜)
コントローラーも買ってがりがりプレイしているのだけれども・・・
コントローラーが安物なので凄くコマンドが入れにくい_| ̄|○
所詮1000円のコントローラーか・・・せめて3000円くらい出すべきだったか・・
コントローラー選びは慎重にねヽ(`д´)ノ

緋想天はとりあえずストーリーモード(イージー)を全キャラクリアしたけれど、
なかなかお話は好きだよポコピン(・ω・)
クリアするたびに色々解明(?)されていくのがいいね!とお話として当然のことを言ってみるテスト。
天子がドMと言われる理由も分かった気が・・・

でも個人的に天子の立ち絵は好きヽ(・ω・)ノ!
お姉さん的な顔立ち!
でもすいかが好きだぁあヽ(`д´)ノ


で、
ようむを使って知ったけれど鞘のところに花があるんだね(´・ω・`)何の花だろう?


そして、まだまだ使い慣れていないせいかレイセン様(別名新参ほいほい)が使いこなせないヽ(`д´)ノ
イージーモードで唯一のコンテニュー使用キャラ。
強射撃の発射速度が遅すぎるぜ!これは使わないものなのかな。
弱射撃はべらぼうに威力が低いぜ!ポコの気のせいなのか。
というわけで基本打撃のみで攻略。
ただゆかりんと対決中にゆかりん最初のスペル(名前忘れた。円形に弾を飛ばすやつ)に大苦戦。

流石ゆかりん。つええええ(´ヮ`*)

と一人納得していたのは内緒。
うん、全体的につかりンのスペルは強いと想うぜヽ(`д´)ノ
練習しよう。

スイカを誰よりも使いこなせるようになるその日までヽ(`д´)ノ!

おやすみポコピン

2008-08-04 | ポコ日記
ども、一度記事を書いたのにエラーで消えてぐったりなポコピンです。
こんばんは。


寝る前に書こうかなーとか思って寝ぼけてたのかメモ帳に書かずにこっちに書いた結果がこれだよ_| ̄|○
うぅ・・・眠気からか頭痛がしてきた・・


というわけでグッスリ寝ます。
お疲れポコピン。おやすみポコピン。
次に起きるのは10時間後・・・ZZZZZzzzzzzzzzz

ついにUP完了

2008-08-02 | ポコ日記
ども、やっとこさ上げるあげると言いながらUPしなかった物をUPしたポコピンです。
こんばんは。


なんとか自然消滅せずにすんでよかった!!
相変わらず見るに耐えないポコ小説かもしれませんが、よろしくお願いします。
(特に風の人がんばれ)


さて、夏休みに入ってぐーたらな一日を過ごしています。
・・・これはまずい。ごくつぶしと言われても文句の言えない生活っぷりだ・・・
というわけで、バイトを見つけましたよヽ(`д´)ノ!!
ポコ亭から電車で3駅!歩いて15分!
学校へ行くよりも時間のかかる場所にあるパチンコ屋で働くことになるよ!(多分
そのパチンコ屋っていうのがかなりヤバイ場所で、日本最大級のパチンコ店舗らしいんだ。
年間一兆↑の稼ぎとか言ってたか・・・まぁそんなところ。
だから時給も半端無いよ!やばいよ!
最低時給1300円。最高時給1630円。
・・・どこぞのバイトの倍くらいの値段してるんじゃないだろうかこれ・・・
平日1日、土日1日の週2日を最低出勤すれば後は入れたい放題。
一日の勤務時間が8時間だから、週2回で入れても、
1300円*8時間*2回*4週間=83200円
・・・・(  д)    ゜゜
これは凄い・・・
だからどんな内容なのかすっごく不安だよヽ(`д´)ノ
恐らく接客から品だし入れまでやらされるとは思うけどそこはポコピン。
応用レベルは皆無だが、言われた仕事は100%こなすぜ( ゜∀゜)!!
ポコの辞書に臨機応変なんていう言葉はない!!!

・・・新しい辞書買って来よう_| ̄|○


そして8月の間は週4回入れる予定だから単純に↑の倍、16万ほど稼ぐ予定。
まぁバイトが始まるのが多分8月6日~だから稼げるのは13~4万くらいとは思うけど。
なんにせよこの時給なのだから、辛い仕事でも文句は言えない。
接客嫌いを直すチャンスだぜヽ(`д´)ノ!!

・・・・これはお仕事なんだ!と割り切ったら楽だろうか。


8月の5日にバイト先見学会なるものがあるので、そこで色々質問してきます。
意欲を見せないとねヽ(`д´)ノ!!



web拍手を送るとポコ力を得ることが出来ます(´・ω・)



MoeVoiceRadio


ポコピン亭は萌えボイスラジオを応援しています。

まえがき

2008-08-02 | one day-小さな子犬の鳴かせ方-
ポコのものを読むに当たっての注意事項をよく読み御理解いただくようお願いします。

注意事項
1:気分が優れない時は無理をせず、目や体を休めてください
2:途中で吐き気やめまいなどに襲われた場合、すぐに中断し、体を休めてください
3:なんてったってポコ作品です。過度の期待はご遠慮ください。
4:単行本にして約44Pです(予想読破時間30分
5:例によってリアルポコピン関係者にはとてもじゃないが見せられんとです。もし見るというならばポコピンの左前辺りにいつも居た【松の尾っぽは何色だ?】さんの携帯の受信フォルダが大変なことになります。やめてあげましょう。
6:かなり気温がやばいことになってきました。体調管理に気をつけましょう。
7:文字数の関係でぷちぷちと本編が切れています。ご了承ください。
8:それにしても暑いなぁ。夜なのに。でもポコの普段着は長袖長ズボン。黒で!
9:お、今回は大分注意書きがカットされて短くなった。良いことだ。
10:注意書き終わり。


読む準備はできましたか?
読む勇気はもてましたか?

