そろそろ夕闇が忍び寄る。 伊豆伊東のダム湖のほとりに つぼみをいっぱいつけた寒桜。 あぁもう春が近いのだ。さくらも見ずにひたすら 働いて働いて 気がついたら 体を壊していた私。さくらのつぼみも なにかものがなしく 瞳に写る。でも そんな私を力の限り 支えてくれるおっちゃんがいる。歩くのもままならないけれど そんなおっちゃんがいるから頑張って行ける。ずーっと欲しかった万年筆も こないだ買ってくれた。二十歳のころから欲しかった万年筆。書き初めにおっちゃんに お礼を書いた。 今日も私の欲しい庭の花を買いにゆく途中の寒桜。夕暮れの冷気のなか おっちゃんが懐かしい湖に向かってカメラを構えている。