みなさんこんにちは。久しぶりの指の話です。
今回は、腱断裂や骨折、切断後に腱が癒着して動きが悪く困った場合に勧められることがある腱剥離についてです。
なんとなく思いませんか、腱が癒着したなら剥がす手術をすればものすごく動くようになるんじゃないか、と。
お医者さんにこんな手術もありますと教えられて、動くようになるならと手術を受けたAさん。手術後のリハビリは次の日からです。
手術したばっかりなのにもう動かすの? とりあえずリハビリに行ってみました。
「じゃあ動かしていきましょうか。はい、曲げますよー」
で、曲げられた瞬間…
「ぎゃあああぁぁー!」
みるみる赤く染まるガーゼ、瞬時に紅潮していく頬…。
表現しようのない物凄い痛みがほとばしります。
しかし、「はい、あと4回ね。曲げますよー」
容赦ない作業療法士。周りの患者さんたちは口が半分開いたまま、その場を動けないのでした…。
こんなリハビリが数週間続きます(-_-;)
しかも恐ろしいことに、
・すぐに再癒着が始まるので、2時間おきに自分で動かさなければならない
・最初は良く動くが、最高に動いているときを100%としてうまくいった場合でも70%程度に落ち着く
・できれば夜は2回くらい起きて動かして欲しい
・抜糸前後、3週間、3ヶ月で何故か再癒着の波がくる
・うまくいかなかったからと何回も剥離手術をするとますます悪くなる
あまりの痛さに心が折れて動かすことをやめてしまった人もいます。
どんな痛さなのか尋ねると、
「どうとは言えない。とにかく痛い」「今まで経験したことのない痛さ」。
叫ぶ、タオルを口にくわえて歯を食いしばる、あまりの痛さにしゃがみこむ、泣きながら動かす…。
ここまでしなくったっていいじゃないか、という人はだいたい元の木阿弥か、ひどいときは手術前より悪くなる人もいます。
もちろんがんばれば最初の痛さがずっと続くわけではありませんが、最初で挫折した人はリハビリの度にズルズルとキツイ痛みが続きます。
そもそも私は指の腱剥離をして良くなった人をあまり見たことがありません。
私見ですが、良くなった人は50人くらい?中5人です。
1人は最初からあんまり癒着してなかった人で、残りの4人は夜看護婦さんがそこまでしなくても、寝たらと止めるのも聞かず2時間おきに起きて動かした根性のある人で、そのうち2人は元々腱がスパッと切れていた人でした。
更に言うと、後者4人のうち3人が比較的剥がしやすい場所で、1人は2週間前に腱剥離したばかりでいわゆる「神の領域」でしたが、うまくいったというか癒着がひどすぎて邪魔になるくらい曲がりすぎていた指が伸びるようになった、で動きとしては少ないです。でも今までは親指と人差し指で挟む程度しか使えなかったのが指が個々に動くようになって、ごく軽い物がつまめるようになり、パソコンがゆっくりと打てるようになりました。
その他の人たちは、
・手術前とあまり変わらない
・曲がるようになったが伸びなくなった
・伸びるようになったが曲がらなくなった
・手術前より悪くなった
に大別されます。
ですのでどうしても腱剥離をして動くようになりたい!という方は、
・どこまで動いたら良しとするか
・本当にしなければならないくらい困っているのか
・想像以上の痛みに耐える根性を持って臨む
ということを踏まえて挑みましょう。
以上のことから、患者さんに相談された場合あくまでも私見ですが、私たちは腱剥離はあまりオススメしていません。むしろしない方がいい場合も多々あります。
本当は腱剥離しなくてもいいように早い段階で動かしだす方がいいんですよね。早期運動療法というのはそのために生み出されたものです。
でも伸びないけどよく曲がるようになって物が持てるようになったから良かった、という方たちもいらっしゃいます!