少しは面白いかもしれません。
凄く面白くないかもしれません。
それでも優しく笑ってあげてください。
両手いっぱいの幸せが訪れますように。

では、『one day -小さな子犬の鳴かせ方』をご覧ください。

小さな子犬の鳴かせ方『1』

2008-08-02 | one day-小さな子犬の鳴かせ方-
 私がずっとずっと小さかったころの話。
 卵からヒヨコが生まれて、大きくなるとニワトリになることを知った。
 学校で先生が見せてくれたビデオに映っていたヒヨコは凄く可愛かった。
 黄色いふわふわした羽毛と、護ってあげたくなるような瞳。
 本当に愛らしい姿だった。
 だからその日、家に帰るとすぐに卵を温め始めてみた。
 コタツの中で、優しくタオルに巻いた卵をおなかの辺りでぎゅっと抱きしめた。
 今でも「まだかなー、まだかなー」と言いながらわくわくしていたことを良く覚えている。
 でも、その日の夜のこと。
 私が卵をコタツの中に入れたままトイレに行っている間に、お母さんが冷蔵庫の中の卵が足りなくなったからと私の卵を盗んでオムライスにしてしまった。
 たくさん泣いた。とても悲しかったはずだ。
 卵からは可愛いヒヨコが孵るはずだったのに、オムライスになってしまったなんて。
 どのくらい泣いたかなんて覚えていない。ただお母さんの作ったオムライスが美味しかったことは覚えている。
 ご飯の後にお母さんが「この卵はね、無精卵といってどんなに暖めてもヒヨコは出て来ないんだよ」って言ってくれたけど、当時の私はきっと何を言っているのか理解していなかったのだと思う。分かっていれば泣き疲れて眠ってしまうほど泣きはしなかっただろうから。
 今思えば、少し考えれば分かることだったと反省している。
 そもそもスーパーの格安売り尽くしセールでお母さんが百円ちょっとで買ってきた卵でヒヨコが孵るわけがない。
 もし孵ってしまったらそこらじゅうヒヨコだらけになることは間違いない。
 本当に馬鹿な子だったんだなぁ、私は。
 とまぁ、そこまでなら単なる幼い馬鹿で可愛い昔話で済んだのだけど……。
 私はまた同じ過ちを犯してしまった。
 中学三年の夏、私はテニス部を辞めた。
 一応形の上では引退というふうになるのだが、私はテニス部を辞めた。
 そう、テニスをやめたのだ。
 中学最後の夏季大会。
 部活動三年間の中で最も思いの強い大会となる。
 そこで優勝とはいかなくても全力で力を出し切れれば悔いは無いだろうと、大会に向けて夏の蒸し暑い中、精一杯に練習した。
 夏休みだというのにわざわざ学校へ行って、朝から夕方まで球を追いかけ回したり、とにかく一心不乱に頑張った。
 頑張った……のに……。
 結果はもう思い出したくも無い。
 一回戦の相手はどこの誰かも知らない、全く名前も聞いたことの無い人。仲間達が「勝てる勝てる!」なんて言うから威風堂々とコートに出陣した。
 が、結果は圧倒的なまでのストレート負け。
 一点も取ることが出来ずに試合が終わって、コートを逃げるように出て行った。
 中学最後のテニス部の思い出がこれだ。泣きたくだってなる。むしろ泣いた。
 仲間の慰めの言葉は優しかったし、応援に来てくれていたお母さんの言葉も温かかった。
 でも、お父さんは違った。
 中学三年生といえばつまり受験生。
 私が夏季大会に出場すると言った時にお父さんは「テニスよりも勉強しろ、今のお前の頭じゃ無事に高校に受かるかわからないからな」と猛烈に反対した。
 その場は何とかお母さんがお父さんを説得して、私は夏季大会に出場することが出来たわけなのだけど、結果がこれだ。
 だからお父さんは試合から帰ってきた私に、
「元々テニスの才能がなかったんだ。いくら練習したところで無駄。無精卵はいくら暖めたところで孵らない事は知ってるだろう。人も同じだ」
 そう言い放った。
 それが私に対するお父さんの最後の言葉となる、予定。なぜなら、
「あれが部活動を頑張った娘に対する父親のセリフかっての」
 独り言をぶつくさと言いながら瀬戸原里奈は大して人通りの多くない通りをとぼとぼと歩いていた。
 その背にはこれから登山にでも行くかのような大きなリュックを背負い、お気に入りのジーンズのポケットにはぱんぱんに膨らんだサイフが突っ込まれている。
「そりゃあ確かに頑張って練習しても大してうまくならなかったし、トーナメントのほかの枠に入ってても多分結果は変わらなかっただろうけどさ。親ならもっと優しい言葉をかけるでしょ普通。もう絶対帰ってやらない。顔も見たくない」
 現在、里奈は父親と大喧嘩をして家出中の身である。
 帰宅後の父の言葉を聞いて、心が燃えるような、身体の中で何かが爆発するような衝動を感じた里奈は、気がつけば家出をする準備をしていた。
 家にある中で一番大きなリュックに可能な限りの荷物を入れて、家を飛び出した。
 背中のリュックには着替えや日用品などがとにかくたくさん詰め込んであり、サイフのなかには貯金箱に入っていた全部のお金が詰められている。
 家を去る時、母は何とか里奈を考え直させようと説得したが、里奈の決心は揺るがなかった。
 その時父が説得に来なかったことも決心を固める原因の一つとなっている。
「娘が家出するってのにあの人は心配もしないのかよ、なんだよ『車に気をつけてな』って。遊びに行くんじゃないっての、家出するの私は。い・え・で!」
 一通りの不満を吐き出した後、はっと口に手を当てて黙った。
 人通りが少ないとはいえ、決して無いわけではない。
 つまり少量とは言え人は居るわけで……。
 その人達は一様に里奈を変な物を見る目で見ていた。
 あぁ、暑さで頭が変になっちゃったのね、可愛そうに。そんな感じの目。
 巨大なリュックを担いで、大声で独り言をぶつぶつと言い続けている里奈の姿は確かに異様だった。
 その視線に気づき、一瞬思考が停止した後、里奈は全速力で走り出した。
 ――――は……恥ずッ!
 大きなリュックを背負っているにもかかわらず軽やかすぎる足取りで全力ダッシュを繰り出すその姿は………………やはり異様だった。

