指のケガに多いのは、大工さん、機械工の方など男性が多いのですが、年齢的には何故だかおっちゃん世代が多いです。そんなおっちゃん達が大好きなのはやっぱりお酒!タバコもガンガン吸いたおします。 指の再接着や腱の縫合などの手術をした後は、しばらくタバコやお酒、コーヒーやカレーなどの刺激物は採らないよう制限されます。
タバコやお酒を控える理由
タバコ→ニコチンによって血管の幅が縮んでしまいます。ということは、せっかくがんばって伸びよ
うとしている細い細い毛細血管の先が、ちゅっと潰れてしまうんです。神経も、1日に
1mm程度伸びる、といわれていますが、こちらも神経に通う血流が悪くなるために治りが
かなり悪くなります。よって、「本数減ったし、いいやろ?」は、ダメ!
お 酒→血管が拡がって血流が良くなるし、いいやん、と言う患者さんもおられますが、そのため
に手が腫れやすくなったりもします。手の状態のいい方はお酒を飲んでもどうもないの
ですが、なにしろ毛細血管が潰れてしまっていますから、ただでさえ循環が悪いところ
にどんどん血液が流れ込んできてしまうと対応ができず、体の末梢である指に組織液や
らリンパ液やらいろいろたまってしまうんです。手が腫れている人はお酒を飲まないに
越したことはないですね。
刺激物→これは手術をした後にまだ抗生物質を投与されている段階で、肝臓に刺激を与えない
ためです。チョコレートも刺激物に含まれるのでお見舞いに持っていかないようにしましょ
う。
とは言いながらも、どの文献を読んでも「タバコは血管に良くない」とは書いていないそうです。でも、あるドクターの話では、臨床的にみてタバコを吸っている人の手術後の成績は良くないことが多いそうです。
ケガをした後にタバコもお酒もやめたのに、いつまでたっても腫れが引かなくて困っている患者さんがよくおられます。思うに、ケガの後から摂生しても、今までの積み重ねによって肝臓や腎臓が悪くなっているとしたら、循環器系が弱いために血液やリンパ液などの循環が弱くなってしまっていることがあります。ケガをしたときのためにも、お酒やタバコはほどほどがいいみたいですね。