手が使えたらなんでも良し!ですね(^-^)
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指にはまだピンが入ったままですし管理には気を遣います。このブログ記事にある腱癒着も自分にも有り得るかも知れません。入院中にも癒着している方のリハビリの様子を間近で見てますからその苦労は感じてます。
それでも不幸にも指切断に遭ってしまったら辛いリハビリを経験することになりますから怪我には気をつけないといけませんね(-.-;)
退院して仕事もお休み中となると、どのように過ごすか悩んでしまいますよね。
癒着は本来は腱自体が治っていこうとする過程であるので、どうがんばっても少なからず起こってしまいます。。
ケガは全国のみなさんに是非気をつけて欲しいのですが、ケガした後どうなるか、ケガしてからでないと分からないのが困りものです。
ケガしてない人はこんなページも見ないでしょうしね^_^;
ピンが入ったままお家で生活するのは慣れるまで大変と思います。早くピンが抜けますよう。
おはようございます。
この記事を読んでしばらく経つのですが、初めて読んだ時、涙が出ました。
ぴぴさん、この記事を書かれるのに勇気というか強い決心をされたのではないかなと思って。
私共のように怪我で動かなくて苦しんでいる立場には凄い有り難い事だと思うのですが、手術をしているお医者さんから見ると相反するというかすれ違いませんか?
自分の主治医や2008年,2010年に発行された屈筋腱に関するレビューを読みました。素人なので当然殆ど分からないのですが、損傷程度・縫合法等条件・リハビリや体質が良ければ、人によっては「ZoneIIでも90%以上」という成績が当たり前って書いてあります。剥離術も。
私自分の田舎の病院を見ていると、その文献値の好成績が信じられず疑問だったのです。
治らない指を抱えて責めてみたり落ち込んだり。
「治したい」「治りたい」の間の現実を見れる目からのご意見は貴重です。術後6週目に外泊が許され家でネットが出来てぴぴさんのブログに会えた訳ですが、本当に出会えて良かったなって思っています。今回も本当に感謝です。
ちょっと感情的になってしまいましたが、それ程救われたのです。
どうも有り難うございます。
ぴぴさんもキャリアを積まれて日々忙しく、ブログの維持も大変だと思います。
でもぴぴさんの前を向かせてくれるコメントが大好きです。細く長くでいいので続けて下さいね。
あいかわらずしんきくさくてごめんなさい
決心は少しいったと思います。
でもそれは、お医者さんとすれ違うというよりは、腱剥離をされた方や控えている方もいらっしゃるだろうから、読んだら結構ヤな気分になるかも、と思ってです。
やはり好成績を残す病院はそれなりの手術の腕やリハビリの技術も揃っているところでしょうし、文献に載せる症例はうまくいった症例です。
あんまりうまくいかなかった場合は論文では書かないんですって(^_^;
なので >損傷程度・縫合法等条件・リハビリや体質が良ければ、
という条件がつくんです。結構な高条件だと思いませんか。4つも!?って。
なのであまりお気になさらずに(^-^)
ぷうさんもいつもコメントくださってありがとうございます!
ぽつぽつがんばります~。また来てくださいね!
負傷したのは甲の中指の付け根あたりでした。固定しその後リハ、負傷した部位は痛みは取れたんですが平側のピンポイントのそこ!の痛みが残り今回3ヶ月ぶりに手術をすることになりました。そこはなんか玉のようなしこりのようなものがありました。先生は手術はどちらでもいいような言い方でした、あなたしだい! みたいな。今は腫れていますがリハのせいか? と、思っていますがはっきり言ってこれって抜糸が終わったらすぐ仕事復帰してもいいんでしょうか?長く休んでて会社にも申し訳ないし、、。手を使う仕事なんでそれがリハになったりして? どなたかアドバイスをいただけたら。
でももしかしたら文面からすると、腱剥離というよりはばね指の手術でしょうか?