 恥ずかしさで顔を真っ赤にしながら走っていても、ただ当てもなく走っているわけではない。
 これからお世話になるであろう親友の紀和美紀子の家に向かって走っているのだ。
 美紀子の家は両親が共働きで揃って帰宅時間が遅く、しかもここ最近は仕事場で寝泊りしているようで家に帰ってこないことが多いらしい。
 食事はほとんど美紀子が自分で作っていて、今までに何度も泊まりに行って一緒に夕飯を作ったこともある。
 家出準備中に携帯で美紀子にメールを飛ばしてみたところ『余裕でおっけー♪ カモン♪ カムオン♪ かもんかもん♪ お菓子ヨロー』という謎の言語と共に了承メールが帰ってきた。
 ヨローというのはヨロシクの略語で、インターネット上での挨拶らしいが、全然パソコンに触れたりしない里奈にはよく分からなかった。
 走っている間に時刻はもう午後の七時を回り、空は茜色に染まりつつある。遠くのほうの空でカラスが小ばかにするような声で鳴いているのが聞こえる。
 足の速度を次第に緩め、走りから歩みへとチェンジする。元運動部とはいえ流石に走り続けるのは辛い。しかし今、何より辛いのは、
「……お腹減った」
 空腹である。
 お昼に食べたランチなんてものはとっくの昔に消費されていて、育ち盛りな里奈の腹の虫は「食べ物よこせー」とでも言うようにグゥーと鳴いた。
 腹の虫が鳴った瞬間、はっとお腹を押さえて周りをきょろきょろと見渡した。
 よかった……誰も居ない。
 周りに誰も居ないことを確認し、ほっと胸を撫で下ろした。が、顔は何処となく赤くなっている。
 ご飯、そうだとりあえずご飯を買おう。そういえば美紀子もお菓子ヨロシクって言ってたしね。ヨローだっけ? まぁいいや。
 里奈は美紀子宅へ向かう道を少しずれて、スーパーへ行くことにした。
 元々小さな町で人口もそれほど多くは無い、と思う。多分。調べた事は無いからわからないけど。
 夕方遅くになると町を歩いている人なんてほとんど見かけなくなる。
 事実里奈がスーパーへ向かい出してからそこに到着するまで、すれ違ったのは犬の散歩をしていたオバサンと、仲の良さそうに話しながら自転車を押して歩く男女が一組。
 ぐぅ~。
 そうだ、今はとにかくご飯!
 里奈はもう一度恥ずかしそうに周りを見渡しながらスーパーの中へ入った。
 中はクーラーが寒いくらいにきいていて、汗ばんだ肌を急速に冷やしてくれた。
 外と同じように店内にも人影は少なく、店員を除けば三人程度だろう。そのうち潰れるんじゃないかこの店、と少し心配してみたりした。
 そんなことを考えつつも入り口付近に置いてあるカゴを持って食品コーナーへ足を運び、ディナーはどれにしようかと悩み始める。
 今日はスパゲッティにしようかなぁ、それとも夏だし暑いしお蕎麦とか。むしろ昨日一昨日とカレー続きだったから何でもいい気分なんだけど……。
 よし、間を取って今日はソーメンにしよう。
 棚に並んだ数種類のソーメンの中から一つ選んでカゴの中へ放り込んだ。
 次は……お菓子と飲み物っと。
 食品コーナーを離れてドリンク類の並ぶ涼しい棚の前に移動する。
 うーん……と棚を順々に見ていると、少しばかり気になるものが目に入った。
『激爽! 死ぬほどすっきりオレンジミント!』
 と書かれたペットボトル。
 じゃなくて、
「……子供だ」
 飲み物の置いてある棚から少し離れたところにある惣菜パンコーナーに男の子が居た。
 小学校の低学年くらいの可愛らしい男の子だ。
 スーパーのパンコーナーに男の子が居る、というシチュエーションは全く特別でも気になることでも何でもないのだが、その男の子の様子がどこか挙動不審なのだ。
 やけに周りを気にしてきょろきょろしている。
 何やってんだろ……?
 一瞬首を傾げたが、店に入る前に空腹時の音色を奏でた時のことを思い出し、すぐに消し去った。
 そんなことをしている間に男の子はパンの一つに手を伸ばし、ポケットの中に押し込んだ。
 あー……これはあれですか。マンのビキというやつですね。確か十年以内の懲役か五十万円以下の罰金になるからやめとけって社会の佐藤先生が言っていたやつ。
 懲役、罰金、つまりそれは犯罪なわけで、
「ちょっと待ったぁぁぁぁ」
 気がついたら衝動的に男の子の元へ駆け出していた。
 男の子は突然の里奈の声にびくっと小さな体を硬直させ、しかしすぐに逃走体勢に入って走り出した。
「元テニス部なめんなよ!」
 リュックもカゴもそのままに全力で走る姿はなんとも不気味だったが、何とか里奈は男の子の手を掴んで確保することが出来た。
「離せ!」
 男の子は里奈から逃げ出そうとぶんぶん腕を振って抵抗するが、中学三年生と小学生では力に差がありすぎる。よって、
「離せよ!」
 うるさいほど口から離せコールが出たところで里奈の手は少しも離れる事はなく、やがて疲れたのか大人しくなった。
「ほら、盗った物出して。さっきのパンだけ?」
「そうだよ」
 諦めた男の子はポケットからカレーパンを取り出して、不機嫌オーラ全開で里奈に手渡した。
 無理矢理ポケットに入れられていたせいで形が随分いびつになったカレーパンをひとまずカゴに入れておくことにして、男の子の手を解放した。
「何でカレーパンがほしかったのか知らないけどほしいならお母さんに買ってもらいなよ。万引きなんてしたら将来絶対後悔するから、って佐藤先生が言ってたし……」
 なぜか脳内に登場してきた佐藤先生の念を払いながら注意をすると、彼は口を尖らせて、
「別に…………もう…………――――――」
 と小さく呟いた。
「え?」
 何のことを言っているのか分からず里奈が頭の上にクエスチョンマークを出すのと同時に、男の子は店の外に走り去って行った。
 よく分からない言葉と突然の疾走で呆気にとられ、その姿をぼんやりと見ていた里奈はすぐに我に帰ることになる。
「ちょっと、このパンどうするのさ!」

小さな子犬の鳴かせ方『2』

2008-08-02 | one day-小さな子犬の鳴かせ方-
「それはまぁドンマイってことで」
「今日はもう大変だよ……本当に……」
「めげないめげない、そういう日もあるって」
 美紀子の家に到着して中に入れてもらった後、先に風呂を借りて汗を流してから、彼女のベッドに深々と倒れこんだ。
 美紀子はいつもと同じように定位置である回転イスの上で、なぜか胡坐をかきながらくるくる回っている。これもすっかり見慣れた光景。
 結局あの後ぐちゃぐちゃになったカレーパンを元の棚に戻すわけにも行かず、結局里奈が購入することにした。
「昨日もその前もカレーだったんだし、せめて別のパンにしてくれーって感じ」
 ベッドの上でパン屑をこぼさないように気をつけながら潰れたカレーパンを食べる。
 夕食は美紀子と一緒にソーメンでも食べよう、と思ったけどよく考えてみればソーメンは湯を沸かすのにそれなりな時間がかかるわけで、そんなにお腹の虫達は待ってくれないわけで、となると今すぐにでも何かを食べたい私はカレーパンを食べるしかない。
 形は悪いがそれは間違いなくカレーパン。小腹を満たすには十分な量がある。
 もぐもぐ、はぐはぐ、ごくり。
「ご馳走様でした」
「ご馳走って言うほどのものでも無いけどね」
 パンの袋をゴミ箱にシュートして、これまたなぜか購入してしまった『激爽! 死ぬほどすっきりオレンジミント!』とペットボトルに書かれた飲料水の蓋を開ける。
 一体どうして買っちゃったんだろう、という念を抱きながらも一口飲んでみる。
 すると急に喉の辺りが気持ちいいくらいに冷たくなって、次第に冷たさを増していく。オレンジとミントの香りが鼻腔をくすぐって、痛いくらい呼吸がスムーズになって、
「……けほっ、かはっ!」
 盛大にむせた。
 何これ……本当に飲み物? なんかの薬を原液のまま飲ませてるんじゃないの?
 口元を押さえてペットボトルを睨みつけながら蓋を閉めた。
「あー、それびっくりするほどまずいっしょ。あたしも初めて買ったときはびっくりしたわ」
「みっきーも買った事あるんだ……」
「友達に騙されてね、そいつがやたらうまそうに飲むから買ってみると大変だった」
 その友達は多分勇者か何かに違いない。こんな大変な物を美味しそうに飲むだなんて、里奈にはさっぱり理解できなかった。
「とりあえず飲まないなら冷蔵庫にでも入れときな、ついでにお湯も沸いてるだろうし麺投入しよう麺」
「……そだね、入れてくる」
 里奈はベッドから降りて、もう二度と飲まないであろうオレンジミントを冷蔵庫の中へ投げ入れた。

 美紀子が用意してくれた大鍋のお湯に里奈が買ってきたソーメンを入れて、数分後にそれをザル取り出して水で洗って完成。
 何度も泊まりに来ているので食器がどこにあるのか、冷蔵庫のどこにらへんに何が入っているのか、などという事は大体知っている。
 いつもと同じように冷蔵庫の中から必要なものを漁り始めた。
 えっと、たしか麺つゆは野菜室の手前で、チューブの生姜は大扉の左上で、ごまは…………あれ、無い。まぁいっか。他に何か必要なものあるっけ?
 適当にソーメンを食するのに必要そうなものを取り出していく。だが、
「ねぇみっきー…………この赤マムシ、三ヶ月前から減ってないんだけど……」
 他人の家の冷蔵庫を漁ればそういうところまで目が行くのも当然といえば当然である。
 赤マムシというのはいわゆる栄養ドリンクの類だが、三ヵ月前に泊まりに来たときには八本置いてあった。そして今も八本。種類が同じで物が変わっているということではなく、正真正銘同じもの。
「それね、親父が目が回るほど忙しくて休みも取れない! って言いながら買ってきたやつなんだけど、家に帰ってきて飲む暇も無いくらい忙しいらしいんだよね。ほしけりゃあげるよー」
「いや、いらないって」
 里奈は全力で否定をした。
 美紀子の父親が一体何の仕事をしているのか、ということは全く知らないが常識外なほど忙しい仕事だということはよく分かった。恐らくは母親も同じような感じで毎日大変なのだろう、となんとなく思った。
 ソーメンの入った容器をテーブルの上に乗せ、他のものも並べて里奈もテーブルの横に座った。
 美紀子は相変わらず移動用ローラー付きのイスの上に座っているが、ローラーをコロコロ動かしてテーブルのほうへやってきた。
 器に麺つゆを入れて、少しだけチューブの練り生姜を混ぜてソーメンを取る。麺つゆはストレートタイプだから水を混ぜなくても平気なやつだ。
 一口食べる。
 うん、湯で時間もばっちり。早すぎず遅すぎずいい感じ。
 やはりイスの上に胡坐を組んでいる美紀子もテーブルの上のソーメンを器用に器にとって一口すすって、「お、うまいじゃん」と美味しそうな顔をした。
「前から思ってたけどみっきーも大変だね」
「んあ? なんで?」
 ソーメンをすすっている最中の美紀子が不思議そうに里奈を見た。
「だって親が二人とも帰ってこないんでしょ? 家事とか大変じゃない?」
 私だったらすぐに音をあげるに違いない。基本的に家事なんてお母さんに任せっぱなしでろくに手伝いもしてこなかったからやりかたなんてさっぱりだ。
「別にぃ、もう慣れた。お金だって銀行のほうには毎月ちゃんと入ってるし買い物も困ってないよ。自分のレシピが増えていくのも楽しいしね」
 自分で自分の世話をするのは当たり前じゃん、みたいな言い方に里奈は少し落ち込んだ。
 そういえば私って何が出来るんだろ、玉子焼き……とか? 確かに卵料理だけど何か違う気がする。今まで自分で自分の世話をするなんて考えたことも無かったけど、家出をするっていうのは多分そういうことなのかな。
 本当に自分はちゃんと自分の面倒を見ていけるのか不安になった。
「それに、これから一緒に暮らしてくれんだろ?」
 箸で里奈を指しながら美紀子はニカっと笑った。
 そうだ、これから美紀子と暮らしていくんだ。分からないことは少しずつ教えてもらおう。初めは迷惑ばっかりかけるかもしれないけど、きっとなんとかなるよね。
 そんなことを思いながら夕食は進んでいく。


 流れていく砂の城 繋げなかった左手 ただ夢だと良いなと 少し思った
 だって だって それは悲しいことだから
 そうさきっと飛べるはず 空はこんな蒼いから ただ夢だと良いなと 少し願った
 だって だって それは楽しいことだから
 見えない光で輝いて 
 見えてる気持ちに気づかずに
 また日が始まる 昨日よりも幸せを明日を想って
  

 美紀子の部屋に布団を敷いて寝ていた私は、そんな歌詞の歌と一緒に目が覚めた。
 コンポの電源を付けっぱなしで寝てしまったのか、ディスプレイ画面にいくつかの数字が光っている。
 コンポの持ち主はまだ自分のベッドで眠っているらしい。
 昨日の夜は布団に敷いてからも二人でわいわい話し合っていた。
 家出中でも親友と一夜をともにするのは楽しい気分になる。
 途中で美紀子が「最近このグループがお気に入りなんだ」と言ってかけ始めたのがさっきの曲。
 リズムがよくて、でもどこか悲しい感じがする曲だった。
 布団の上に転がりながら、少しだけ口ずさんでみた。
「見えない光で輝いて、見えてる気持――――」
「この曲気に入った?」
「うわっ!」
 いきなりベッドで寝ていたはずの美紀子から声がして驚いた。しかも歌ってるときに。
 かなり恥ずかしいんですけど!
 すかさず顔が真っ赤になった、ような気がする。
「いやぁ信者が増えることは喜ばしいね、うん。洗脳完了、みたいな?」
「……信者?」
 信者や洗脳など、なにやら怪しげな言葉が気になったが、「んじゃ朝ご飯行こうか」と彼女はベッドを飛び降りて部屋をさっさと出て行ってしまったので、里奈も一緒に部屋を出ることにした。