どちらにしてもまだオペしてから数日しか経っていませんから、手術をしたことで腫れているのもあるでしょうし、リハビリをして腫れているのもあると思います。
はっきり言って抜糸が済んだらすぐ仕事復帰も可能と思います。それは指の状態と仕事内容よりけりですが。
と言っても腱剥離なのかよく分からないので、主治医の先生にお聞きされるのが一番良いと思いますよ。
その間もリハビリはしていたんですが、結局小指の根元が殆ど曲がらない状態のままで、先日主治医からリハビリで曲げるにはある程度の限界もあるし、他に手術という方法もあるけれど、頑張ってリハビリしないとまたすぐ元に戻ってしまうから、どうするか考えてと言われました。
そして悩みながらネットでいろいろ調べている時にこちらを拝見させていただきました。
最初から目に飛び込んできた恐ろしい現状に怖気づいたものの、悩んだ末に手術を受ける事にしました。
普段は20度程度、リハビリ後に測って40度程度しか曲がらなかった小指の付け根が、今普通で70度位、リハビリした後は90度くらいまで曲がるようになりました。といっても手術したのは一昨日なんで当たり前ですね(笑)
貴重な情報を教えていただいたお陰で、相当な覚悟を決めて手術に臨むことができたことに心から感謝しています。ありがとうございました。
まだまだこれからではありますが、痛さに負けず、そして最後まで気を抜かずにリハビリ頑張りたいと思います!迷っていた私の背中を押してくれたのは、このブログでした。
せっかくコメントいただいていたのにお返事せず失礼しました。
そのへんの骨折はつきにくいと厄介ですよね><
でもこの怖い記事がお役に立てたとのこと、本当に嬉しいです(^-^)
20度しか曲がらなかった指が70度とは、すごく好成績ですね!
あれからしばらく経ちましたが、その後はいかがでしょうか?
1ヶ月が過ぎたから、突然の癒着の波が襲ってきたり、心が折れそうになったりいろいろ大変なことだろうと思います。
今こちらの病院にもお一人腱剥離(しかも2回目)のリハビリをものすごくがんばっている方がおられます。
その方の徹底ぶりたるや目を見張るものがあり、1回目の痛さに負けたときに比べたら曲がる角度は比ではありません。
ちゃんこさんもまだしばらく続くリハビリ、他にもがんばっている人がいることを心の片隅にこれからもがんばって下さいね!
応援していますp(^^)q
あれから1ヶ月ちょっと経ちました。こちらで情報を頭にインプットしていたお陰で、術後の診察でいきなり曲げられても驚かないよう、地道に自分で動かしていたのが奏功して、常に主治医には「いいじゃん!」との評価をもらっていました。
なので、リハビリのオーダーも出ず、自分でやってれば大丈夫だろうとの判断をもらい、今も自分トレーニングのみで頑張っています。
こちらで知った「再癒着の波」らしきものも確かにありましたが(今もあります)とにかく一日中動かすようにしていたら、今のところMAX90度をキープできています(^-^)
ただ、この状態が安定するにはまだまだ時間が掛かるだろうとのことなので、当分の間は気を抜かずにいきたいと思います。やはり朝起きたときは殆ど曲がらないので、起きたらまず90度まで数分かけて曲げることから始めています。
同じ状況で頑張っている人の情報や、リハビリのプロのご意見がどれだけ励みになるのかを痛感しました。本当にありがとうございました!
また壁にぶち当たった時には相談に乗ってください。
何故4ヶ月も経ってから知ったかと言うと、先週夏休みで帰郷した際に包帯を巻いた小指に気付き問い詰めて白状しましたが、とにかく心配をかけたくなかったからと姉は言います。何とか指はくっ付いたとは言え腱が中に入ってしまい見つからずそのまま縫合した為曲げられない状態となっているとの事。
病院からは癒着した腱は元に戻せず一生指を曲げることは出来ないが付いただけましだとポジティブに考えるように言われ、本人も何とか前向きに生きようと考えるようにしていると言います。しかし伸びたままの指は主婦としての家事には不便であると共に、早退した担当者からのお見舞いも無く、また工場からは労災を使いたくないから早く会社に復帰しろと不条理を言われていうようで、何で代役を務めこんな目に合った私が会社からこんな仕打を受けなくてはいけないのかの言葉が突いて出るように諦めきれない部分を感じ取り、付いた以上何とか元通りに近い状態に出来ないかと考えてしまいます。
今私が姉に出来ることは日々連絡を取り元気づけるぐらいしか出来ませんが、時間が経っているとは言え何とか腱を元通りにする方法が無いかアドバイスを頂きたくご連絡させて頂きます。