 その日、美紀子は朝からバイトのため、朝食を取ってから家を出て行った。
 本来里奈の中学校は基本的にバイトは禁止なのだが、夏休みのような長期の休みになると学校に隠れてバイトをする人が出てくる。
 美紀子もその一人で、彼女の場合は長期の休みといわず年中バイトを頑張っている。
 それでいて受験勉強だってちゃんとしているのだから驚きだ。
 以前にどうしてバイトをしているのかと聞いたところ、「だって親にばっかり頼るわけにいかないだろ」とはにかみながら答えた。
 ずっと前から彼女は家族のことを想って過ごしている。その頃から私は――――。
 美紀子が出て行ってから、すぐに私も家を出ることにした。
 これから世話になるといってもやはり他人の家であることに変わりはなく、家主が居ないのに居座っているのはどこか落ち着かない感じがしたからだ。
 こんなんでちゃんと暮らしていけるのかな…………私。
 未来に不安を覚えつつも寝巻きから外出用の服に着替える。
 前もって美紀子から「家を出るなら鍵はポストに入れといて」と言われていたので家の戸締りを確認した後、ポストの中に鍵を入れて家を出た。
 家出をしてから二日目。
 その日の朝は漫画かアニメに出てきそうなほど雲ひとつ無い気持ちいい青空だった。
 最も、今の季節は夏。
 少しくらいは雲が出てくれないと暑過ぎて困る季節。
 ただでさえ暑いのに雲一つ無いとかありえないって。
 アニメみたいに気持ち良さそうな顔なんて出来るわけないじゃん。この真夏の快晴の下でそんな顔してる奴が居たら馬鹿だよ馬鹿。
 そんなに私を虐めたいのか神様。Sですか? Sなんですね? 貴方はドSに違いない。
「あっちぃー……」
 暑さで脳味噌が若干溶けてきたのか考えが意味不明な方向へ進んでいく。
 里奈は元々夏は苦手なほうだ。寒いのは嫌い。暑いのはもっと嫌い。だから夏は毎年クーラーの利いた部屋でごろごろと過ごしていた。
 しかし今年はそういうわけにもいかない。今は家出中なのだから。
「せめて帽子くらい持ってくるべきだったなぁ」
 と、自分の不手際を恨んだ。帽子があればもう少し気持ちも楽だったかもしれないが、無いものをねだっても仕方がない。
 よって、里奈の足は自然と涼しい店の中へと進んでいくこととなる。
 たどり着いた店は昨日男の子の窃盗未遂事件が起こったスーパー。
 相変わらず温暖化問題を無視するような強すぎる冷房で肌は急激に冷えていくが、気温の上がる今の時間帯はこれくらいで丁度いい。
 里奈は特に何かを求めるわけでもなく店内をうろうろと歩き回った。
 本当ならアイスクリームコーナーにでも行って扉を全開にして全力で涼みたいところだが、流石に非常識すぎるので飲み物の並ぶ棚の前で涼むことにした。
 あー……涼しい……冷房とか考えた人は天才だよ、本当に。
 地球規模のクーラーとか誰か作ってくれないかなぁ。そうすれば夏の暑さで苦しむ事はないのに。
 なんて馬鹿なことを考えながら身を棚のほうへ近づけて涼み、ついでに飲み物でも買おうと並んだ商品を端から順番に見ていくことにした。
 リンゴ、オレンジ、ブドウ、ヨーグルト、コーヒー、うーん……よし、フルーツ牛乳にしよう。
 小さなパックを取ろうと右手を伸ばすと、指先がひんやりして気持ちいい。
 少しの間その格好のまま停止して、ようやくそれをレジまで持っていこうとした時に、
「離せよ馬鹿!」
 というやけに高い声が店内に響いた。
 あまりに突然すぎる声に里奈は一体全体何事かと少し混乱したが、すぐにその声に聞き覚えがあることを思い出した。
 ――またあの子か!
 声のした丁度店の出入り口のところまで走っていくと、昨日の男の子とその子の腕を掴んでいる店員らしい男性が騒ぎ合っていた。
 店員はしっかりと男の子を掴んで離そうとはしない。男の子は必死に体重をかけて掴まれた腕を離そうと頑張ってみても、腕が離れる気配はまるで無い。
「子供でも万引きくらい知ってるだろ、いいからこっち来い」
 店員が怒鳴った。
「離せ! 離せってば!」
 それは確かに大人と子供。昨日の里奈以上に力の差は明らかだった。
 見ると、また男の子のポケットにはパンが無理矢理に突っ込まれている。
 面倒ごとは心から勘弁してほしいと思う里奈だったが、昨日自ら面倒ごとに首を突っ込んだことを思い出した。
 そしてたった今、ほんの一瞬男の子と目が合った。
 目があってしまった。
 あぁ………………もうっ!
「すいません!」
 急いで店員の下へ駆けた里奈は勢いよく頭を下げた。
「その子、私の弟なんです。一緒に買い物に来たんですけどお腹が減ったというので好きなパンを選んできなさいって言ったんです。選んだらちゃんと待っているように言ったんですけどこんなことになって、ごめんなさい」
 言ってからもう一度頭を下げた。
「はぁ……」
 あまりに里奈が熱心に一生懸命謝るので面食らった店員は「次からは気をつけてください」と言って男の子の手を離した。
 店の奥へ店員が消えたのを確認して、ほっと一息ついた。
 まさか私がこんな漫画みたいなことするなんて…………美紀子に言ったらしばらく話のネタにされそう。
 一瞬考えて、大笑いしている美紀子の想像を振り払った。
「…………お姉ちゃん」
 いつの間にか足元まで来ていた男の子は申し訳なさそうな顔をしていた。
「君ねぇ、昨日私に捕まったばっかじゃん。人のものは盗んじゃいけないってちゃんと言ったっしょ? 何でまた同じこと――――」
「…………ごめんなさい」
 男の子はもう一度うつむきながらごめんなさいと言った。
 その姿を見ていると怒る気も無くなって、怒ってるほうが何か悪いことをしているような気がして、里奈はそれ以上言うのをやめた。
「いいよ、怒ってないから、あぁほらもう泣きそうな顔しないで」
 そう言っても男の子はうつむき加減のまま。
 どうすんのよこれ…………。
 周りを見ても誰がいるわけでもなく、助けを求められるような人は居なかった。
「と、とりあえずお金払っちゃおうか」


 フルーツ牛乳とぐちゃぐちゃに変形したパン。それと昼食用にもう二つパンを買って店を出た。
 冷房の効いた場所から外へ出ると、外の気温は変わっていないはずなのに店に入る前よりもずっと暑く感じられた。
「うわー、やっぱりあっちぃなー。ほんとに何とかしてくんないかなこれ!」
 少し大げさなくらいのリアクションで真夏の太陽に訴えてみても当然太陽は答えてくれるわけはなく、唯一今の声を聞いていたはずの男の子も相変わらず落ち込んだまま。
「ほら、君のパン。これ奢ってあげるから」
 レジ袋から変形したパンを取り出して男の子に手渡した。
「あ、そういえば名前なんていうの? 私は里奈っていうんだけど」
「……涼太」
「よし、涼太君。家まで送ったげるから一緒に帰ろ?」
 なだめるように優しく言ったつもりだったが、涼太は左右に首を静かに振ってその場を動こうとしなかった。
「大丈夫だって、万引きしたことは黙っといてあげるから怒られやしないって。多分」
 しかし彼はうつむき黙ったまま動かなかった。
 正直なところ子供は得意なほうではないことを里奈は自覚している。むしろ苦手なくらい、こうして黙られてしまうとどうしていいか困ってしまう。
 一体こんな時どのようにすればいいのかと美紀子に携帯でヘルプを求めようとした時、小さく服を引っ張られた。
 もちろん引っ張ったのは涼太だ。
「あっち」
 言いながら涼太は道路の道を指差した。
 あっちに家がある、ってことかな?
 さっきまで家には帰りたくないような仕草をしていたのに急に涼太が動き出したことを不思議に思った。が、それで彼が無事家に帰ってくれるなら問題は無い。
「おーけー、あっちだね。んじゃ行こっか」
 一緒に手を繋いで涼太の指差した方向へ歩いていく。

小さな子犬の鳴かせ方『3』

2008-08-02 | one day-小さな子犬の鳴かせ方-
「……ついた」
 どうやら目的地に到着したらしい。
 スーパーから歩き始めて十分くらい経ったところで涼太が足を止めてそう言った。
「ついた…………ってここ公園なんですけど!」
 二人はこの町にいくつかあるうちの中規模な公園に着いていた。学校のグラウンドくらいはありそうな広さで、すべり台やブランコなどの遊具もちゃんと置いてある。
 休日の昼近くということもあって近所の子供達で賑わっていた。
 キャッチボールをする子、追いかけっこをする子。遊具で遊ぶ子。していることはばらばらでも皆一様に楽しそうに笑っている。
 そんな子達の間を涼太に引っ張られるように歩いていって、公園の端にある休憩所のような場所に来た。
 子連れの親が休むために設けられたスペースであるらしく、木製のテーブルとそれをコの字に囲むように長イスが置いてあって、ちゃんと屋根まで付いている。まるで壁の無い小屋のようなところ。
 ただ公園の端という目立たない場所にあるせいか人気はなく、テーブルの上には砂埃が積もっている。
 それから随分長い間ここに人が集まっていないことが見て取れた。
 涼太は里奈から手を離すと長イスの横にしゃがみこんでパンの袋を開けた。
 まさかその場所、その体勢で食べるのかとドキリとしたが、よく見てみるとイスの下で何か小さな白いものが動いているのが見えた。
「……子犬だ」
 小さな白い子犬が一生懸命に涼太の持つパンを食べている。
 あのパン、この子犬にあげるためのやつだったんだ……。
 涼太と子犬が見られるように彼らとは反対側のイスに座って、しばらくその光景を眺めていた。
 子犬は本当に美味しそうにクリームパンを食べている。勢いが良すぎたのか鼻の辺りにクリームがちょこんと乗っていた。
 食べ終わって子犬はご馳走様でしたとでも言うようにキャウと吠えた。
「その子犬、名前なんていうの?」
「マリン」
 涼太がマリンという名前らしい子犬を抱えて里奈の隣に座った。
 なるほど、確かに良く見てみると目の色が青っぽく見える。
 名前を呼ばれたと勘違いしたのかマリンはまたキャウと吠えた。
 くぅ~。
 ついでに、涼太のお腹の虫も鳴いた。
「えっと、私たちもお昼にしよっか、食べる?」
 レジ袋から昼食用に買っておいた二つのパンを取り出す。
 もちろん両方とも自分用に買っておいたものなのだけど、見れば涼太に昼食用の食べ物があるようには見えなくて、家にも帰りたくないというのだから仕方がない。
 お腹のすいた子供を放っておくわけにもいかないしね。
 遠慮がちにも涼太はたまごサンド受け取って、里奈はくるみパンを持って一緒に食べ始め、ジュースは涼太にあげることにした。
 マリンは涼太の膝の上で鼻についたクリームを頑張って取ろうと何度も鼻をこすっている。
「そういえばさ、涼太君なんで家に帰りたくないの?」
 訊いてはみたものの、里奈はこの質問に少し躊躇があった。
 家に帰りたくないということはやはり家庭の中で何かがあったのは間違いない。となればこの質問はこの子の嫌な記憶を思い出させるに決まっているからだ。
 案の定涼太は質問に答えてくれなかった。気のせいかほんの少し表情が影に落ちたような気がする。
 まずった……!
 そう確信できた。
 何か取り繕うような言葉は何か無いかと探してみても、一体どんな言葉をかけてあげればいいかなんてものはさっぱり浮かんで来ない。
 そして沈黙。
 一度だけマリンがくしゅっとくしゃみをした。そのくしゃみはとても可愛いものだったのに、やはり心は落ち着かなかった。
 たまごサンドを食べ終えた涼太は、すっかりクリームの取れた鼻を押さえているマリンを抱いた。
「あー……えー……っと……それじゃ、私帰るね」
 ゴミをレジ袋の中にまとめて立ち上がろうとしたとき、涼太が里奈の服を掴んだ。
 それは、振り払おうと思えば出来るほど弱い力だった。
 それは、空気がひどく悪くなって、逃げようとした里奈を捕らえておくための手ではなかった。
 それは、涼太が振り絞った最後の勇気だった。
「涼太……君」
 里奈はその手が小さく震えてることに気づいて、帰るのをやめてイスに座りなおした。
「何?」
 尋ねてみる。
 しかしそれに返事はなく、ただ沈黙が流れていく。
 少し、里奈の服を掴む手が強くなった。
「どうしたの?」
 もう一度訊いてみる。
 蝉の耳に響く鳴き声と、時々鳴くマリンの声だけが今里奈の耳に届く唯一の音。
 遠くのほうで遊んでいる子供達の声は届いてはこない。
 それほどその空間は孤立していた。
 この子は何を考えてるんだろう、と考えてみる。
 こんなに小さな子がここまで何か思いつめるようなことがあるだろうか?
 私はお気楽な小学校時代だったから、涼太が何を考えてるかなんてさっぱりわからない。
 うーん……あぁ、算数のテストがあるって忘れてて授業の十分前に気づいたときはどうしようかと悩んでたかもしれないなぁ。
 でも…………絶対に違うと思う。
 そんなことでこんなにはならないだろう。
 まして家に帰らなくて、万引きまでして…………?
 家に帰ってない?
 ということは多分昨日も?
 だから夜にお腹が減って万引きしようとしたのか……。
 あの後、この子はどうしたんだろう。
 家に帰っていない夜。いったい何処で寝る?
 私は親友の家があった。じゃあこの子は――――。
 次第に日は傾き始める。
「……………………僕…………」
 ようやく、涼太は硬く閉じていた口を開き始めた。

―――――――――――――――――――――――――――

 一人の少年がいた。
 少年は幼い頃に母親を亡くして、ずっと父親と二人で暮らしていた。
 朝に少年を保育園へ届け、ひたすらに仕事をこなし、夜遅くに息子を迎えに行く父親は毎日がとても辛そうだった。
 夕方になると園の子供達は皆揃って親に迎えられて帰っていく。
 少年一人が最後まで残っていることは珍しくは無かった。辛くは無い。ただ寂しいだけ。
 それでも辛そうな父親の顔を見ていると、寂しい表情なんて見せられなかった。
 だから無理して笑ってみせた。
 少年はこのとき、既に嘘をつくことを覚えていた。
 父親のために、嘘をつくしかなかった。
 まるで生活が作業であるかのように、同じ毎日が繰り返されていく。
 次第に寂しさに慣れ始め、本当の笑い方が分からなくなってきた頃、父親が再婚した。
 会社で知り合った女性で、彼女も夫を亡くし娘と二人暮しをしているという。
 その日から少年に母親と、初めての姉が出来た。
 母親。少年にとってのお義母さんはその少年のことを自分の息子のように愛した。
 心から笑うことの出来なくなっていた無愛想な少年に、母親は何度も笑顔を向けてくれた。
 それは間違いなく純粋な笑顔であり、次第に少年の凍りついた心を溶かしていった。
 再婚したことで父親は家庭の家事の負担が減り、顔色は随分良くなって、それは少年にとっても嬉しいことだった。
 七つ離れた姉はとても優しい人で、少年のことをまるで本当の弟のように可愛がっていた。
 一緒に行動をして、彼女が笑えば少年も笑った。少年は本当に楽しそうに笑っていた。
 保育園には姉が送り迎えをしてくれることになっていて、ちゃんと夕方になると迎えにきてくれる。
 それが少年には嬉しくてしかたがなかった。
 初めて彼女に買ってもらった帽子をいつも笑顔で被っていた。
 小学校にあがってから、姉はよく勉強を教えてくれた。
 覚えが悪い少年を見捨てることもせず、勉強する時はいつもとなりで教えてくれる。
 分からなかった問題ができるようになると、少年よりも彼女のほうが喜んだ。まるで自分のことのように嬉しそうだった。
 確かな幸せがそこにあった。
 ずっとずっと、そんな幸せが続くように思っていた。
 ただ漠然とした未来を、想っていた。

 状況は一変する。
 小学二年生の夏。少年にとって唯一の姉が死んだ。
 元々体の強くなかった姉はこの町で一番大きな病院にずっと通院していて、その日の朝、発作が起こった。
 心臓の病気。
 生まれつき普通の人よりもずっと組織が脆く、まともな治療も出来ない体をしていていつ死んでもおかしくない状態だと告げられていた。生後三ヵ月のことだった。
 医者からは持って二年だと言われていた体を、それでも彼女は十五年という長い月日の間もたせてみせた。
 いつ死ぬかもしれない、明日は無いかもしれないという状況で十五年というのはひどく長かっただろう。
 それなのに、彼女は少年にずっと笑顔を見せてきた。
 少年だけじゃない。きっと皆に笑顔を見せていたはずだ。
 死ぬ直前だっていうのに、彼女は全然苦しそうじゃなかった。
「私はみんなのために笑ってたんじゃないから、楽しかったから笑えたんだよ」
 そう言って彼女は居なくなった。
 それから、家に笑顔が消えた。
 ぽっかりと心のどこかに穴が開いたように。
 相変わらず母親は優しかったが、どことなく不自然な笑顔をしていた。
 無理矢理作っているような、そんな笑顔。
 でも、どこか悲しそうだった。
 そんな悲しみを少しでも紛らわそうと父親が子犬を買ってきた。小さな白い子犬。
 少年は子犬と仲良くなって少しずつ笑顔を取り戻していったが、大人たちはやはりすぐに立ち直る事は出来なかった。
 少年と子犬が足元まで寄り添ってきても、大人たちは薄い笑顔を浮かべて少量のお酒をあおる事も少なくはなかった。
 姉が死んでから数日がたった日のこと。
 その日の休日、少年は母親に買い物を頼まれて外に出た。
 姉とよく一緒に行ったスーパーに行って買い物をしてきてほしいと言われたからだ。
 サイフと買い物リストを両手に持って母親に見送られながら白い子犬と一緒に外に出ると、道を三分の一ぐらい行ったところでお気に入りの姉に買ってもらった帽子を被っていないことに気づいてすぐに引き返した。
 その帽子を被っているといつも姉といるような気がして、出かけるときはいつも被っているはずなのにその日に限って忘れてしまった。
 急いで家に戻って、靴を脱いで自分の部屋へ向かう途中の廊下で誰かの大きな声を聞いた。
 思わず足を止めて、その声の場所を探してしまう。
 その声はリビングのほうから聞こえてきていた。
 リビングを少し覗いてみると、そこに少年の両親がいた。
 母親は今まで少年に見せたことの無い形相をしていて、対面する父親もまた怖い顔をしていた。
 心の中で誰かが聞くなと囁いたのに、少年はその場を動くことが出来なかった。動けなかった。
「どうして…………どうしてあの子が死ななきゃいけないの。あの子は何も悪くないのに!」
 母親が狂ったように叫ぶ。
「いい加減にしないか!」
 父親もまた同様に、しかし冷静に怒鳴った。
「俺たちにはまだ涼太がいるじゃないか! あの子を精一杯愛してやれば――――」
「涼太は! あの子は私の本当の子じゃない! 本当の子はまりなだけなの! あぁまりな……どうしてあなたが……」
「君の気持ちはよく分かる。俺だってまりなのことを悲しんでいないわけがない。でも、それを嘆いたところでまりなは帰って来ないんだ」
「そうよ、あの子が死ぬことはなかったんだわ! 代わりに! まりなの代わりに涼太が―――」
 キャウッ。
 母親の声に驚いて子犬が吠えた。
 連鎖的に少年がその声に驚いて肩をびくっと振るわせ、その時肩が扉にぶつかって開いてしまった。
 母と子。
「……りょう…………た? どうして………………」
 目があった。
「ち……違うの…………涼太…………今のはそういう意味じゃ…………」
 その声はひどくか細く、泣声に近い。
 母親が一歩近づくたびに、少年は一歩後ろに下がり、やがて走り出した。
 何も見えないように、何も聞こえないようにただ一心に逃げた。
 今までの全てを否定されたような、そんな気がした。

―――――――――――――――――――――――――――
「サイフはその時に落としたみたいで、でも家に帰るわけにもいかなかったから、人のものを盗んで食べるしかなかった。もちろん悪いことだって分かってたけど他にどうしようもなかった」
 涼太は自分の境遇を淡々と語った。
 小学生という実年齢よりもずっと大人びた物言いは彼の育ち方から来たものなのだろう。
 今まで死なんてものはテレビや漫画の世界のものだと思っていた。でも涼太はこんな幼い頃に人の死を体験している。
 それがどれほど心に傷をつけるものなのか、里奈には分からなかった。
 ただ、凄く大きなものだということは漠然と理解が出来た。
 例えば、涼太という少年とか。
 陽は刻々と夕日へ近づいて、あれほど凶悪だった陽の光も幾分和らいできている。もうすぐ太陽はオレンジ色に光りだすだろう。
 公園で遊んでいた子達も一人、また一人と姿を消して、やがて一人も居なくなった。
 友達と帰ったり、親子で手を繋いで帰ったり、あるいは兄弟、姉妹で仲良く帰ったり。
 皆帰る家がある。帰るべき場所がある。
 それは決して、こんな小さな子から奪ってはいけない場所のように思えてならなかった。
「お義母さんもさ……辛かったんじゃないかな。突然愛する子どもが死んで、何がなんだか分からなくなって、心の整理がまだついてなかったとか」
「うん、本当は分かってた。お義母さんは僕の本当のお母さんじゃないけど、いつだって優しかった。ただあの時は興奮して、つい口が滑っちゃったんだって。そういうことって、きっと誰にだってあると思うんだ。だからお義母さんは悪くないよ」
 わかってはいても家に戻ることが出来ないのは母とどう接すればいいのか分からないからだろう。
 涼太がマリンの頭をそっと撫でると、マリンはくすぐったそうに、でも嬉しそうにクーンと鳴いた。
「実はさ、私も家出中なんだよねー」
 言うと涼太は「え?」と里奈の顔をポカンと見上げた。
「うちの父親が私がテニスをすることに反対してたんだ。でもお母さんに説得してもらって私が無理に学校の部活でテニスを続けて、昨日中学最後の試合があったんだけどボロ負けしちゃって。それで家に帰ったらお父さんがなんて言ったと思う?」
「………さぁ?」
「無精卵はいくら暖めても孵らない、だってさ。あぁ無精卵っていうのはスーパーとかで売ってる卵のことなんだけど。とにかくその言葉がやたら頭に来て家を飛び出したってわけ」
 涼太はどうして突然里奈がそんなことを話し始めたのかと不思議に思った。
 しかし里奈は続ける。
「でもさ、よく考えてみれば私って人から頑張ってるって思われるほど努力もしてなかったと思うんだ。だって部活なんて週に三回しかなくて、部活中だって誰かがどっかから持ってきたバレーボールとかで遊んでたりしてたもん。そりゃあ負けて当然ってね」
 里奈の通う学校のテニス部はこの辺りの学校では群を抜いて弱小校。
 顧問もほとんど来ない幽霊みたいなもので、テニスコートだって一つしかない。
 週三回の練習でも部活中にバレーやらサッカーやらをして遊んでいる時間のほうが長いくらいの御気楽クラブだ。
 里奈がテニス部に入った理由の八割は『楽そうだから』である。
 しかし流石に最後の試合となると名残惜しいような気がして少しだけ一生懸命頑張ってみた。
 が、スポーツの世界は甘くなく、一週間そこらの練習で勝ち進めるようなものではない。
 その事は十分に承知していたはずだったのにいざ父親に言われてみるとカチンだ。
「それは……お姉ちゃんが悪いんじゃないかな……」
「あはは、私もそう思う」
 里奈は笑った。それは自嘲ではなく、笑い飛ばしてしまうような笑いだった。
「ねぇ涼太君。お姉さんのこと好き? あ、私じゃなくて涼太君のお姉さん」
「うん!」
 涼太は元気に頷いてみせる。
「そっか。じゃあお姉さんはさ、涼太君が家出して、喜んでると思う?」
「………………」
「私はそう思わないなぁ。だって親子ってもっとこう…………一つ屋根の下っていうか、一緒にいるべきじゃん?」
 何だ私、ちゃんとわかってるじゃん。
「お姉さんは涼太君にもっと笑ってほしいんじゃないかな」
 本当は気づかないふりをしていただけ。
 心の中ではちゃんとわかっているのに、うまく伝えられないだけ。
 ちゃんと言えるようになればきっと――――。
「でも…………」
 涼太は声を絞り出すようにして呟いた。その声は少し震え気味で、膝元のマリンが心配そうに鳴いた。
「どうやってお義母さんと話せばいいのかわからない……」
「それは…………」
 一瞬言葉に詰って視線を涼太から公園へ移すと、
「……多分大丈夫っぽいよ?」
「涼太!!」
 女性が見えた。丁度里奈の母親と同年代くらいの女の人が何度も涼太、涼太と言いながら走ってくる。
 ずっと走ってきたのか額には大粒の汗を浮かべているが、そんなことは気にする様子もなく里奈たちの居る公園の一角まで走ってきた。
「……お義母……さん……」
 涼太のお義母さんだった。
 涼太の前まで来ると、母はすぐに涼太を抱きしめた。
「……よかった……無事で本当によかった…………涼太まで居なくなったら……私……」
 涙を流しながら強く強く息子を抱きしめる。
「お義母さん、どうして……」 
「涼太が出て行ってからすぐに探したのに見つからなくて、でもさっき涼太がここにいるって聞いてそれで……本当によかった……涼太……」


「そういえばさ、どうしてあの時私の服掴んだの?」
 親子が仲良く手を繋いで帰ろうとするしたときに、少し気になったことを聞いてみた。
「なんていうか……お姉ちゃんが僕のお姉ちゃんと同じ感じがしたんだ。雰囲気っていうのかな、優しい感じの」
「ふーん、それは私が優しいってことでいいのかな?」
「うん!」
 涼太は頷いた。
 母親は何度も「ありがとうございました」と里奈に頭を下げて、公園の出口のほうへ涼太と一緒に歩いていった。そこには確かに愛があった。まるで目に見えるような愛。
 公園から出る直前に涼太が振り向いて、
「またね!」
 と大きく手を振ってくれた。同じようにマリンも可愛らしい声でキャウと吠えた。多分涼太と同じことを言っているのだろうと感じて、「私犬語分かるかもしれない!」なんて思ってみた。
「おー! またなー!」
 里奈も手を振って涼太に答える。次第に二人、それと一匹の影は遠のいて行って、そのうち見えなくなった。
「よし、それじゃ私も帰ろっかな」
 大きく伸びをしてから、里奈も歩き出した。
 結局美紀子のとこにはいつもどおりお泊り旅行になっちゃったなぁ。
 でもま、楽しかったからいっか。また泊まりに行こう。
 とりあえず考えなきゃいけないのは帰ってからなんて言おうか、だ。
 どうせあの父が謝るわけないんだから私が謝らないと。でももしかしたら……万が一……億が一くらいで、少しくらいは可能性が……ね?
 里奈もまた家に向かって歩き始めた。


 傍にある。
 支えあって、時々喧嘩して、でも仲直りして。
 小さいのに大きなそれは、見えないけど大切なもの。
 それを抱えてみんな生きていく。